[2003年度 松下電器経営方針] 中村邦夫社長が会見「『本日創業』の気概で臨む」

公開日 2003/01/10 19:37
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松下電器産業(株)代表取締役社長 中村邦夫氏
●本日、大阪と東京の3会場を衛星回線で結び、松下電器産業(株)の2003年度経営方針説明会が開催された。大阪の本会場には、同社社長の中村邦夫氏と取締役の川上徹也氏が出席し、会見と質疑応答を行った。

会見の冒頭、中村社長は、本年1月1日より事業分野(ドメイン)別体制がスタートしたことを説明。従来、年度目標は本社がガイドラインを設け、それを受けて各事業部が具体的な目標を立ててきたが、来期からは一切の数値目標の提示を廃し、各ドメインが独自に計画を策定するように改めたと発表した。

続いて、同社が数年に渡って取り組んできた「創生21計画」について説明が行われた。中村社長は、「2001年度まで、以前の構造や慣習の『破壊』を行い、2002年度は『創造』への転換に向け、事業再編と経営の仕組み改革に取り組んできた。2003年度は、分野ごとの選択と集中による成長戦略の実践を行う」と語り、「破壊」と「創造」により「超・製造業」へ革新する筋書きを示した。また、改革の成果として、セル生産の成功、国内家電の占有率奪回、海外事業の伸張などが紹介された。

2003年度の体制・仕組みづくりの具体的方策として、本年4月1日に電化・住設社とエアコン社を統合し、『松下ホームアプライアンス社』を社内分社として設立することも発表された。同社と空調社、松下冷機(株)、松下設備システム(株)、松下食品システム(株)をまとめ、『ホームアプライアンスグループ』として事業展開を行う。また、経営の仕組み改革も行い、事業分社別会社における自己責任体制、キャッシュフロー/CCM重視の経営、グローバル連結経営システムの構築などを実施するとした。

また、成長戦略についても、目標が3つ示された。
1.次期V商品として全90品目を選定し、2003年度売上げ1兆2,000億円を目指す
2.「成長エンジン」として収益の60%以上を海外で確保する。中国事業を加速し、2005年に1兆円事業を目指す。
3.他社と差別化する「ブラックボックス」技術の創造の加速、事業ポートフォリオによる技術の選択と集中を実施する。

マーケティングについては、以下の3つの戦略をもって臨む。
1.『世界中の人々の豊かなくらしと人生に、さまざまなアイディアを提供する』というグローバルコンセプトを共有し徹底する。
2.「Progressive」「Sensitive」「Timeless」を世界統一のデザイン戦略とする。
3.DVDレコーダーで世界シェア50%確保、PDPで05年度に世界シェア30%等、V商品を中心にグローバルNo.1を目指す。

会見の最後には、「創生21−夢ある企業へ 一人ひとりが創業者」という2003年度経営スローガンが発表された。新たな体制が敷かれた2003年1月1日が「第2の創業」ともいうべき日であることを全社員が共有し、「本日創業」の気概を持って臨むことを表現したものという。

別項で、本会見のあとに行われた質疑応答の全問・全答をご紹介する。(Phile-web編集部)

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