村田製作所、球形スピーカー「ES301」の発表試聴会を開催

公開日 2004/09/10 16:20
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●(株)村田製作所は、先日同社が発表した球形スピーカー「ES301」の発表試聴会を、同社東京支社で開催した。

「ES301」は、9月7日に同社サイトにて発表された新型スピーカー。クロウルシ仕上げの「ES301」は1本499,800円(税込)、ワインレッドピアノ仕上げの「ES301R」は531,300円(税込)。どちらも11月1日から受注を開始する。

ES301

背面

横から見たところ

発表会にて製品の説明を行ったのは、同社技術開発本部 商品開発室長 中村武氏。「音を作るのではなく、本来の音に戻す」のが開発コンセプトだとし、良い音とは何かを探るため、国内に6台しかないという「脳磁計」という機械を使い、音を聴いたときの脳の微細な磁気を分析したという。同氏は「音を聴いたときに左脳が活発に動いていたことから、我々人間は音を聴いたとき、記憶と照合して良い音かどうかを判断しているのではないか」と見解を述べた。

商品開発室長の中村武氏

「脳磁計」での分析結果

「本来の音」を再現するため、「ES301」には数多くの新技術が投入されているが、中でも「渦流抑制ドライブ方式(Eddy Control Technology)」と、筐体の不要な揺れや振動を抑制する「重心一点支持構造」がキーテクノロジーとなる。

「渦流抑制ドライブ方式」は、音が発せられるときに生じる空気の渦が、音の歪みを生み出しているという考えに基づいて開発された技術。中村氏は、「高速で走っているクルマの背後には渦が発生し、この渦に巻き込まれた後続のクルマが楽に走れるスリップストリーム現象が起きる。音の場合にも、渦に音が巻き込まれるという現象が起きるはずだ」と理論的な背景を説明した。

クルマのスリップストリームも渦によって起きる現象

「渦流抑制ドライブ方式」(右)では渦が発生していない

「ES301」には縦に3つのウーファーが並べられているが、そのうちメインで音を鳴らすのは真ん中のユニットで、上下のユニットは渦を打ち消すために使われる。発表会では「渦流抑制ドライブ」をON/OFFするデモが行われたが、はっきりとその違いを確かめることができた。

「重心一点支持構造」は、筐体の揺れを少なくするための技術。筐体の下方に低音、上方に中・高音が配置されている通常のスピーカーの場合、筐体は底面を支点に揺れを生じる。揺れが起きると、変調による音の濁りが発生する。「重心一点支持構造」は、筐体内部を貫く支柱によって重心を支持するため、この揺れがほとんどなく、スピーカーの上部、下部でそれぞれ測定したデータでは、揺れを1/10ほどに低減することに成功している。

「重心一点支持構造」によりスピーカー上部の揺れが1/10に低減

スピーカー(株)の揺れも大幅に軽減される

(Phile-web編集部)

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