PC Hi-Fi準備室 <パソコンでもケーブルは重要 その1>

2002/06/06
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◆音声信号用の接続ケーブルを吟味する

・CDの接続ケーブルに注目!
今回は、パソコンに接続された一般的なCDドライブのケーブルについて、少々こだわって吟味をしてみよう。データのやりとりを行うには規格通りに接続されていればOKで全く関係ない話だが、音楽再生となると、オーディオマニアならずともケーブルの吟味は常識、少しでもよい音のためにはケーブル選びが必定である。(オーディオでのケーブルによる音質差についての詳細は、季刊・オーディオアクセサリー増刊の『ケーブル大全2001』をご覧いただきたい。2001版は在庫僅少。本年、最新版を刊行予定)

一般的なCDドライブには、機種にもよるが、IDEやSCSIなどのマザーボードなどとのシステム接続用のフラットケーブルと、サウンドボードと接続する音声信号ケーブルの、大きく分けて2種類の接続ケーブルがある。このうち、音質的にこだわりたいのはやはり音声信号用ケーブルだ。

その音声信号ケーブルにはさらに、アナログ音声信号用ケーブルとデジタル信号用ケーブルの2つがある。これらのケーブルによって、実は音質に違いがあるのだ。アナログケーブルは特に、ノイズの影響を受けやすいアナログ音声信号が通る経路だけに、ケーブルによる音の違いは顕著に出てくる。

通常の機種では、かなり細手のケーブルが使われていることが多いが、なるべくならばここは適度な太さを確保したい。また、状況によってはシールド(金属製の網線などを被覆の内部に被せてノイズを防止する)が施してあるものを選ぶのも効果的に作用する可能性もある。


・使用しているケーブルを調べてみよう
まず、使われているケーブルがどのくらいの太さのケーブルか、調べてみよう。外観の太さが直接そのケーブルの導体(信号を流す金属の線)の太さであるとは限らない。太い方が内部導体も太い可能性もあるが、ほぼ同じ外観で実は太さが違うこともよくある。では、どのように太さを調べるか。ケーブルの部分をよく見ると、刻印がされていると思う。そこの中に、太さを表す数値が書き込んであるはずだ。24AWGとか28AWGとかいうのがそれ。(パソコンにあまり詳しくない人は、ケーブルを抜いた端子が分からなくなることがあるので注意)

「AWG」 (American Wire Gauge) は、米国で使用されるケーブル内の導線の寸法(直径)の規格で、銅線の製造、銅を細くしていく工程(Sizing)に対応している。このため、数値が大きいほど細くなり、28AWGは24AWGよりも細いということだ。より太いものを選ぶには、この数値の小さいものにするとよい。

秋葉原のパーツ店を回ると、一番多いのは28AWG、まれに26AWGがあり、いろんな店を探した結果24AWGを見つけた。高音質専門のサウンドボードなどを扱うショップには、もっと良質なものがあるかもしれない。まだ未確認だが、音質重視の6Nケーブルロジウムメッキ端子仕様とか、あるのだろうか。情報を求む!!

また、ドライブ付属品の中には、バラの線が3本単純に接続されているものもあるが、撚り線にして外被をかけたものや、できれば同軸構造のものなどに替えた方が良いだろう。パソコンのシャーシ内というノイズの多い環境下では、ノイズ対策の点ではシールドされたものがお薦めだ。これはケーブルにshieldedなどの刻印がしてある。

ほかに、ケーブルを交換せずに対策する方法もある。ケーブル部分に、ノイズ防止のオーディオ用アクセサリーを巻いたりする方法だが、これは気をつけないと導電性のものがあって、下手な場所に接触すると故障の原因になるので使用にあたっては注意が必要だ。よく売られているフェライトのノイズフィルターは簡単に着脱可能なので、音を聴きながら確かめて使用を決めればよいだろう。なるべく径の小さい、ケーブルにピッタリしたものがよい。

これら、ケーブルの交換で環境を整えてやると、音質的にはデジタル臭が緩和され、聴きやすさが増し、力感が出てくる方向に行くのが好ましい結果の方向だと思われる。
(季刊・オーディオアクセサリー編集部)

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