ポータブルや小型デスクトップ向け

ESSが世界初、MQAハードウェアレンダリング対応のオーディオ向けDAC「ES9068Q」

公開日 2019/01/04 11:20 編集部:風間雄介
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ESS Technologyは、 オーディオ向けDAC「SABRE DAC」シリーズの新製品として、低消費電力のオーディオ向けDAC「ES9068Q」を発表した。世界で初めてMQAハードウェアレンダリングに対応したことが最大の特徴となる。

ES9068Qは、主に小型のデスクトップオーディオ機器やポータブルオーディオ機器で使われることを想定。そのためのスペックを満たしていると説明している。MQAハードウェアレンダリングを可能にしたことで、MQA再生を簡便かつ効率的に行える。

SABRE DACアーキテクチャーをベースとしており、HyperStream II modulationにも対応。「ES9018K2M」「ES9028Q2M」「ES9038Q2M」の機能をアップグレードする用途にも使用できるとしている。ダイナミックレンジは128dBで、THD+Nは-120dB。

再生できるのはPCMが最高768kHz/32bit、DSDがDSD 1024まで。DoPやSPDIF、MQAの再生にも対応する。

MQA(Master Quality Authenticated) は英MQAが開発したオーディオ圧縮技術で、高音質を実現しながらファイルサイズを小さくできることが特徴。そのためにMQAが「オーディオ折り紙」と呼ぶ方法で、オーディオ信号を1回から2回折りたたむ(圧縮する)。展開する際のデコードにも「コアデコード」と「フルデコード」の2種類がある。

ESSは、「MQAのDAC レンダリングの品質はDACの出力フィルターに依存する」と指摘。「これには通常、それぞれの設計を手動で調整する必要がある」とも説明を加える。一方で「ES9068Qのハードウェアレンダリングは、特別な調整を必要とせずに、すべての調整を自動的に処理する。 ES9068Qは自動的にMQAストリームを検出してレンダリングを行うため、プロセス全体で追加の設計の必要がない」という。

またES9068Qはマイク入力も備えており、マイク入力を備えたUSBヘッドセットなどにも使えるとしている。なお、本チップのサンプルと評価用ボードがCES 2019に出展されるという。

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