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アキュフェーズ杉浦社長インタビュー2「アキュフェーズの音をマルチでも再現する」

公開日 2001/04/29 13:52
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アキュフェーズのPX−600 ¥550,000
●アキュフェーズ(株)代表取締役社長 杉浦浩司氏、代表取締役副社長 齋藤重正氏、取締役技術部長 高松重治氏に聞く、その第2回。インタビュアーは音元出版AVC&ネットワークディビジョンCOO大橋伸太郎である。

―― かつて出原さん(前社長:故人)に「好きなスピーカーシステムを教えてください」とお尋ねしたときに「それは製品でですか。」と訊き返されたことがずっと印象に残っています。「原点は自分で作ることだ」という心だったと思うのです。アキュフェーズの多品種、高品質、少量生産のポリシーには、技術者の理想の追及が原点にあると思います。ではその理想とは何かというと、2チャンネルの長年にわたる追及においては、歪みのない伝送であり原音再生だったと推察いたします。今回映像音響に踏み込んでいく上で「理想」が見えにくかったのではないかと生意気ながら思うのですが。
 
高松 たとえば今回の両機に関しても、他社のAVアンプなどとの比較試聴は一切やっておりません。CX−260は、音を決めていくに際しアキュフェーズ製品のなかでも評価の高い機種と比較するという手法をとっています。品質は今までの2チャンネル製品と同等のままでチャンネル数が増えたと考えていただきたいのです。パワーアンプも全く同じで、ステレオアンプが3台になったと理解していただければいいと思います。劇場の音の再現でなく2チャンネルをベースにした、家庭で鳴るCDからDVDまでカバーするあらゆるディスクでの最高品位での再生音という考えで音を作っています。
 
―― アキュフェーズファンならプロセッサー部まで全てアキュフェーズが組み上げたDVDの再生音を聴きたいのではないでしょうか。
 
高松 もちろんそれは今後の視野に入れています。
 
齋藤 我々が最初に手をつけられるのはパワーアンプでありプリアンプです。1台で等質な6チャンネルが駆動できるパワーアンプを作ろう、2チャンネルを自由にコントロールできるように6チャンネルコントロールができるプリアンプを作ろうと考えました。その次の段階では一定のスケジュールの中でトータルな視野で製品を作っていこうというプランは持っています。さっき冒頭で杉浦が言ったように、「アキュフェーズ製品でホームシアターをやりたい」というユーザーは当然プロセッサーも、場合によってはDVDプレーヤーも期待されると思うのですが、それは順を追って出していきたいというのがアキュフェーズの考えです。
 
杉浦 今、市場にあるAVアンプから私どもの製品に変えていただければ全然違った次元の音を出せるくらいの製品を作っていきたいのです。もっと理想を言えば、目をつぶってDVDのサラウンド音声を聴いていても違和感のない製品。はっきり申し上げて、いま市場にあるAVアンプの音は映像があって初めてそれらしく聞こえていると思います。我々は映像のない世界でも通用する音を追及していきたいのです。それがいま、2チャンネルにこだわっているお客様のホームシアターに対する抵抗でもあるわけです。逆の言い方をすれば、アキュフェーズのアンプを使っていれば、DVDビデオを聴いても決して自分たちが聴いてきた2チャンネルと違和感がない、そんな表現域を求めていきたいのです。

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