「早稲田大学交響楽団」のベルリン公演

3月11日、「デジタルコンサートホール」に日本のアマチュアオーケストラが登場 − 視聴無料・全世界生中継

2012/02/14 ファイル・ウェブ編集部
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ベルリンフィルの演奏会を、インターネット経由でリアルタイム/アーカイブで楽しめるサービス「デジタルコンサートホール」。自宅にいながらにして世界最高峰のオーケストラの公演を最高720pのハイビジョン映像で楽しめることから、2008年のスタート以来、クラシックファン、そしてA&Vファンの熱い注目を集めている。


そんな「デジタルコンサートホール」で、日本のアマチュアオーケストラである「早稲田大学交響楽団」の公演が全世界に無料生中継されることとなった。時は3月11日、東日本大震災からちょうど一年という日にあたる。

クラシックファンの聖地のひとつ、ベルリンのフィルハーモニーホール

数々の名演を生んだフィルハーモニー大ホールから、3月11日に全世界中継される

同楽団は1979年以来定期的に海外演奏旅行を行っており、2009年のヨーロッパツアーにてベルリンフィル以外のオーケストラとして初めて「デジタルコンサートホール」に客演。音楽以外の専攻を持つ学生のアマチュアオーケストラながら、大変好評を博したという。3月11日に中継される公演も、延べ27日間・12公演に亘り敢行される「ヨーロッパツアー2012」のハイライト。ベルリンフィルのメンバーに乞われるかたちで中継が決まったとのことだ。

「3月11日という公演日程は、東日本大震災が起こるよりもずっと前に決まっていたものでした」と語るのは、同楽団の指導を務め、このたびのツアーの随行指揮者のひとりでもある田中雅彦さん。「しかし、この日程になったのも大変特別な機会だと思っています。オーケストラ一体となって、日本へ向けても心をこめて演奏したいと話しています」

田中雅彦さん

同楽団の代表を務める高野和也さん(教育学部4年)は、福島県のいわき市出身。「東日本大震災が起こった日は、ちょうどオーケストラの練習をしていました。ニュースで実家のある福島も大変な被害を受けたことを知り、とても心を痛めました。しかしその際、ベルリンフィルから暖かい応援のメッセージをいただき、非常に励まされました」と昨年を振り返る。

高野和也さん

「昨年いただいた気持ちを、今回音楽というかたちでお返しできればと考えています。また、インターネット環境があれば日本でもリアルタイムで見ていただけるということで、震災の被害を受けた地域の方々にもぜひ聴いていただき、元気を出していただければ嬉しいです」


早稲田大学交響楽団の「デジタルコンサートホール」での生中継は、日本時間3月11日19時(現地時間同日午前11時)からスタートとなる。

【3月11日のプログラム】

R.シュトラウス:アルプス交響曲
R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
由谷一幾:和太鼓と管弦楽のための協奏曲

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