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NTT西日本と東宝、「千と千尋の神隠し」を映画館へ実験配信

公開日 2001/07/18 17:57
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●西日本電信電話株式会社(以下NTT西日本)と東宝株式会社(以下東宝)は、ブロードバンド時代における映画コンテンツの新たな配信モデルの確立に向け、NTT西日本の高速・大容量の光アクセスラインを用い、平成13年7月20日から東宝洋画系で公開上映する「千と千尋の神隠し」(スタジオジブリ制作:宮崎駿監督作品)を映画館へ配信し、その有効性をサービス面や技術面から検証する実証実験を平成13年7月17日から実施した。
 
本実証実験は、総務省の外郭団体である通信・放送機構(TAO)からの委託を受けて行うものである。本件は、総務省平成12年度補正予算「創造的情報通信システム開発事業」の一つとされる。

光ファイバによるアクセスサービスの開始など、アクセスラインの高速・大容量化が急速に進行し、本格的なブロードバンド時代を迎えるなか、超高速ダウンロードや高品質画像コンテンツ配信サービスに代表されるリッチコンテンツ流通の普及への期待が高まっている。このような期待に応えるために、光ファイバの「高速・大容量」、「双方向」という特長を活かした新たなコンテンツ配信モデルの確立は、必要不可欠であると考えられる。
 
こうした状況を踏まえ、NTT西日本及び東宝では、ブロードバンド時代における新たなコンテンツ配信モデル創造への取り組みの一環として、映画コンテンツを高速かつ高セキュリティを保持したまま、高品質に配信するために必要な技術を研究開発し、その技術やサービスの有効性についての検証を行うこととなったものだ。

<実証実験の概要>
本実証実験では、映画コンテンツを配信するための拠点となるデータセンタ(エヌ・ティ・ティ スマートコネクト株式会社内に設置)を構築し、東宝の直営映画館(「梅田スカラ座」等)に設置した映画コンテンツ受信用サーバへ光アクセスライン(最大1Gbit/s)を用いて配信する。

<研究開発・検証内容>
映画コンテンツをデータセンタから光アクセスラインを活用して映画館まで、高速に配信するためのサービスモデルを先行開発するとともに、映画コンテンツのような大容量コンテンツの高速配信時のネットワークセキュリティ及び、データの送達確認・認証方式についての技術開発を行う。
 
本研究開発は2段階に分けて実施し、「第一段階」では、ネットワークセキュリティを確保した大容量データ転送における検証を行い、今秋実施予定の「第二段階」では、データ送達確認・認証方式等の技術方式開発を行うとともに、それによって得られたサービスモデルを実装した形での実証研究を行う。

<配信するコンテンツ>
本実証実験で配信する映画コンテンツは、東宝において公開上映する作品を用いる。配信する映画コンテンツは、従来のフィルム製作ではなく、フルデジタルで製作したものである。

<実証実験実施期間>
 平成13年7月17日(月)〜平成14年3月31日(日)

<各社の主な役割>
(1) NTT西日本
・ データセンタの構築
(サーバ・ネットワーク機器の開発及びシステムインテグレーション)
・ 光アクセスラインの構築
・ 研究開発項目の検証

(2) 東宝
・ 映画館、特殊映写デジタル機器の提供
・ 映画コンテンツの提供および映写の実施

<今後の予定>
NTT西日本と東宝では、本実証実験で得た検証結果を踏まえ、高速大容量のインフラストラクチャを用いたデジタル映画コンテンツ配信における課題を明確化し、次世代の新しいサービスとしての実現性を更に追究していく考えだ。(Phile-web編集部)

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