昇圧トランス/イコライザー/電源を左右で完全独立

フェーズメーション、全6筐体セパレート設計の“集大成”フォノアンプ「EA-2000」

2020/10/26 編集部:成藤 正宣
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協同電子エンジニアリングは、自社ブランドのフェーズメーションより、全6筐体セパレート設計のフォノアンプ「EA-2000」を12月上旬より発売する。価格は3,000,000円(税抜)。

「EA-2000」

左右チャンネル、およびMC昇圧トランス部/真空管式LCRイコライザー部/電源部のすべてを独立させ、それぞれ個別の筐体に収めた完全モノラル6筐体構成の管球式LCR無帰還型フォノアンプ。同社フォノアンプの集大成として、「高S/N、高分解能、圧倒的な臨場感と見通しの良いステージ再現で演奏者の実在感を最高度に表現」するとしている。

MC昇圧トランス部「EA-2000T」は、従来モデル「T-2000」に特別なチューニングを施すかたちで開発。トランスは線材やコア材、巻線構造を見直し高音質を追求。また、堅牢な鋼板や銅メッキを施したシャーシベース、誘導ハムシールドを配したケースカバー、磁気シールド材を追加した2重構造などを採用。左右の音質干渉を徹底的に排除したという。

昇圧トランス部「EA-2000T」

LCRイコライザー部「EA-2000EQ」は、過渡特性に優れ音質にも定評があるという真空管「ECC-803S」を採用した無帰還SRPP型増幅回路と、「6922」真空管を採用した超低インピーダンス出力カソードフォロワーをユニットアンプとして搭載。真空管ならではの、ダイナミックレンジの大きな艶やかで躍動感ある音質が楽しめるとする。

イコライザー部「EA-2000EQ」

また、LCR型のイコライザー回路を採用したことで信号系を低インピーダンス化し、電力損失や誘導ノイズによる音質劣化を抑制。さらに自社製巻コイルや高音質フィルムコンデンサ等の高品質部品により、昇圧トランスの情報をロスなく最終段の出力トランスより送り出すとしている。

さらにスイッチ操作により、ステレオ用のRIAA/DECCAレーベル等で採用されるモノラル専用のMono1、コロンビアレーベル等で使用されるMono2の3種類のイコライザーカーブを切り替えることができる。

電源部「EA-2000PW」は、従来モデル「EA-1000」の電源部をベースに開発。左右それぞれの整流回路には、必要以上に十分な容量を備えるRコア電源トランスや、原理的にスイッチングノイズの発生しない整流管「5U4G」とチョークコイル2個を並列使用。よりクリーンで強力な電源供給を実現する。また、アンプ部のヒーター電源には3端子レギュレーターによるDC点火を作用し、S/Nを向上させたという。

電源部「EA-2000PW」

筐体はアルミ削り出しの操作ツマミ、20mm厚アルミスラントフロントパネル、2mm厚銅メッキ鋼板シャーシベース、2mm厚アルミ材に磁気シールドを施したカバー等を採用。強靭な構造で剛性を確保するとともに、磁気歪の低減を図っている。その他、金属シャーシの不要共振を抑え込むためシャーシ底面にウォルナット単板を配し、フットには外部振動を遮断するTAOC製ハイカーボンインシュレーターを採用。RCA端子はWBT社製、XLR端子はフルテック製ロジウムメッキパーツを採用する。

入力感度は2mV(MM)/0.1mV(MC)。適合カートリッジ出力インピーダンスは47kΩ以下(MM)/1.5〜40Ω(MC)、利得は40dB(MM)/66dB(MC)、入力換算S/Nは-120dBV(MM)/-140dBV(MC)。

定格出力電圧は200mV(1kHz)。リアカーブ偏差は±0.5dB(20〜20kHz)。消費電力は片chにつき35W。

外形寸法は全筐体共通して211W×93H×360Dmm。質量はトランス部が4.5kg、イコライザー部が6.1kg、電源部が7.8kg。

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