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□□□□□井上千岳のラスベガス-西海岸・珍道中!(5)□□□□□

2001/01/10
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●喧噪のラスベガスを後に、昨日サンフランシスコに着いた。比べるとここは天国のようだ。建物の大きさはごく普通だし、信号ひとつ渡るにも巨人国から帰ってきたガリバーのような気になる。それに前世紀に建てられたらしい石作りやレンガ作りの建物がたくさん残っていて、それがよけいほっとさせるのだ。名物のケーブルカーが走る坂道は意外なほど急だが、それに沿って二階建ての古風なアパートメントが続く。これがまたよくて、まったくラスベガスに比べるとここはパラダイスである。

この地へやってきたのは、ここに本社があるドルビー研究所の取材訪問のためだ。泊まったホテルは1925年の建築だそうで、ちょっとレトロな作りが非常に心地よい。荷物を置いて周辺を歩いてみると、タイやインドネシアなど東南アジア系のレストランが大変多い。もちろん日本のスシバーもそれに混じって少なくないが、そんなこんなで居心地のいい場所である。

最近新装なったドルビー研究所の本社はいかにも港町らしい古い倉庫のような建物の並ぶ一角にあって、やはりレンガ作りの古いビルを改装したものである。外側はそっくり残し、中だけが近代的な設備になっている。こうやって昔の建築物が保存されてゆくのだ。少しは日本も見習ってほしい気がする。

取材の中身はAACからプロロジックII、ドルビーデジタルのエンコーディングシステム、バージョン7.0など多岐に渡ったが、AACの技術的な内容について開発者から直接濃密なレクチャーを受けたり、プロロジックの開発者である副社長のロジャー・ドレスラー氏からプロロジックIIの説明を聞いたりと大変有益であった。ドレスラー氏は名前だけは知っていたが、最初はあまり気さくなのでそんな人とは気がつかなかった。それと知って後で襟を正したのだった。(つづく)

<写真左>ドルビー本社の外観。元は列車の整備工場だった建物。この中で先進的なテクノロジーを開発するというギャップが楽しい

<写真右>プロロジックIIについてレクチャーしていただいたロジャー・ドレスラー氏と記念撮影

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