審査委員長に訊く“今年の傾向”

「オーディオ銘機賞2010」審査会スタート −「 “将来のオーディオのかたち”が見えてくる受賞結果になるだろう」

公開日 2009/10/16 14:41 Phile-web編集部
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審査会のもよう
小社『季刊・オーディオアクセサリー』誌主催“オーディオ銘機賞2010”の選考会が、10月16日午後1時にスタートした。選考会に先立ち、2名の審査委員長にこの1年間のオーディオ業界/製品の傾向を伺った。


流通側・審査委員長 CAVIN大阪屋 森田正二氏
「今年の全般的な製品の傾向としては、従来機をブラッシュアップしてより充実させたモデルが見られることが特徴と言えるだろう。とてもハイレベルで、粒ぞろいな製品が多い。またネットワークオーディオの商品に広がりが見えてきた。リンの“DSシリーズ”のような単体のネットワークオーディオプレーヤーから、CDプレーヤーやDACにUSB入力を搭載した新製品まで、だいぶ数も増えてきている。今年は“ネットワークオーディオ、スタートの年”であると考えている」


評論家側・審査委員長 斎藤宏嗣氏
「これまでは各社フラグシップモデルの競争が注目を浴びることが多かったが、今年はむしろより実売につながりそうなモデルに、ひとひねり、ふたひねりもある注目機が多く見られることが特徴だ。いま話題を集めているトピックスとしては、まずTADが独立して製品を投入してきたことが挙げられる。同社のアンプ最新モデルが巷の注目を浴びているが、今後の展開に早々と期待の声が高まっている。各社からフラグシップのテクノロジーを上手くまとめこんだ優秀なコンポーネントが現れたことも、オーディオファンにとって大変喜ばしいことだ。どれもコストパフォーマンスが高く、今がお買い得のモデルばかりだ。アンプはA級モデルが繁栄しており、中にはすごく音の良い製品もあり注目している。ネットワークオーディオもいよいよピュア・オーディオの世界に仲間入りしてきたと言える。ネットワークオーディオについては、iPod対応も含めて数多くのブランドが市場に名を連ねてきたことも心強いが、ハード・コンテンツともに“クオリティ”にこだわるブランドがマニアックな市場を牽引していることも、この分野の好調を支えているのだろう。今年のオーディオ銘機賞は“将来のオーディオのかたち”が見えてくるような受賞結果になるだろう」



音元出版社長 和田光征
審査会の冒頭には小社社長の和田光征が挨拶を行い「今年が31回目の開催となるオーディオ銘機賞だが、その内容には日増しに注目が高まっていることを実感している。今年は約500モデルのエントリーがあったが、非常に充実した内容の製品が多く見られる。受賞モデルが今後の市場を必ずやリードしていくだろう」と語った。

審査会は同日中に終了し、膨大なノミネート機種の中から三賞「金賞」「銀賞」「銅賞」、「特別賞」、およびジャンルごとの「オーディオ銘機賞」の受賞モデルが決定される。Phile-webでは10月19日(月)より受賞結果を順次、特設ページにてお伝えしていく。また、11月21日発売の『季刊・オーディオアクセサリー 135号』 でも、特集記事として受賞製品の魅力をご紹介する予定だ。

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