最新モデル「TT-5」披露

<CES>Clearaudio、低価格化と対応機幅拡充を実現したリニアトラッキングアーム

2016/01/08 季刊Net Audio編集部 浅田陽介
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アメリカ・ラスベガスで開幕した2016 International CES。レコードブームと言われるだけあってアナログ関連製品の展示もよく目にする。なかでも、世界最大級の規模を誇るドイツのアナログ専業メーカー、クリアオーディオのブースでは、ひときわ先鋭的なアナログ関連製品が並んでいる。特に注目すべきは、同社リニアトラッキングアームの最新モデルとなる「TT-5」だ。

クリアオーディオの代名詞のひとつともなっているリニアトラッキングアーム。その最新モデルとなる「TT-5」

リニアトラッキングアームは、レコードの溝に対して常に水平垂直に針を落とすことで、極めて理想的なトレースすることができるとしてトーンアームの理想形とも言われてきた。しかし、必然的にサイズが大きくなる傾向がある関係からセッティングできる機種に限りがあったり、かなり高価なものになってしまう傾向が強く、なかなか一般的なオーディオファンにとって身近な存在とはなれずにいた。

クリアオーディオのCEOであるRobert Suchy氏自らがTT-5を説明。その完成度にかなりの自信を覗かせる

TT-5は、クリアオーディオが誇るリニアトラッキングアームを小型化したうえで、さまざまなプレーヤーに取り付けることができるバーサタイルなスタイルの確立に成功したモデルだ。価格も3,750米ドルと、これまでのリニアトラッキングアームのなかでも最も低価格を実現している。

アームパイプ等は今回のために新規に設計をされた極めて合成の高いもの。上級機の性能を極めてシンプルな形で継承することに成功している

何よりも特徴的なのは、リニアトラッキングでありながら通常のアームと同じようにアームベースを中心として旋回してセッティングできること。こうすることで、これまでは上に開く形でマウントすることとなっていたリニアトラッキングアームを、極めて一般的なアームのような使い勝手で使用できるようになっている。

また、筐体は完全に新規の設計設計となり、アームチューブにはカーボンを採用。また上部には上級機同様に水準器が取り付けられている点もポイントだ。徹底してシンプルな作りに徹したことにより、リニアトラッキングアーム導入のハードルを大きく引き下げるモデルとして注目を集めている。

なお、TT-5はすでに本国やアメリカでは出荷を開始。日本でも近いうちに発表される予定だという。

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