新開発高域ユニット「MPD」搭載

<CES>MONITOR AUDIO、新フラグシップシリーズ「PLUTINUM II」発表。大型機「PL500 II」からの7モデル

公開日 2016/01/09 09:00 季刊Net Audio編集部 浅田陽介
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現地時間の2016年1月6日よりアメリカ・ラスベガスで開催されている2016 International CES。ハイファイオーディオブランドにとっても重要な位置づけを担う同ショウでは、新製品の発表も相次ぎ大きな盛り上がりを見せている。世界のどこのショウでも、共通して来場者のスピーカーへの関心は非常に高いものとなっている。

モニターオーディオのブースの入口。今回はPLUTINUM IIの発表を大きく打ち出している

会場にて話題を集めるスピーカーブランドはいくつかあるが、そのなかでもモニターオーディオは特に注目を集めるブランドのひとつだ。その理由は同社のフラッグシップモデル、「PLUTINUM」が“シリーズII”となって発表されたからである。

「PLUTINUM II」にラインアップされるのは、センタースピーカーとサブウーファーを含む全7モデル。前モデルと同程度のサイズとなるブックシェルフ型の「PL100 II」、フロア型の「PL200 II」「PL300 II」、センタースピーカーの「PL150 II」「PL350 II」、サブウーファーの「PLW250 II」に加え、今回はさらなるトップエンドに位置する大型モデル「PL500 II」がラインアップに加わった。

今回新たなフラグシップとして加わったPL500 II。パワーアンプと比較するその大きさがよくお分かりいただけるだろう

フロアスタンディング型のPL300 II

「PLUTINUM II」となって最も注目したいのが、新開発された高域ユニットとなるMPD(Micro Pleated Diaphragm)だ。このユニットは、長い月日をかけてテストとヒアリングを繰り返した末に完成したという、PLUTINUM IIにとってランドマークとなるもので、これまでにない動作効率を実現したというトランスデューサーだ。

PLATINUM IIで最も大きな進化ポイントとなるのが、トゥイーターに採用されるMPD。写真はPL500 IIのもの

極めて薄い振動膜を採用したことで、一般的なドームトゥイーターと比較して8倍もの表面積を確保。ひだ型に織り込まれた構造となる振動膜を極めてスムーズに運動させることに成功し、100kHzにおよぶ高域まで極めて自然かつ速いレスポンスを実現している。

ブックシェルフ型のPL100 II(写真左)とアクティブサブウーファーPLW215 II(写真右)

PL300 IIより一回り小型になるPL200 IIは別室に展示されていた

また、搭載されるドライバーユニットにも、もちろん改良が施されている。

前モデルPLUTINUMにも採用されたRDT(Rigid Diaphragm Technology)は、第二世代となるRDT IIへと進化。これはモニターオーディオの歴史上で最も低歪と語る振動板だ。

スピーカーターミナルはロジウムメッキを施した大型のものを搭載

スピーカーユニットのマウント方法は、リアパネルからのテンションロッド方式を踏襲している

フロントスキンはC-CAMによる極めて薄い膜を、リアスキンには新たにウォーヴンカーボンファイバーによってサンドイッチしたハニカム構造を採用。これにより、歪みを300Hz時で8dB以上改善することに成功した。

エンクロージャーのフィニッシュは従来から変更されていない。写真のナチュラルエボニーのほか、サントスローズウッド、ピアノブラックの3種類が用意される

また、新しく同社が取得した特許技術となるDCF(Dynamic Coupling Filter)メカニズムの採用の見逃せないポイントだ。これは、振動版とボイスコイルの間に組み込まれたバネのように動作する柔らかいナイロンリングで構成されており、ドライバーが動くことで発生する高周波のエネルギーを効果的に減衰させる役割を担う。また、ピストン運動にてボイスコイルが帯びる熱の冷却を促進するべく、コーンの後ろから空気圧を開放するための穴を開けた構造となっている。

日本でも大きな人気を博したモニターオーディオのPLATINUMシリーズだが、今回のシリーズIIへの進化は、「これまでのモニターオーディオの中で最も高い音楽表現力を実現した」とその自信をのぞかせる。そのサウンドは、早くも会場内の話題をさらっている。

なお、各ラインアップの詳細は下記の通り。

PL500 II 28,995ドル(ペア)
PLUTINUM IIとなって新たに登場したフラグシップモデル。3ウェイ8スピーカーとなる大型モデルで、真ん中にMPDトゥイーターをマウントし、その上下を対称に8インチのRDT IIウーファーを4基、4インチのRDT IIミッドレンジを2基マウントする。サイズは504W×1803H×626Dmmで、質量は99.1kg。

PL300 II 14,495ドル(ペア)
3ウェイ4ドライバーのフロア型モデル。MPDトゥイーターと8インチのRDT IIウーファーを2基、4インチのRDT IIミッドレンジを1基搭載。サイズは470W×1113H×410Dmmで、質量は54.52kg。

PL200 II 11,495ドル(ペア)
3ウェイ4ドライバーのフロア型モデル。PL300をひと回り小さくしたモデルで、MPDトゥイーターと2基の6.5インチRDT IIウーファーと1基の4インチRDT IIミッドレンジを搭載する。サイズは360W×998H×375Dmmで、質量は36.08kg。

PL100 II 5,795ドル(ペア)
シリーズ唯一のブックシェルフ型。MPDトゥイーターと1基の6.5インチRDT IIベース/ミッドレンジドライバーを搭載する。サイズは225W×370H×285Dmmで、質量は14.9kg。

PLC350 II 5,795ドル(1台)
PLUTINUM IIで2基用意されるセンタースピーカーの上位モデルで、PL500 IIとPL300 IIのベストマッチするように開発されたモデル。3ウェイ構成で、MPDトゥイーターと2基の8インチRDT IIウーファーと2基のRDT IIミッドレンジを搭載。サイズは800W×288H×368Dmmで、質量は43.02kg。

PLC150 II 3,995ドル(1台)
2.5ウェイ3スピーカー構造となるセンタースピーカー。MPDトゥイーターと6.5インチのRDT IIウーファーを1基、6.5インチのRDT IIミッドレンジを1基搭載する。サイズは583W×225H×291.2Dmmで、質量は23.98kg。

PLW215 II 6,995ドル(1台)
2基の15インチC-CAMドライバーを採用したアクティブサブウーファー。内蔵のアンプは連続動作で1400ワットを確保。172MHzのDSPコアを搭載し、ルームイコライゼーション機能を備えている。サイズは504W×546.3H×512Dmmで、質量は57.54kg。

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