ケンウッド「K's Esule」で聴くビートルズ〜人気イベント『ROOTS MUSIC』体験レポート

2002/12/24
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<左>イベントの模様 <右>再生は「K's Esule」で行われた
●丸ビルばかりが脚光を浴びているが、丸ノ内の要注目スポットは、実は他にもある。12月より新装成ったケンウッドのショールームがそれである。

ショールームはJR有楽町駅から徒歩3分、オフィス街のどまんなかに位置する。単に同社製品を展示するだけでなく、広めの試聴室が用意され、人気オーディオコンポーネンツを実際に体験できるつくりになっている。

このショールームでは、毎日正午より約1時間、プロムナード・コンサートと題して、週替わりでクラシックやジャズ・ポピュラーのCD、ハイビジョンソフト、LDソフト、DVDソフトなどによるコンサートを開催している。丸ノ内界隈のサラリーマンやOLが昼休みに足を運び、ちょっとした“都会のオアシス”として親しまれているらしい。

プロムナード・コンサートのほかにも催しはいろいろと行われているが、中でもオススメなのは「ROOTS MUSIC」というイベントだ。毎回洋楽の人気アーティストを一組取り上げ、楽曲の再生やパネラーによるトークライブが楽しめるというもの。

12月21日の「ROOTS MUSIC Vol.4」ではビートルズが特集されると聞き、編集部もショールームへ足を運んできた。当日は気温がかなり低く、しかも朝から雨が降り続けるという悪条件ながら、5分前に会場へ着くと、試聴室に設置された30脚の椅子がすでに埋まっている。同ショールームの竹之内氏に聞くと、イベントスタート当初は3〜4人しか人が集まらなかったのが、口コミにより次第に参加者が増え、今では予約無しでは席が確保できないという人気ぶりなのだとか。

音楽評論家の岩田由記夫氏がイベントプロデュースと司会を担当し、同じく音楽評論家の天辰保文氏、アーティストのAja(アヤ)氏をゲストに迎え、ビートルズにまつわる様々なエピソードが披露された。トークの合間には、各人が選んだビートルズの楽曲をケンウッドの高級ミニコンポ「K's Esule」で再生。その高い音質には来場者からため息が洩れていた。

トークは「ビートルズとの出会い」からスタート。50代前半の岩田氏と天辰氏はともに中学生のときにビートルズの洗礼を受け、その衝撃が今でも忘れられないという。60年代の時代の空気を的確に伝えるエピソードには、来場者も頷くことしきり。Aja氏の場合は、物心つく前にビートルズの楽曲に触れており、「これだけ多くの人に愛されているビートルズの楽曲は、人類のDNAに組み込まれているのでは」とユーモラスな見解も披露した。

イベントの中では、岩田氏が所有するレア音源も公開された。氏はジョージ・マーティンに何度かインタビューしているほどのビートルズ通。ビートルズがデビュー前にドイツでライブを重ねていた頃、トニー・シェルダンのバックバンドとして録音した「マイ・ボニー」や、ジョン・レノン「イマジン」のファースト・テイクなどが再生された。

2時間以上に渡り、和やかでアットホームな語らいと、「K's Esule」による高音質再生が続いたが、「時が経つのを忘れる」という形容詞がぴったりな、まさに至福の2時間であった。イベント終了後、来場者のお一人が「こんなイベントを無料で開放するなんてもったいない。有料にすべきですよ」とショールーム担当者に真顔で訴えていたことからも、このイベントの楽しさがうかがえるだろう。

イーグルス、ザ・バンド、ジェイムス・テイラー、ザ・ビートルズと続いてきたこのイベント、次回は2月15日(土)に、ジャクソン・ブラウンを特集する予定という。参加をご希望の方は、くれぐれも予約をお忘れ無く。(Phile-web編集部)


<KENWOOD丸の内ショウルームの詳細>
●所在地:〒100-0005東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1階
●電話:03-3213-8775 FAX:03-3213-7400
●交通:JR「有楽町」駅、有楽町線「有楽町」駅、都営三田線「日比谷」駅、千代田線「二重橋前」駅、下車徒歩3分。日比谷線「日比谷」駅下車徒歩5分。
●営業時間:10:00〜18:00(例外もあり)
      毎月第1・第3土曜日は営業日
●休館日:土、日曜、祝祭日(例外もあり)
      第2・第4・第5土曜日は休館

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