DSDライブストリーミングがDACメーカーを開放

<ヘッドホン祭>GOLDMUNDのヘッドホンアンプ「THA2」発表会/KORG、新USB-DAC披露

2015/10/28 編集部:小澤貴信
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10月24日・25日の2日間にわたって開催された「秋のヘッドホン祭 2015」。本記事では、15階・ルーム:エトワールに出展された各ブランドを中心に、レポートをお伝えしたい。

TRIODE(CocktailAudio/GOLDMUND)

トライオードは、GOLDMUNDのUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ “Telos Headphone Amplifier”「THA2」の発表会を行った。価格は1,980,000円(税抜)。発表会にはゲストとして岩井喬氏が登場。本機の詳細について説明を行った。

「THA2」

背面端子部

「THA2」を岩井氏は、同社のパワーアンプ “Telosシリーズ”と、プリアンプ “Mimesisシリーズ”の両方の技術をハイブリッドさせたパワーアンプと紹介。ヘッドホンをスピーカーに見立てて、それを最適に駆動するための設計が採られていると述べた。従来機から全回路の見直しも行われ、電源容量も大幅に強化された。なお、本機のサウンドチューニングにはベイヤーダイナミック「T1」が主に用いられ、高インピーダンスのヘッドホンを鳴らし切れる性能を目指したとのこと。

岩井喬氏

「THA2」の特徴

岩井氏も「THA2は、鳴らし切るのが難しいT1の性能を引き出すことに成功している」とそのサウンドについても触れた。「T1は音の抜けや広がりは表現しやすいが、高域にエネルギーが集まりがちになる。しかしTHA2で聴くと、低域の不足を感じることもなくキレや押し出しも伴っている。本来T1はこういう鳴り方をするものなのかと感じさせられた」とそのサウンドについて印象を述べていた。

また先進的な音場補正機能「ジークフリートリンキッシュ」についても言及。これはGOLDMUND独自のスピーカー補正機能“Proteus - Leonardo”を応用したもので、頭内定位を解消できるとのこと。本機においては「STD」モードと「BIN」モード(Binauralの訳だがあくまで比喩的な意味)が用意されているが、岩井氏はその効果について「STDモードでもヘッドホンらしい自然な音場感が得られるが、BINモードにするとスピーカーで聴いているような音場感が得られ、特に低域の密度感が中億に固まってパワフルになる」と説明していた。

ブースに出展された「THA2」

同会場ではCocktail Audioのリッピング機能搭載マルチメディアプレーヤー「CA-X40」(関連ニュース)の発表会も実施。岩井氏は「11.2MHz DSDを本機で再生したが、空間性もしっかり引き出す素直な音調で、より上位の製品と組み合わせることも視野に入る」とコメントしていた。

Cocktail Audio「CA-X40」


KORG

KORGのブースは、ヘッドホン祭前日に発表されたばかりのUSB-DAC「DS-DAC-10R」をフィーチャー。同時発表のオーディオ再生/録音PCソフト「AudioGate 4」と組み合わせて使用することで、アナログレコードなどの外部入力をDSD録音することができる。会場では、実際にアナログレコードプレーヤーと組みあわせたデモンストレーションも実施された。

「DS-DAC-10R」

アナログレコードをデジタル化するデモも実施


DSDライブストリーミング

IIJによるDSDライブストリーミングのブースでは、Windows/Mac用の試聴ソフトウェア「PrimeSeat」のアップデートについて紹介された。これまでDSDライブストリーミングを試聴するためには、SONYまたはKORGの特定のUSB-DACが必要だったが、今回のアップデートでDACメーカーの限定を開放。また、DACを接続しないでパソコンのみで試聴することも可能となった。会場では、KORG「DS-DAC-10R」などと組み合わせたデモも行われていた。

「DS-DAC-10R」などを組み合わせてデモ

DSDライブストリーミングのデモ


オーロラサウンド

オーロラサウンドはUSBバスパワー機器用の外部安定化電源「BusPower-Pro2」「BusPower-Pro」向けの専用USBケーブル「USB-NPL」を出展。同製品はPCの発するノイズ成分を遮断するために、USB2.0の規格から電源ラインの結線をなくしたUSBケーブルとなる。

「BusPower-Pro2」と「USB-NPL」


ナスペック/フェーズメーション/TRIODE/Nmode/メース/JABEN

フェーズメーションはバランス伝送のフォノアンプ「EA-300」やバランス駆動対応ヘッドホンアンプ「EPA-007x」を用いて、アナログレコードをバランス伝送で試聴するデモを実施。ナスペックはPro-Ject Audioのアナログプレーヤー「Debut Carbon」のサウンドをヘッドホンで聴くことができた。

フェーズメーション・ブースの模様

Pro-Ject Audio「Debut Carbon」

TRIODEは年末発売予定の真空管アンプ「TRV-35SER」のヘッドホン出力をデモ。Nmodeは“1bit ヘッドホンアンプ”「X-HA1」など同社製品を一斉展示。メースはMytek Digitalの「Manhattan DAC」ブラックモデルや、ENIGMAの静電型/ダイナミック型ハイブリッドヘッドホン「Dharma D1000」を展示。

TRIODE「TRV-35SER」

Nmodeブースの模様


Mytek Digital「Manhattan DAC」ブラックモデル

ENIGMAの静電型/ダイナミック型ハイブリッドヘッドホンやSIMAUDIOのヘッドホンアンプも出展

6階にブースを出展したJABENは、VERI SONIXの静電型/ダイナミック型ハイブリッドヘッドホンや、耳孔に合わせて装着部が回転するイヤーピースなどを出展していた。

VERI SONIXの静電型/ダイナミック型ハイブリッドヘッドホン

耳孔に合わせて装着部が回転するイヤーピース

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