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AVCメーカー各社に聞く! 新春アンケート第1回

公開日 2000/12/29 14:45
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●もはや、オーディオやビジュアルといった単独の商品ジャンルでは、商品の正しい価値も、市場予測も語ることができない。

それほどまでに急速に、デジタルネットワーク化の動きは急だ。ライフスタイルも、商品も、売り場も、売り方も、ITや通信によって変わりつつあるのだ。

21世紀の始まりの年となる2001年。AVCメーカー各社は市場をどう予測し、どのような取り組みを行おうとしているのか。Senka21新年号では、有力メーカー各社に対して「有力各社に聞く2001年」と題したアンケート調査を行った。3つの設問に対する全23社の回答を、それぞれ3回に分けて、本日より全9回でお届けする。

第1回の設問は、「21世紀の始まりとなる2001年、ユーザーのライフスタイル及び消費行動についてどのようにお考えですか」


●アイワ
「より個性的・細分化されたものへの変化が顕著になる」 
デジタル化、ネットワーク化の進展により、若者の携帯するものが小型オーディオから携帯電話、PDAへと急速に変化したように、消費者の嗜好、ライフスタイルはハイスピードかつ複合的に変化している。ニーズ自体も従来型の画一化されたものから、より個性的・細分化されたものへの変化が顕著である。
 
また、Eコマースの浸透により、自宅にいながらにして商品を購入できるメリットは、顔の見せない消費者を創出するなどメーカーのブランド戦略に大きなインパクトを与えるはず。まさに、大変革期を迎えており、ユーザーに受け入れられる商品づくりはますますむずかしくなっている。

●LG電子ジャパン
「国産品にこだわらず幅広い視点で商品を選択する」
新世紀を迎えるにあたり、「グローバル」といった言葉の通り、今後消費者は国産商品にとらわれず、幅広い視点で商品を選択していくと考える。国産であるから買うといった意識は崩れ始め、良いものをいかに安く購入するかといったことがこれまで以上に重視されていくと思う。インターネットにより世界は近づき、消費者はこれまで以上にニーズそしてコストを追及していくはず。そのニーズを逃さないような、商品の開発を行っていかなければならないと考えている。

●オンキヨー
「デジタル化の波が浸透。等身大のものに価値観が見出される」
2001年は、ユーザーのライフスタイルによりデジタル化の波が浸透していくと思われる。その需要は、テレビ周りを中心としたインドアライフと携帯情報端末を中心としたアウトドアライフに両極化されると考えられる。特にインドアでは、時代をけん引してきた団塊ジュニア層が、結婚適齢期を迎えてライフスタイルに変化をもたらすことから、その関心や消費が高まると予測される。また全般を通して、そこでの選択性は単なるデジタルデバイスの詰めこみやファッション性だけが特出したものではなく、ユーザーのライフスタイルに合った等身大のインターフェイスを兼ね備えたものに価値観を見出し指示されると考えている。

●キヤノン販売(ビデオカメラ)
「ハードは高機能、多機能に。消費行動は多様化が進む」
IT技術の進化により、ますます情報のスピードアップと情報レベルの高度化が図られると思われる。消費者はいつでもどこでも簡単に自分の得たい情報や知識を自由に扱い、互いにやり取りできる環境が整ってくるものと考えられる。各種インフラの整備とハードウェアの進歩によって、ビジネスやパーソナルでも時間の短縮や有効利用が可能になってくる。個人のライフスタイルでは、密度の濃い時間を活用できるようになるが、IT技術の核である個々の製品においては、多様性と高機能及び多機能性が増してくると考えられる。

こうした機器の進歩とともに、ユーザーのライフスタイルに合ったソフトウエアの進歩も必要となる。また、ユーザーにおいても少子化・高齢化/長寿化といった時代背景において、それぞれの世代に適合したライフスタイルを求めるだろう。消費行動は世代層によって、ますます多様性を帯びてくるものと考える。

●ケンウッド
「景気動向が不透明な中、市場の動きは前年並みに」
景気回復というには今ひとつという状態になるため、心理的なものも絡んで消費市場が大幅に回復するということは考えにくい。これまでとさして変わらない消費動向が今しばらく続くと考えられる。

●三洋電機
「個々の価値観を優先し、消費は慎重かつ先鋭化する」
2001年のユーザーは、ますます個性化の傾向をたどり、個々の価値観を優先させるライフスタイルとなる。また消費行動は慎重かつ先鋭化すると考える。つまり、日用商品は合理的消費(価格優先)で、娯楽商品は趣味的消費(感動優先)の消費行動になるものと予測する。

●シャープ
「違いのあるモノに価値を見出す」 
価格志向よりも、価値志向、つまり高くても自分だけのオリジナリティを満足してくれるモノであれば購入する。この傾向にますます拍車がかかる。独自性のあるモノ、例えば、インテリア、デザイン、機能、環境といった点で、今までにない、違いのあるモノが受け入れられる。

●ソニーマーケティング
「ソフトウエアやサービスからの切り口がますます大切になる」 AVとITがつながる段階から、本格的に使いこなす段階に入った。お客様の目線で捉えた商品の融合も、予想以上に早いスピードで進み、若い方から年配の方まで、世代を問わずそうした変化に対する意識が浸透してきている。消費者の商品を見る目もかなり高くなっているだけに、これからは商品の品質を単に上げるだけではなく、ソフトウェアやサービスといった部分で、その商品がどのように楽しめるのかという、商品を所有する価値について、これまで以上に語っていかなければならない。
 
消費者も、かつてのように、商品が熟成するまで待つという姿勢から、ちょっとした使い勝手やプラスαの魅力があれば、とにかく買って、試してみる時代になっている。かつての耐久消費物から、その性質が変わってきた商品があることを認識するとともに、売り場でも、ユーザーベネフィット訴求型の展示や提案が一層求められるようになってくるだろう。
                              (Senka21編集部)

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