LINNとスフォルツァートをお薦めのハイレゾ音源で聴き比べ

<ハイエンドショウ>「今年はネットワークオーディオが加速する年」− 山之内氏がそのメリットを語る

公開日 2011/05/15 15:29 ファイル・ウェブ編集部
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東京有楽町の交通会館で開催されている「ハイエンドショウトウキョウ スプリング2011」。Bルームの音元出版ブースでは、最終日15日の10:30から山之内正氏を講師に迎えたセミナー「ネットワークプレーヤーで聴くハイレゾ音源」が開催された。昨年に続き、会場は立ち見が出るほどの大盛況となった。


山之内正氏を講師に迎えたセミナー「ネットワークプレーヤーで聴くハイレゾ音源」
今回は、LINNの最上位モデル「KLIMAX DS」と、昨年12月に発売されたSFORZATOの注目モデル「DST-01」の2機種をフィーチャー。山之内氏によるネットワークオーディオの解説を交えながら、両者の聴き比べが行われた。試聴曲は、ストラヴィンスキー『火の鳥』(WAV音源/176.4kHz/24bit)やハイドンのピアノコンチェルト(FLAC音源/96kHz/24bit)など、同氏が各高音質音源配信サイトからダウンロードして普段から愛聴しているハイレゾ音源データを中心に用意。


今回の使用機材。LINNの「KLIMAX DS」とSFORZATOの「DST-01」をフィーチャーした
「既におなじみの音源を、もう一度マスターに近い音で聴いてみるというのはジャンルを問わず非常に大きな楽しみだ」と語る山之内氏は、「フォーマットで音楽を聴くわけではなく、聴きたい音楽を聴くのだから、ネットワークプレーヤーには多くのフォーマットに対応して欲しいところ。今回の2モデルの多様なフォーマットに対応する姿勢には共感できる」と述べた。

そのほかの機材は、スピーカーにTADの「TAD reference One」、プリアンプにLINNの「KLIMAX Control」、パワーアンプに「KLIMAX Solo/D」と、バッファロー製NASが使用された。

操作はiPadのプレーヤーアプリで行われた

英国ブランド VS 日本ブランド


山之内正氏
「ネットワークオーディオのメリットの1つは、ジッターの管理を突き詰められることだと思っている」と語る山之内氏。今回アップグレードしたKLIMAX DSについて、「新旧で一番違いを感じたのは低音。1オクターブ下まで伸びると言われたときは驚いたが、実際に聴くと低音の質と伸び、そして音圧感が全て変化しており、これはただならぬことだと思った」とその印象を述べ、「LINNも相当検討を重ねたのではないかと思われる今回のリニューアルでは、クロックシステムの入れ替えでジッターを半分に低減させており、出力トランスを全て新しいものに変えている。また、低域の歪みを減らすための新開発回路を乗せており、中身は30dBの改善効果があるという」と解説した。

DST-01については、「地に足のついた安定した音。今回の会場の環境では、壁や天井への浸透が気になるが、それは出ている音がピュアであることの裏返しであろう」とし、「本機はD/Aコンバーターを搭載しないモデルのため、自分で好きなD/Aコンバーターを組み合わせることができる点が1つの大きな特徴。LINNのコンセプトは、自社プレーヤーの中で音を完結させているスタイルだと思うが、対してスフォルツァートは色々なD/Aコンバーターを使ってほしいというコンセプトが見て取れ、それぞれの違いが面白い」と語った。

最後に同氏はネットオーディオの現在に触れ、「今回は家庭内LANのメリットを最大限に活かす高品位な音の再現を行ったが、いま世の中で話題になっているネットオーディオは、インターネット上に音源を入れてストリーミングで聴くクラウド型だ。オーディオの世界では、そのときどきで一番勢いのあるメディアやフォーマット、スタイルが出てくるが、いまはネットワークオーディオが最先端を行っていると個人的に感じている。ソフトが充実してきたことで、ジャンルやフォーマットも多彩で、聴きたい音源が手に入る状態になった。今後新たなメーカーが参入する見込みもあり、今年はさらにネットワークオーディオが加速する年になると思う。ますます楽しめる分野なので注目していってほしい」と締めくくった。

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