スタイリッシュな外観も話題

山之内 正の独HIGH ENDレポート(3)DEVIALET、多機能な一体型オーディオを一挙4モデル発表

公開日 2013/05/16 11:57 山之内 正
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フランスのDEVIALET(デビアレ)はショウ初日の5月9日、同社ブースで新シリーズの発表会を開催した。同社のD-Premier Airのコンセプトを継承した新シリーズとして一気に4機種の新製品を公開し、そのスタイリッシュな外見が話題をさらった。

さらに注目すべきはアンプの構成によっては従来の半額以下という戦略的な低価格を実現したことと、発表後直ちに販売を開始するという迅速な出荷体制を整えていることだ。実際に欧州では週明けから店頭に並び、注目を集めている。日本でも来月には正式発表され、近日中に販売される見込みとのことなので、大いに楽しみだ。

新シリーズのコンセプトはD-Premierの最新バージョンを継承しており、多様な音源を再生するネットワークプレーヤー機能と、デジタル/アナログのハイブリッド・アンプ「ADH」を組み合わせた一体型システムである。アンプの出力が異なる4機種「110」「170」「240」「500」でラインナップを構成し、それぞれの機種の型名はチャンネル当たりの出力を表している。「110」はチャンネル当たり110Wのステレオアンプを内蔵するベーシックモデルで、「170」よりも上位の製品はMM/MCに対応するフォノ入力も備えている。

チャンネル当たり170Wのステレオアンプを内蔵するDEVIALET 170。欧州の市場想定価格は6990ユーロ

ADHはアナログアンプのリニアリティとデジタルアンプの高効率を組み合わせたデビアレ独自のアンプ技術で、ウルトラブック顔負けのスリムな筐体内部に高密度に実装されている。そのほか、DSPとFPGAを駆使して高精度なデジタル処理を実現するなど、技術力の高さは欧州の新興ブランドのなかでも際立っている。


新製品を紹介するデビアレ代表のピエール・エマヌエル・カルメル氏
デジタル入力はUSBとイーサネットが基本で、期間限定で無料となるオプションを導入すると、すべてのデジタル入力をWi-Fiで伝送することもできるという。別筐体のダイヤルを使用して各種操作を行うほか、iOSとAndroidのアプリを利用した操作に対応するなど、最新のネットワークプレーヤーに要求される仕様をすべて満たしている。

ブースで聴いた再生音からも際立った高S/Nと付帯音の少ない澄んだ音場を聴き取ることができ、デジタル処理の精度が従来以上に向上していることを確認した。一連の製品群はコンセプト、デザイン、戦略的な価格設定などがネットオーディオの世界に大きな影響を与える予感がする。

(山之内 正)

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