ソースコントローラー「M12」からデジタル回路を取り除く

Bricasti Design、デュアル・モノーラル設計を徹底した新ステレオプリアンプ「M20」

2022/06/10 編集部:伴 修二郎
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エミライは、同社が取り扱うBricasti Designより、ステレオプリアンプ「M20」を6月10日から発売する。価格は2,178,000円(税込)。

「M20」

「M20」は、旧マドリガルラボと、旧レキシコンのチームがタッグを組んで開発したリファレンス・ソースコントローラー「M12」を、ピュア・オーディオファンからの強い要望に応えて、デジタル回路を取り除いた純アナログプリアンプとして開発されたモデル。マドリガル時代のマークレビンソンの設計思想を発展させた左右完全独立設計の電源部・回路部をはじめ、細部にわたり音質追求を行ったと説明する。

本モデルの特長として、1筐体ながら左右で完全に独立した基板を採用し、信号処理回路、アナログLch出力回路、アナログRch出力回路それぞれに独立して電力供給する専用電源部を有するデュアル・モノーラル設計を徹底している。また各入力経路には、独立した入力バッファ回路が備えられ、バランスとアンバランスのソースを完全に分離することで、各入力タイプごとに異なるゲインを設定することができる。

独立して電力供給するデュアル・モノーラル設計が特長

出力バッファは、「M1」「M12」「M21」など他製品に基づいた同社独自設計となっており、3つの独立したバッファリング出力によって、2つのバランス出力で2台のパワーアンプを駆動するバイアンプ用途や、2つまたは3つのゾーンを駆動する用途に最適だという。

ボリューム回路には、1dBステップの操作幅を備える完全アナログ方式のボリューム機構を搭載する。ボリュームはリモートコントロールが可能で、かつ各入力に合わせてプログラムすることもできる。加えて、コントロールのみデジタル方式を採用して、16個の高速アナログスイッチをアナログ・デバイセズのプロセッサーによって制御。これにより、リレーの切り替え時の物理的なノイズや、オーディオ信号の電気的なノイズが発生しないよう配慮されているという。

また、最高レベルの精度でのボリューム調整を実現する、フルバランス・デュアル・モノラル仕様のR2R型ボリュームを採用。4つの独立したシグナル・パスを、240個の抵抗で構成されたボリューム機構によってコントロールする。

電源部は3つのリニア電源で駆動し、左右のアナログチャンネルに独立して1基ずつのリニア電源と、制御回路用に1基のリニア電源を用意する。それぞれのチャンネルは、二重安定化電源によって、安定した電源が供給されるとアピールする。

アナログ回路基板には、高周波領域の低損失基板用を採用している。基板には、Arlon25の伝統を継承するRogers社製の透磁率に優れたセラミック素材を採用し、プリント基板はカリフォルニア州San Joseにある「Bricasti Design」の自社工場にて製造されている。

操作ボタンのキャップやインシュレーターなど、全ての機構部品にはCNC切削によるアルミニウム合金削り出しを使用しており、ノイズと振動に配慮した高剛性シャーシを実現している。また、Stillpoints社製の振動アイソレーション・フットを使用しており、電磁誘導で発生する振動や外力による振動を絶縁する、優れた振動減衰機能を備える。

アナログ入力・出力端子には、それぞれXLR(バランス)2系統(2番ホット)、RCA(アンバランス)1系統を装備。入力インピーダンスは200kΩ、クロストークは>120dB。外形寸法は430W×110H×340Dmm、質量は9.25kg。付属品として、リモートコントローラー、AC電源ケーブルを同梱する。

「M20」背面イメージ

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