上位機種のノウハウを投入

アキュフェーズ、フルモデルチェンジで性能を高めたAB級ステレオ・パワーアンプ「P-4500」

公開日 2018/11/28 14:37 編集部:成藤 正宣
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アキュフェーズは、AB級ステレオ・パワーアンプの新モデル「P-4500」を12月上旬より発売する。価格は550,000円(税抜)。

「P-4500」

2013年発売の「P-4200」後継としてフルモデルチェンジを行った、パワーアンプのエントリーモデル。東京インターナショナルオーディオショウ 2018にて、プリアンプ「C-2150」と同時に披露されたモデルで、発売日や価格が正式に発表された(関連記事)。

上位機種のノウハウによりP-4200から回路の完成度を高め、ダンピング・ファクター、SN比、電源効率などを改善しており、同社は「高信頼性とより純度の高い増幅を可能にして音質を向上させた自信作」としている。

ディスクリートのインスツルメンテーション・アンプ方式を採用しており、信号入力部と電力増幅部から構成されている。信号入力部を高いゲイン(22dB)、電力増幅部を低いゲイン(6dB)で動作することにより、伝送信号の振幅を大きくし、ノイズの影響を抑制。SN比は128dBとP-4200から1dB改善した。また、信号入力部に個別の電源回路を用意しており、電力増幅部からのノイズや歪の混入を防いでいる。

内部構造

電力増幅部には大電力オーディオ用パワートランジスターを採用し、4パラレル接続プッシュプル動作することで出力インピーダンスを低減。3段ダーリントン接続を行うことで、電流供給能力も高めているとする。これにより、負荷インピーダンスが半減するにつれ定格出力は2倍となる、リニアな特性を実現した。

電源部には新規設計の大型トロイダルトランス、50,000μFの大容量フィルターコンデンサを採用し、余裕のある駆動を実現したとする。また、スピーカーターミナルを基板直付け式とするなど配線を最短化、スピーカー端子付近で帰還をかけることによりインピーダンスを下げる「バランスド・リモート・センシング」の採用により、スピーカーのコントロール能力を示すダンピングファクターも向上。P-4200の500から700まで高めている。

背面部

スピーカー保護回路にはスピーカー端子の過電流など以上を感知した場合、ただちに出力を遮断してメーター照明の点滅により警告する新回路を搭載。接点が無く信頼性の高い、低オン抵抗のMOS-FET出力リレーも採用する。

その他、メーターの縁取りやスピーカー切り変えスイッチのロータリー化などデザインをアップデートした上、アナログメーターの指標を-50dBまで拡張。マルチアンプシステムで高域用パワーアンプとして使用する場合などでも、演奏の状況を確認できるようになった。

定格出力はステレオ使用時で90W(8Ω)/180W(4Ω)/360W(2Ω)/500W(1Ω)、ブリッジ接続時で360W(8Ω)/720W(4Ω)/1000W(2Ω)。全高調波歪率はステレオ使用時で0.02%(4〜16Ω)/0.05%(2Ω)、ブリッジ接続時で0.05%(4〜16Ω)。

消費電力は62W(無入力時)/367W(8Ω定格出力時)。外形寸法は465W×190H×427Dmm、質量29.2kg。

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