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業界のキーパーソンによる21世紀特別対談「夢を語る」その5

2001/01/05
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●21世紀にオーディオ・ビジュアル、デジタルの世界はどうなるのか。業界のキーパーソンである、日本オーディオ協会副会長 ・ソニー相談役 鹿井信雄氏 と デジタルハリウッド学校長 杉山知之氏 が語る今世紀の未来像、その第五回目をお送りする。

●時間を有効に使えるライフスタイルの提案がキーワードになる前

鹿井 2005年にデジタルハイビジョン放送が定着しているかが一番のポイントになるでしょう。ソニープレイステーション2は、DVDの普及を促進しました。DVDが一般家庭にも普及したことにより、これまで味わったことのない良い画の楽しさを消費者は手に入れたはずです。BSデジタル放送でも同様です。ライフスタイルそのものが変わるでしょう。時間の使い方そのものが変わるはずです。そしてまた商品も、どんどん使いやすいものが出てきますから、そういう意味で2005年は、どういうふうに時間を有効に使って、楽しいライフスタイルづくりを提案していけるかが、キーワードになってくるでしょう。

杉山 結局、全体的には労働時間が減る方向は少しありますよね。世界中で家族というものが、もう1回見直されるんじゃないかと、そういう気がしているんです。時間が増えて、外ばかりじゃなくてやはり家というものが大事になるんじゃないかと。そのときに、家族全員が集う場というのはどうしてもリビングルームなので、そのリビングルームにある大きな画面というのが、1つの家族の団らんのための装置になると思うんです。この大きな画面で、テレビ会議みたいにして世界中の友達と会ってもいいし、それから映画を楽しんでもいいし、世界各国のニュースを見てもいいというような、家庭から世界に対する大きな窓みたいなのが、一番あり得る形なんだろうと思います。だから第一歩のBSデジタルは、ものすごく大きな意味があったんじゃないかな。だから画面が本当に、大きな画面は、「テレビにも使える」という感じですよね。映画館にもなるだろうし、友達と会議する場所にもなるし、同じ趣味を分かち合ってもいいだろうし、そういうことができてしまう。もう1つ言えば、リビングルームもスタジオみたいになって、逆にこのリビングルームから世界中の人に見てもらえるということすら起きてしまうので、そういう第一歩として、BSデジタルが始まったというのはすごく大きな意味を感じます。

鹿井 50年前にテレビの放送が白黒で始まって以来、カラーテレビになって、一家に2台、3台の時代になって、テレビと生活がものすごく強く結びつけられたんだと思います。1日に8時間以上見ていますなんていうような奥さんもたくさんいるわけですから。生活の中にテレビが入り過ぎちゃったという実感ですね。BSデジタル放送が始まって今までのテレビとは違うサービス、即ち双方向性、データ放送、インターネット等の機能がとりこまれることになってコンテンツの質がこれまでと変わり人間の生活のし方も、これまでのテレビ中心から映像、画像の機能を活かすような生活に変ってゆくことだろうということですね。
 2005年にはどこまで人間の生活が変るんでしょうか。楽しみですね。

(この続きは月刊SENKA21の2月号へ)(SENKA21編集部)

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