ケーブルブランド探訪記(Black Rhodium編その1「Oratorio」)

公開日 2005/09/08 12:09
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

Polar cable「Oratorio」
ケーブルブランド探訪記は今回より日本初上陸の英国ブランドBlack Rhodium(ブラック・ロジウム)社の製品ラインアップを紹介していく。

ブラック・ロジウム社はロンドンから北へ2時間程、イギリスのほぼ中心に位置するダービーに本社を構える、オーディオケーブルメーカーである。設計者はグラハム・ノールティ氏。ラインアップは入門用からハイエンドまで豊富に揃っている。その中でも特に、ハイエンドシリーズはPolar cable(ポーラ・ケーブル)という名称にて区別され、同社の技術が惜しみなく投入されている。

まず、第1回目はこの同社のハイエンドシリーズ「Polar cable」が誇る最高峰のRCAオーディオケーブル「Oratorio」(オラトリオ)を紹介することとする。

同モデルは導体にロジウムコーティングされたモリブデン導体の単線を使用。絶縁材には極めて優れた絶縁特性を誇るシリコンラバーを採用。さらに筒状のPTEFを採用することで空気の層を作り、この筒を2層にして(Silicone Rubber, 空気、PTFE, 空気, PTFE)徹底的に絶縁特性を向上させている。さらにディープ・クライオ・トリートメント処理を施すことで、美しく伸びやかな余韻と透明感を引き出すことに成功している。

同モデルに関する詳細な技術は下記にて紹介することとする。音質レポートに関しては5月22日発売の『オーディオアクセサリー117号』にて、井上千岳氏による詳細なレポートを掲載し、「情報量が豊富で透明度が高い・・・大きな期待を抱かせるブランドである」と非常に高い評価を得ているので、こちらもぜひともご参照いただきたい。(季刊・オーディオアクセサリー編集部)

※「Oratorio」(オラトリオ)に投入された技術

■ディープ・クライオ・トリートメント処理
ヨーロッパ有数のクライオ処理技術を誇る“Frozen Solid Audio”社によるディープ・クライオ・トリートメント処理(DCT)を施すことにより、オーディオ本来の目的である躍動感のある“音楽再生”を持つ。
■ロジウムコーティング高純度モリブデン導体
耐酸化、耐腐食に優れ、導電性の高い素材「モリブデン」を導体に採用。さらに導体表面を「ロジウムコーティング」処理することで、表皮効果を高め、微小信号の再現性を向上
■シリコンラバー絶縁
絶縁効果に極めて優秀なシリコンエンジニアリング社製の「シリコンラバー」を導体絶縁材に使用。オーディオによる音楽再生をプレゼンス豊かに再現
■四フッ化エチレン樹脂絶縁
広い使用温度範囲、耐薬品性、電気絶縁性、低摩擦性、耐候性、難燃性等の優れた「四フッ化エチレン樹脂」をダブルレイヤーで絶縁材に採用。導体を直接絶縁するシリコンラバーの外側を強力に絶縁。レイヤー間は空気層があるため、さらに絶縁効果を高めている
■シルバーコーティングシールド
高純度シルバーコーティング二重編組シールドが、外来ノイズをシャットアウトし、歪の増加を防ぐ
■Bullet Plug
Eichmann製BulletPlugをRCAプラグに採用。ユニークな一点コールド方式の樹脂製RCAプラグが、磁界の発生から完全に開放。RCAジャックとの密着性も高く、ヨーロッパでは、すでになくてはならない存在

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
新着記事を見る
  • ブランドBlack Rhodium
  • 型番Polar cable「Oratorio」
  • 発売日2005年7月上旬
  • 価格\165,000前後(1mペア)
【SPEC】
●RCAプラグ:Eichimann製Bullet Plug
●外経:8.8mm      
●導体:高純度モリブデン0.9mm 
●絶縁材:シリコンラバー、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)
●シールド:高純度シルバーコーティングOFC編み組み