■映像AD変換を見直し、27MHzの単一クロック周波数に統一した

追っかけ再生やシームレス再生など機能面での革新が目を引く本機だが、DVD記録再生の画質も確実に良くなっている。前述のハイブリッドVBR記録はDMR−E10に搭載していた技術をDVD−Rにも応用したものだが、それ以外にも、基本的な画質改善をいくつか新たに採用している。

まず、従来は2系統のクロック周波数が混在していた映像のAD変換回路の構成を見直し、27MHzの単一クロック周波数にまとめたことが大きい。輝度信号のサンプリング周波数の2倍に相当する27MHzのクロックと、色信号の同期をとるバーストロック用のクロック(3.58MHzの8倍に相当する28.6MHz)の2つのクロック信号が干渉し、映像にビートノイズが乗ることがあった。本機は、バーストロック用のサンプリングデータを生成する回路を新たに追加して、単一固定クロックでの動作を実現。これによって、映像へのビートの発生を原理的に除去することに成功した。

 

 

この回路構成の見直しに伴ってY/C分離処理を従来の8bitから9bitに格上げされた。従来は同期信号を含んだ8bit処理だったものを9bit化に精度アップすることで、DVDビデオ本来の8bit精度を確保できたことになる。このビット精度向上はS/Nの改善につながるという。

■平均値補正動きベクトル検出で、画面ノイズを低減

記録時の高画質化技術はまだある。今回メスを入れたのは、明るさが変化するシーンの再現性だ。タイトルから本編に移るときなどに多用されるフェードアウト、フェードインの部分で、画面全体に大量のノイズが発生することがあるが、これはDVDビデオの再生時も気になることが多い。デジタル圧縮特有の現象でビットレートが低い場合に特に顕著なのだが、本機ではここに目を付けたのだ。

具体的な改善方法は、明るさの変化を検出する動きベクトル検出の手法に、画面全体の明るさの平均値による補正を加えることで、補間誤差を小さくするというものだ。この効果はかなり劇的で、急激に明るさが変化するシーンに目立ちやすいランダムなノイズが目に見えて減少する。そのほか、3次元Y/C分離、入力TBCなど同社のVTRでおなじみの技術はもちろん、ノイズフィルタ特性を見直すことで弱電界受信時のS/Nを改善するなど、地道な改良も行われている。

再生時には、DVD−RP91と同等なブロックノイズリダクション、モスキート ノイズリダクション、3次元NRなどの各種NRが威力を発揮する。これらの機能は、D MR−E10にも搭載されていたものである。