11.2MHzDSDの多重録音にも挑戦

オリオスペック主宰の「Craydoll」公開ライヴ&レコーディングに行ってきた!

公開日 2016/09/09 17:31 季刊Net Audio編集部
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9月3日(土)に、六本木のライヴハウス兼レストラン「ROPPONGI C★LAPS」で開催されたオリオスペック主宰の公開ライヴ&レコーディングに参加してきたので、その模様をレポートしたい。

今回は、オリオスペックのイベントに何度も登壇されているヴァイオリニスト・MariNaさん(皆川真里奈さん)を中心とした4人組グループ「Craydoll」が登場。ライヴに加えて、Pyramixの11.2MHzの生レコーディングに挑戦するとあって、Craydollファンからオーディオファンまで幅広い層が集まり、会場はほぼ満員の大盛況。


CRAYDOLLのメンバー。左からMOMO(ヴァイオリン)、MariNa(ヴァイオリン)、Shao-lin(ヴァイオリン)、Happako(ヴィオラ)
Craydollはゲーム音楽やボカロ、アニソンなどの楽曲を中心に、ヴァイオリン&ヴィオラでアレンジし演奏するという超・個性的な4人組。

ライヴの前半パートでは、椅子に半円形に座った彼女たちが、さまざまな音楽的実験を録音し、続けてそれを試聴するというスタイル。ピチカートで構成された「街」を11.2MHzで録音したものをあとから聴くと、あたかも彼女たちが再び現れたかのような生々しさに衝撃。また「氷の神殿」という楽曲では、11.2MHz録音した音源をスピーカーで鳴らしながら音を重ねていくという多重録音的な実験を行った。演奏ごとの、音程や音質、タイミングなどのわずかなゆらぎが重なることで、4人での演奏にも関わらず、もっと大人数で弾いているかのような音楽製作が可能だという。実際に3回重ね撮りをした音源は、これまでに聴いたどんな録音とも違う、不思議に多層的に広がる音楽世界が誕生した。


Pyramixの操作画面。11.2MHzDSDは編集ができないため、録った音をそのまま重ねていく手法を採った

当日の録音機材。8chマイクプリアンプのMilleniaのHV-3D-8、ADDAコンバーターとしてマージングのHAPIを使用。サブとしてTASCAMのDV-RA1000HDを回していた
MariNaさん自身も、「前回のイベントでは、録音された音と、自分が弾いている音の区別がつかなくて大混乱してしまった」と語るほどの生々しさ。生音と録音の境界を自在に渡り歩くような、これまでにない「音の世界の面白さ」に気づかされた。

ライヴの後半パートは、まさにCraydollの本領発揮! ともいうべき楽曲が続く。特に「四季」をテーマにした20分近くの曲は圧巻で、「さくらさくら」「ヴィヴァルディ『夏』」「赤とんぼ×My Favorite Things」「荒城の月」「ヴィヴァルディ『冬』」という時代もジャンルも異なる楽曲を独自にアレンジして繋いでいく手法はカッコいい! のひとこと。アンコールでは初音ミクの名曲「千本桜」では、観客もサイリウムを振って踊りまくるなど大盛り上がり。

ライヴ後は懇親会として、録音した11.2MHzの音源を、iFI Audioのnano iDSDを使ってヘッドフォンで試聴できたり、ディナウディオのスピーカーEXCITE X44で「千本桜」の録音を皆で試聴するなど、時間を忘れてカッコいい音楽に浸る時間となった。

ライヴ後はお酒をいただきながらのリラックスした懇親会。録音したてのDSD音源を試聴できるブースには次々にファンが詰めかけていた

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