<TIAS2006:今井商事>BC Acoustiqueのスピーカーが日本デビュー

公開日 2006/10/21 17:36
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今井商事のブースでは、まずフランスの新星スピーカー・メーカー、BC Acoustiqueのサウンドが耳に飛び込んできた。同社はスピーカー専業のハイエンド・メーカーで、1993年に創立された若い社だが既に世界各国へ進出、このたび世界有数の激戦区たる日本にもデビューを果たしたのだという。


BCアコースティックのB-1(手前)とA-3(奥)。クリーンなデザインと濃厚でパンチのあるサウンドが持ち味である
ユニット構成は、ホーン型のトゥイーターを採用していることがまず目を引く。17mm口径のチタンダイヤフラムに、何度も試作を繰り返して理想的な形状に練り上げたアルミ削り出しホーンが採用されているという。フロア型のA-3はそのトゥイーターに、側面に取り付けられた26cm口径のアルミコーン・ウーファーと18cm口径のポリプロピレンコーン・スコーカーが組み合わせられる。ブックシェルフ型のB-1は15cm口径ポリプロピレン・ウーファーとの2ウェイだ。A-3で91.5dB/2.83V/m(4Ω)と、昨今のスピーカーとしては能率が高めなのもうれしい。

キャビネットの見た目は大変にシンプルだが、面構成と緻密な仕上げが美しい。内部は縦横に入った補強と共振止め、特定帯域のピークを抑えるレゾネーターなど、凝りに凝った造りに驚かされる。

音はやはりホーン型でなければ聴くことのできない濃厚で切れ味鋭い高域が魅力的で、そこから無理なく全域につながった快活で分厚い表現がなかなかの聴きごたえだ。今井商事でもう一つ注目すべきは、デンセン・オーディオ・テクノロジー社の製品群である。同社も1992年創立と歴史は浅いが、今や世界35カ国で高い人気を博している、成長著しい社である。先行発売されたプリメインアンプBEAT B110は、ヨーロッパ各国で同社の名声を決定づけた名作ということだが、それと意匠を合わせた最新CDプレーヤーB410が、会場で国内初お目見えを果たしている。


デンセン社のプリメインアンプBEAT B110の上に載せられた新製品CDプレーヤーB410。プッシュスイッチの色が違うが、B410も最終製品はゴールドに統一されるという
DACは同社の独自開発で、上級機の25ビット×4という構成を元にした24ビット・デュアル構成ということである。アナログ回路はすべて無帰還のA級動作だ。また、トレイを開閉するたびにシステムを消磁するという、同社独自のDeMagicシステムも搭載されている。残念ながら日本向けの100V対応が間に合わず、音は出されていなかったが、「デンマークの息子」という名を持つ社だけに、北欧インダストリアルデザインの系譜を引く顔つきが実に美しい。年内には発売の見込みという。


(炭山アキラ プロフィール

TIAS2006report

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