基板実装面積の縮小とコスト削減を実現

TI、スマートスピーカーやテレビのオーディオ品質を向上させるクラスDアンプ3モデル

2018/06/05 編集部:押野 由宇
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日本テキサス・インスツルメンツ(TI)は、スマート・ホームや音声対応のアプリケーション向けに高分解能のオーディオを提供する、新しいデジタル入力クラスDオーディオ・アンプ「TAS2770」「TAS5825M」「TAS3251」の3製品を発表した。TAS2770はすでに量産出荷中で、TAS5825Mは量産サンプルを供給中、TAS3251の量産出荷は2018年第2四半期を予定する。

「TAS2770」

これらの新製品は、スマート・スピーカー、サウンドバー、テレビ、ノートブックPC、プロジェクタやIoTなど、あらゆる出力レベルのパーソナル・エレクトロニクス・アプリケーション向けに設計。これまでに例のない集積度、リアルタイムの保護機能や新しい変調方式によって、基板実装面積の縮小と総合的なBOM(原材料)コストの削減が可能と説明される。

TAS2770は、音声入力機能を簡素化しながらラウドネスとオーディオ品質を向上するという15W オーディオ・アンプ。業界初の広電源電圧動作のI/Vセンス付きアンプで、TIのスマート・アンプ・アルゴリズムとペアで使用した場合、最先端のリアルタイムのスピーカー保護を提供。小型のスピーカーを高いピーク電力で効率的に駆動させられるという。

またデジタル・マイクロフォン入力と強力なI/Vセンス・アンプをペアにした業界初のAFE(オーディオ・フロントエンド)製品であり、音声対応のアプリケーションで、音声と周囲の音響情報を入力してエコー・キャンセル機能やノイズ除去機能を実現している。バッテリ電圧をモニターし、オーディオのクリッピングや途切れを防止。放電間近のバッテリ状態でも、サウンド品質を低下させずに再生時間を延長可能とした。

TAS5825Mはスマート・スピーカーに192kHzのオーディオ処理を提供するというオーディオ・アンプ。最小限の開発作業で、より高分解能のオーディオを実現するとともに、低音の強調とスピーカーの過熱保護機能も提供するとしている。

「TAS5825M」

専用のシリアル・オーディオ・インターフェイス経由で、周囲の音響情報をアプリケーション・プロセッサに出力する機能を提供。エコー・キャンセル機能を簡素化できる。加えて専有のハイブリッド・モード変調方式によって、サウンド品質を低下させずに無信号時の消費電力や熱放散を削減することを可能とした。

TAS3251は175W×2という最大級の出力電力と高性能を単一パッケージでサポートする業界初のデジタル入力ソリューションを提供するオーディオアンプ。最大96kHzのサンプリングレートによる柔軟な処理と、サイクルごとの電流制限やDCスピーカー保護をはじめとした複数の自己保護機能を備える。

「TAS3251」

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