注目の公開ハイレゾ・ライヴレコーディング第三弾

amp'boxレーベル、実力派ヴォーカリストNobie率いるNobie Especial Bandのライヴレコーディングを開始

2013/02/28 季刊ネットオーディオ編集部
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音楽メディアの形態がCDから配信へと大きくシフトしている昨今。
さらには、レコーディング機材も高音質化と同時にコンパクト化が進み、大掛かりなセットではなくてもレコーディングエンジニアひとりで高品位な録音ができる時代となっている。
こうした実情に大きな可能性を見出し、積極的に行動に移したレコーディングエンジニアがいる。
フリーのレコーディングエンジニアとして、また自身もドラマーとしてラヴ・サイケデリコなどで活躍する山田ノブマサ氏である。

「スタジオセッションでは生まれることのない、一期一会のパフォーマンスを良い音で多くの人に聴いて欲しい」という思いから公開ライヴレコーディングを開始したamp'boxレーベルの山田ノブマサ氏

「スタジオセッションでは生まれることのない、一期一会のパフォーマンスを良い音で多くの人に聴いて欲しい」という思いからスタートしたこの公開ライヴレコーディング。第一弾作品となった『ELEMENT3 / Live @ Tokyo』は、e-onkyoのジャズチャートにて長らくトップ10にランクインし続けるという快挙を成し遂げるなど、多くの音楽ファンから高い支持を獲得した。

「私自身、ドラマーとしてジャズ・ライヴハウスなどで行われるセッションに参加していたのですが、日本には本当にレベルの高いミュージシャンが大勢いるということを痛感したんです。しかもライヴでは、その時にしか体感できない極めてレベルの高いパフォーマンスが味わえる。この一度きりの貴重な瞬間を何とか記録できないか、っと思ってこの公開ライヴレコーディングを開始したんです」と語る山田氏。
この言葉を裏付けるかのように、amp'boxレーベルの作品には世界で通用する極めてハイレベルな日本のミュージシャンが参加していることが大きな特徴だ。
さる2月22日(金)、この公開ライヴレコーディングの第三弾の収録が開始された。

第三弾のアーティストは実力派シンガー、Nobie率いる「Nobie Especial Band」

今回のアーティストは、昨年にソロアルバム「Primary」をリリースしたシンガー、Nobie率いる「Nobie Especial Band」。
19歳にしてElis ReginaやDjavanなど数々の名盤に参加するブラジル最高峰のベーシスト、Luizao Maiaのグループにヴォーカルとして参加して以降、加藤真一のリーダーバンド"B-Hot Creations"や、 Josei(soil & "pimp" sessions/ELEMENT3)らとのユニット"ALMA plus"で活躍。さらには世界的ギタリスト/作曲家であるToninho Hortaのソロアルバムにゲストとして参加したほか、来日ツアーにも参加した経歴を持つ、まさに日本のみならず世界を舞台に活躍する実力派シンガーだ。
Nobie Especial Bandでバックを勤める吉田サトシ(g)、馬場孝喜(g)、コモブキキイチロウ(b)、小森耕造(dr)も「世界に通用する日本のトップクラスのミュージシャン」と呼ぶにふさわしいミュージシャンが名を連ねている。

会場となる青山にあるライヴレストラン、プラッサオンゼ。来日したボサノバやサンバのミュージシャンの多くが立ち寄るなど、名店として知られる

会場となった東京・青山のプラッサオンゼは、来日したボサノバやサンバのアーティストの多くが立ち寄るライヴレストランとして知られる名店。キャパシティは40〜50人程度だが、非常に響きが良い音作りがなされているようでアーティストが醸しだすグルーヴを直に感じ取ることができるのが大きな特徴でもある。


ライヴの様子。1st、2ndステージともに満席となり、観客はNobie Especial Bandが奏でるグルーヴに惹きこまれた
2月22日のライヴは1st、2ndともに満席。程よい広さのプラッサオンゼに、Nobie Especial Bandが奏でるサウンドが響き渡り、観客は”音楽”の世界へと引きこまれていく。個々のミュージシャンの高い演奏技術や音楽そのもの完成度の高さはもちろんだが、これに加え徐々に会場がひとつになっていくさまが味わえるのがライヴならではの大きな魅力。
この空気感も含めた一期一会のパフォーマンスが山田氏の手により、音源として記録されていくのである。

今回使用した機材。PreSonusのFireStudioを核に、NEVE1073、GML8200、API550A、SOMTEC MEP250Cなど高級アナログ機材を使用。これらで音作りがなされたのち、MacBook ProにインストールされたProToolsへレコーディングされていく

マイキングにも山田氏のノウハウが随所に生かされている。マイクの本数が通常のライヴに比べて多いのもライヴレコーディングの特徴だ

今回は合計で19本のマイクを使用。そこからPreSonusのFireWireオーディオインターフェース「FireStudio」を経由し、MacBook ProにインストールされたPro Toolsへ48kHz/24bitで収録される。リリースの際はこれを96kHz/24bitへとProToolsにてアップサンプリングした後に、NEVE1073、GML8200、API550A、SOMTEC MEP250C といった超高級アナログ機材を通して音作りがされる予定で、これは96kHz/24bitで収録をするよりも最終的にアップサンプリングした方が音質的に良い結果が得られたという山田氏の経験から選択したとのことだ。

Nobie Especial Bandの演奏で聴いていると、まるでブラジル人が演奏しているかのような錯覚に陥ってしまう。これは日本人離れした歌唱力やリズム感があってこそのものだと考えられるが、だからといってブラジル音楽の忠実な再現というわけではなく、そこに参加ミュージシャンそれぞれの感性が絶妙にブレンドされ、全く新しいNobie Especial Bandならではの世界が展開されているのである。

収録された音源は、ライヴならではの空気感まで真空パックされたようなライヴレコーディングだからこその魅力あるものに仕上がっている。音源として仕上がるのがいまから楽しみだ

Nobie Especial Bandの公開ライヴレコーディングの第二回は、ドラマーの小森耕造に変わりパーカッショニストの岡部洋一を加えて3/29(金)に行われる。

ライヴでしか味わえない貴重なパフォーマンスを高音質で収録するamp'boxレーベルの公開ライヴレコーディング。今後の音楽流通においても大きな可能性を秘めたプロジェクトといえるだろう。
その魅力を一度、生と音源の両方で体感してみて欲しい。

【Nobie Especial Band Live at Praca Onze】

●日程 2013年3月29日(金)
●オープン 19:00
●スタート 1st 20:00/2nd 21:30
●チャージ ¥3,000
●会場 プラッサオンゼ(東京都港区北青山3-5-2第2青朋ビルB1)TEL 03-3405-8015

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