「ワンダーローズ突板」を新たに採用

クリプトン、密閉型ブックシェルフスピーカー「KX-3SX」。普及価格帯のバイワイヤリングケーブルも

2022/09/09 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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クリプトンは、秋の新製品発表会を開催。密閉型2ウェイブックシェルフスピーカーの「KX-3SX」、普及価格帯のバイワイヤリング用スピーカーケーブル「SC-HR2020」、8個口の電源タップ「PB-HR3000」、オーディオボード「AB-111」を発表した。

「KX-3SX」を含む4モデルを発表

価格、発売日は以下の通り。
KX-3SX 437,800円(ペア/税込) 10月上旬発売
SC-HR2020 10,780円(切り売り/1m/税込) 10月上旬発売
PB-HR3000 235,400円(税込) 10月下旬発売
AB-111 24,200円(税込) 10月上旬発売

ここでは、「KX-3SX」「SC-HR2020」について中心的にレポートする。

発表会に先駆けて、クリプトン会長の濱田正久氏は、昨今の部材不足の影響を受けながらも、「KS-55 Hyper」など同社のアクティブスピーカーKSシリーズは好調な売上を見せているとコメント。「コロナの時期を乗り越えて、さらにオーディオを盛り上げていきたい!」と意気込みを見せる。

クリプトン会長の濱田正久氏

密閉型ブックシェルフスピーカー「KX-3SX」は、クリプトンが“三種の神器”と呼ぶ「アルニコマグネット」「クルトミュラーコーン・ウーファー」「密閉型エンクロージャー」を採用するモデル。ユニットは35mmピュアシルク・リングダイヤフラム型トゥイーターと、170mmウーファーの2ウェイ構成。

「KX-3SX」

高級家具にも使われ音響的にも優れている「ワンダーローズ突板」を新たに採用、1本の木からくり抜いたようなイメージとなる、6面すべてに木目が施されたデザインが特徴となっている。開発担当の渡邉 勝氏も、「突板を変更したことでさらに高級感が増しています」とアピール。

内部配線材には上位モデル「KX-5PX」にも搭載されるPC-Triple Cと同等のものを採用。さらに独自のミスティックホワイトとウールのハイブリッド吸音材を内部に封入しチューニングを行っており、バイワイヤリング接続にも対応する。

「KX-3SX」の背面端子。バイワイヤリングに対応。ジャンパーケーブルに本格的なものを採用するのもクリプトンのこだわり

バイワイヤリング専用のスピーカーケーブル「SC-HR2020」も同時に発表された。既発売の「SC-HR2000」よりさらなる低価格を実現することで、バイワイヤリングの魅力をさらに普及させたいとして開発したものだという。

バイワイヤリングの重要性に力を込める渡辺氏

4芯構造となっており、すべて0.3mmΦのPC-Triple Cを7本を6束ロープ撚りして、ポリエチレンの絶縁被膜で構成。4芯を合わせて介在を紙テープで巻き、外装は耐熱性ポリオレフィン樹脂のシースとなっている。外径は10.8mmΦ。

「SC-HR2020」の内部構成

バイワイヤリングで接続する場合、赤線(+)+黒線(ー)をウーファー用に、緑線(+)+白線(ー)をトゥイーター用に接続して使用する。

緑・白はトゥイーター用、黒・赤はウーファー用

「SC-HR2020」の断面図

バイワイヤリングのメリットについて渡邉氏は、「シングル接続では、ウーファーからの逆起電力がトゥイーターに悪影響を与えてしまいます。バイワイヤにすることで、高域のヌケ感などに明らかな違いを感じられるでしょう。クリプトンは今後もバイワイヤの魅力をさらにお伝えしていきたいと考えています」と力強いコメント。

発表会では、「KX-3SX」のシングルワイヤーとバイワイヤーの聴き比べも実施。バイワイヤにすることでさらにサウンドステージの広がりとデプスが深まった印象。トゥイーターがより細やかな音が再生できるようになったことで、倍音成分など微細な情報量がより表出されるようになったのではないかと感じられた。

シングルワイヤとバイワイヤの聴き比べも実施

「KX-3SX」の外形寸法は224W×380H×319Dmm、質量は10.8kg。定格入力は50W、最大入力は150W。出力音圧レベルは87dB/W・m、インピーダンスは6Ω、クロスオーバー周波数は3,500Hz。再生帯域は40Hz-50kHzとなっている。

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