≪炭山アキラのショウレポート≫ 真空管オーディオフェア&真空管アンプ・テクノフェア【アンプ編】

公開日 2005/10/09 10:39
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10月8日、9日の2日間に渡り、秋葉原の町で「真空管オーディオフェア」「真空管アンプ・テクノフェア」の両イベントが開催されている。今回はオーディオ・評論家、炭山アキラ氏が双方のイベントで見つけた魅力的な製品の数々をレポートする。

■[Part.1] 魅力的なアンプ製品群を紹介

真空管オーディオフェアは文字通り真空管アンプが目白押しで、いずれ劣らぬ実力派ぞろいだが、ここでは個人的に、思わず取材を忘れて立ち止まってしまった個性派をいくつか取り上げることにしよう。


ハットオーディオラボの「車載用」真空管パワーアンプ
まず最初に目に止まったのは、ハットオーディオラボの「車載用」真空管パワーアンプだ。車載用は電源の安定化に大きなコストを要し、難しいジャンルと聞いていたが、このアンプはまず自動車のDC12Vを、同社が手を入れて特にローノイズ化したインバーターでAC100Vに変え、それから普通と同じように駆動させているという。これなら家庭内でも普通に使えるし、逆転の発想だが大変合理的でもある。出力管はEL84(6BQ5)のプッシュプルで出力は最大17Wと、かなり余裕を持たせた設計のようである。


アドバンス社のヘッドアンプ
続いては、アドバンス社のヘッドアンプが面白い。一見するとソリッドステート型に思われるが、よく見ると「ニュービスタ」真空管が採用されている。ニュービスタ管とは1954年にRCAが開発した超小型真空管で、国産の球も生産されていたというが、現在もどこかで作っているのだろうか? このヘッドアンプは参考出品だったが、完成が待たれる一品である。


美音技研の真空管とFETを使った「ドライバアンプ」
一方「真空管アンプテクノフェア」の方に出展していた社にも面白いものがいくつか見受けられた。美音技研という会社は2001年創業の若い社だが、なかなか意欲的な製品作りを行っているようだ。中でも目を引いたのは、真空管とFETを使った「ドライバアンプ」と称する製品だ。これ単体でもスピーカーが鳴らせるプリメインとして使えるが、本来は同社のパワーアンプをドライブするためのプリアンプとして使うものだという。

このアンプで最も驚いたのは、堅牢極まりない中骨式のシャーシを用いていることだ。このシャーシを使って現在フォノイコライザーアンプも試作が進んでいるという。こちらも大いに期待したいものである。


エヌテクノロジーの真空管アンプ用シャシー
真空管アンプなどを自作するためのパーツが展示・即売されているのも真空管オーディオフェアの面白いところだが、今回目を見張ったのはエヌテクノロジーの真空管アンプ用シャシーである。かなり頑丈そうな口の字の箱に2〜3mm厚の天/底板(別売)を取り付ける格好のシャーシで、1〜2万円台と安価なのがありがたいところだ。


(オーディオ評論家・炭山アキラ)

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