ケーブルブランド探訪記(ACOUSTIC REVIVE編 最終回「DSIX」)

2003/12/17
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●アコースティックリヴァイブ編の第7回目、最終回は新登場のDSIXデジタルケーブルをご紹介する。

DSIXとはデジタル・アイソレーション・エキサイターの略である。これはデジタルリンクさせる両機器間に発生する信号ループを電気的に分離しながら、デジタル情報のみを伝送する仕組みであり、オーディオ評論家の柴崎功氏が専門誌に発表した理論をもとに開発された。詳細に関しては『オーディオアクセサリー111号』のP176〜177に掲載しているので、こちらをご参照いただきたい。(季刊・オーディオアクセサリー編集部)

●「シングル・コアケーブル」の特徴
これまでほとんどのケーブルの線材には細い線材を撚り合せた撚り線が用いられてきたが、撚り線構造では線間を伝わる迷走電流が必ず発生してしまい、これが付帯音や歪みの発生を起こしてしまう原因となってしまうという点から同社のケーブル開発は始まった。単線構造のケーブルは上記のように大きな利点を持っていながらも、従来発売されたモデルはどれもが異様に硬く、フレキシブル性が悪く、ケーブル構造の甘さや単線の素材自体の質も悪いため、固有の鳴きが発生するなどして、音質的には満足するものではなかった。このような問題を一気に解消させてしまったのが同シリーズである。以下では各部の材質と構造となっている。
(1)導体
単線構造のケーブルに最適な特殊スーパーアニールOFC単線を採用。これはアニール処理(焼きなまし)に通常の数倍の時間をかけることで、極めて分子配列の整った、非常に軟らかいフレキシブル性に富んだ単線に仕上がった。線径に関してもそれぞれの用途に合わせ、最適なサイズを用意している。また、導体まわりには空気層を設けるエアーフローティング構造を採用することで、圧倒的な抜け切り、開放感、抜群のエネルギー感のある音質を獲得することができた。
(2)絶縁材
上記の空気層を設けるための緩衝材チューブには天然シルクチューブを採用。同素材は日本最大のシルクメーカーである長谷川商店と製造工場のエビサワの協力を得て開発した。音質に害を与えず、逆に生命感を与える効果を発揮してくれる。
(3)シールド
新開発のフレキシブルテフロンコーティング銅管を採用。これにより、固有の癖や付帯音、歪みの発生がない完璧なシールド効果と、ケーブル使用時の圧倒的な取り回しの良さを実現させている。
(4)外周部
SFチューブメーカー品川商工と共同開発し音響的に最適になるよう変更した素材に、製造限界までカーボンを配合したCSFチューブを採用。同素材を採用することにより幅射ノイズをカットし、電磁波吸収効果を実現することができた。なお、このCSFチューブは単売もしている。

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  • ブランドACOUSTIC REVIVE
  • 型番DSIX
  • 価格¥58,000(予定価格)