新商品5モデルを投入

クリプトン、ハイレゾ対応密閉型2ウェイスピーカー「KX-1.5」。フィルター入り電源タップ、SPスタンドも

2020/09/11 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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クリプトン(株)は、毎年恒例の秋の新製品発表会を開催。2ウェイ密閉型スピーカーシステム「KX-1.5」と、電源ボックス「PB-HR1500」、電源ケーブル/切り売りケーブル「PC-HR1500-Triple C」「PC-HR1500-Triple C/m」、スピーカースタンド「SD-3.5」の5モデルを発表した。いずれも11月上旬発売予定。

価格は以下の通り。
スピーカーシステム「KX-1.5」 280,000円(ペア/税抜)
電源ボックス「PB-R1500」 129,000円(税抜)
電源ケーブル「PC-HR1500M-Triple C」 70,000円(税抜)
切り売りケーブル「PC-HR1500M-Triple C/m」 15,000円(1.0m/税抜)
スピーカースタンド「SD-3.5」 60,000円(税抜)

発表会の冒頭、クリプトン会長の濱田正久氏は、新型コロナウイルスの影響を受けてモノづくりの現場が非常に困難になってしまった、苦難の状況を説明した。部品や部材なども入ってくるかどうか分からず、特に今年の前半はモノを作れるような状況ではなかったという。

クリプトン会長の濱田正久氏

しかしそんな中だからこそ、「例年通りのことをやろう」と考え、スピーカーやアクセサリーも含めた5モデルの新製品を投入、発表会も例年通り行うことにしたという。

密閉型スピーカーシステムの「KX-1.5(ワンポイントファイブ)」は、ロングセラーモデル「KX-1」と、シリーズ最小の「KX-0.5」の技術を融合した設計となっている。新設計の170mm口径カーボンポリプロピレンコーン型ウーファーを採用、エンクロージャーは美しいスモークユーカリ仕上げとなっている。

手前が新製品のKX-1.5、奥が既発売のKX-0.5。エンクロージャーがひと回り大きくなり、ウーファーユニットも170mmにスケールアップしている

オーディオ事業部長の渡邉 勝氏によると、これまでクリプトンは、おおよそ1年に1機種のペースで新製品を市場に投入してきたので、今年もぜひ新製品をリリースしたいと考えていたという。KX-1.5は今年前半にはある程度完成していたので、後半に最終仕上げを行い、完成させたという。

クリプトンのスピーカーシステムの歴史。17年間で15モデルをリリースしている

サイズはKX-0.5よりひと回り大きく、380H×224W×319Dmm。トゥイーターは、KX-0.5と同じピュアシルク35mmリングダイアフラムで、高域50kHzまでの帯域を確保している。質量は9.0kg。

新開発のウーファーユニットを手にする渡邊氏

内部配線材も変更し、ウーファーには絹の介在を使用したPC-Triple Cを、トゥイーターにはマグネシウム芯線にPC-Triple Cを6本撚りしたケーブルを採用している。こちらは、KS-5PXで搭載し高い評価を得たことで、今回のモデルでも採用したという。

またKX-1からの進化のポイントとして、バイワイヤリングに対応。これも、昨年発売となったバイワイヤリングケーブル「SC-HR2000」の好評を受けて、対応できるモデルとして開発したという。

KX-0.5の背面(左)とKX-1.5の背面(右)。バイワイヤリングへの対応もKX-1.5の強化ポイントのひとつ

定格入力50W、最大入力150W、音圧レベルは88dB/W・mで、インピーダンスは6Ω。再生帯域は40Hz~50kHz、クロスオーバー周波数は3,500Hzとなっている。

KX-1と比較試聴してみると、KX-1.5ではバイワイヤリングの効果もあるのか、ひとつひとつの音の存在感や分離が非常に高まっていたことが印象的だった。特にノラ・ジョーンズのボーカルの艶やかさにおいて、KX-1.5の表現力の高さが感じられた。

KX-1とKX-1.5の比較試聴も行われた

電源ボックス「PB-HR1500」は、PB-HR1000の後継機となるが、上位モデルPB-HR2000で培われた技術を搭載し、PB-HR1000よりもコストダウンを実現した戦略モデルとして位置づけられる。PB-HR2000にも採用されたネオフェードカーボンマトリックス3層材を表面パネルに搭載。2回路フィルターで、電源ノイズの混入を防ぐ工夫がなされている。

電源ボックスPB-1500HR。左の2つが大電流機器用、右の4つが小電流機器用

2回路フィルターは、パワーアンプやPCといった「大電流機器・高ノイズ機器」と、CDプレーヤー、プリアンプ等の「小電流機器」の電源供給を分離し、機器間の相互影響を軽減することができるというもの。

コンセントは6口搭載されているが、インレットに近い方の2口が「大電流機器・高ノイズ機器」用、遠い方の4口が「小電流機器」となる。コンセントはホスピタルグレードで、ロジウムメッキ仕上げとなっている。

サイズはPB-HR2000より高さが低くなり、300W×70H×126Dmm。ステンレスのフレームも新たに追加されており、質量は3.2kg。

PB-HR1000とPB-HR1500の比較試聴では、一目瞭然のグレードアップが感じられた。細部の解像感が飛躍的に高まり、「幻想交響曲」の高域、特に鐘の音の響きや余韻に一層の伸びやかさが感じられた。

スピーカースタンドとして新たに登場する「SD-3.5」は、既発売の「SD-5」を購入しやすい価格にしようと開発されたもの。SD-5では、支柱の中央に鉄柱を入れることで強度を増していたが、SD-3.5では鉄柱をなくして軽量化したことに加え、素材をビーチ材に変更した。

スピーカースタンドSD-3.5。SD-5と見た目はほとんど変わらない

重量はSD-5より3kg近く軽量化した7.2kg。見た目はほとんど変わりがなく、サイズは620H×249W×325Dmmで、スピーカー設置部は200W×260D×21Hmm。SD-3.5とSD-5の聴き比べでは、SD-5のほうが若干締まった感触と感じられた。

SD-5の支柱の内部には鉄柱が組み込まれていたが、ここを省略することでコストダウンを実現した

電源ケーブル「PC-HR1500M-Triple C」ならびに切り売りケーブル「PC-HR1500M-Triple C/m」については、製品が間に合わなかったということで今回の発表会では登場しなかったが、11月上旬の発売を予定しているという。

電源ケーブルと切り売りケーブルを2種類ラインアップ

「PC-HR1500M-Triple C」は、クリプトンのPC-Triple Cを採用した電源ケーブル第3弾。太さを5.5SQに変更し、内部導体構造を撚り線からストレート線に変更。外皮の色もブルーに変更されている。絹の介在や制振材入りポリエチレン・ポリオレフィンシースなどは過去のモデルを踏襲している。

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