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| 金賞を受賞したフルHD液晶テレビ「EXE」の新モデルは、「10bit・フルハイビジョン・倍速液晶・IPSパネル」と、高画質における最新技術が4拍子揃っている。さらにWaves社の「マックスオーディオ」を搭載し、薄型テレビの課題である「音」のクオリティを追求した。常に技術で一歩先んじることこそビクターの存在価値、という皆川氏。絶えず原点に戻ってクオリティを追求し続けるその姿勢で、今年度中に37型以上の薄型テレビのシェア二桁を狙う。受賞に際して、その意気込みのほどを伺った。 インタビュアー:音元出版社長 和田光征 |
今回の審査会では、御社の動画応答技術が注目されました。先んじてここに取り組んでこられ、早くも3シリーズ目を開発されたというところが、金賞受賞のポイントとなりました。この「LT-47LH805」というモデルは、薄型テレビが抱えている話題の技術がすべて揃っている、素晴らしい商品だと思います。 皆川 大変な賞をいただきまして、まことにありがとうございます。 今回の商品につきましては、私どもは絶対の自信をもっております。「10bit・フルハイビジョン・倍速液晶・IPSパネル」と、4拍子揃った商品というのは世界で初めてですし、ワンランク上の音をご提供する「マックスオーディオ」も搭載しております。また使い勝手もかなり工夫をしております。私どもでは今年、これに命をかけていると言っても過言ではありません。 ―― 今回のIPS方式への切り替え、そして、どこよりも早く10ビットに着手するに至った背景をお教えください。 皆川 私どもでは、パネルを自社生産しておりませんから、パネルをもっておられるメーカーさんに対して、画づくりでは絶対に負けないという思いをもっております。そうでなければ我々の存在価値がなくなるからです。またひとつのパネルに縛られるということもなく、世の中で最高の画質を提供するために、パネルを選べるというスタンスでやっております。 最高の画を出すためには、液晶の欠点を克服する必要があります。私どもではそれを「動き」であると捉え、欠点の克服を最優先に取り組んできました。また階調特性をより自然な形にするためには、液晶の場合8ビットでは不足だと判断し、そこを何とか解決しようとしてきたわけです。パネルメーカーにもそれをいち早くもちかけて、一緒にやってくださるところと組むという形をとってきました。 とにかく画質で負けないという取り組みが、IPSや10ビットという形でのトライの仕方になったということです。 ―― IPS方式は視野角が非常に広いという特性があります。 皆川 私どもでは、特に大型の方へ注力していきたいという思いからIPS方式を選んだわけです。VA方式でも技術が進歩してだいぶよくなってきておりますが、それでも視野角という点に関してはIPSの方が進んでいると思います。 視野角についての取り組みが進み、液晶テレビ全体がそこの改善をみてパネルも進化していく、そういった流れの中で技術の先頭を切っているというのは意味のあることだと思います。 ただIPSパネルについては、今年の年末などは調達が厳しくなるとも予想され、そこがなかなか難しいところでもあります。ですから今回、パネルメーカーさんとは、トップ同士のすりあわせをきちんとやらせていただきました。 ―― 今回は、音の部分の「マックスオーディオ」についても技術賞ということで評価させていただきました。「マックスオーディオ」はWaves社さんの技術ですが、それを薄型テレビに搭載するにあたっての御社のノウハウは、Waves社自身も脱帽したとおっしゃっていますね。Waves社の技術を使った製品は多くありますが、ビクターさんのノウハウが一番高度だということです。 皆川 当社にはオーディオ部門があり、すぐれた製品をつくっております。そういったベースが基本にありますので、DNAを受け継いでいると思っています。 当初からテレビの音については大きなポイントとして位置づけておりましたが、CRTから薄型になるときに、狭い面積からいかにいい音を出すかについていろいろと取り組んで参りました。そういった私どもの取り組みに対して、ちょうどWaves社さんの技術と出会えたわけです。我々のやりたいことが先にあったので、うまくマッチングできたのではないかと思います。 ―― 画質の向上については熾烈な競争がありますが、音に関しては突出した出来映えだと思います。
しかし残念ながら店頭では音を出すのが難しく、なかなか訴求し切れていません。したがって私どもの系列店では、音の良さということに特に力を入れて訴求していくことになります。 商談会ではディーラーさんが音を聴かれて、「この商品は音でもお店で訴求できるな」ということをおっしゃいます。この商品ではスピーカーボックスの模型も用意していますが、これもお店に配って、実際に見ていただくことでお客様に訴求するツールにしたいと思っています。 私どもは2003年の8月に26型から薄型テレビを手掛けて参りましたが、その際にスピーカーを画面の横につけるか、下につけるかを議論しました。 CRTテレビですと内部に空きスペースもあって、スピーカーも設置しやすい状態でした。しかし薄型になると、スペース確保が難しく、どうしても音の部分が犠牲になってしまいます。拡がり感を出すためにはサイドスピーカーの方が有利なのですが、2003年の時点では、テレビそのもののスペースファクターの問題からアンダースピーカーとしました。 その後薄型テレビはさらに大型化しましたが、スピーカーのスペースはどんどん狭められてしまいました。そこで昨年のモデルでは、「マックスベース」という低音をサポートする機能を入れ、さらに薄いスペースの中にスピーカーを入れました。 そして今回のモデルでは、さらに画面が大きくなり、低音だけのサポートというのでなく、「マックスオーディオ」ということで高域を含めた音全般を強化したのです。デザインを重視しながら音の強化を両立させるという、相反することを実現させました。 また今回の商品では、評論家の先生方に説明させていただく中で、ある先生がテレビでCDをお聴きになっていたという場面がありました。CDを聴いても遜色がないということは、アピール要素のひとつになるのではと思っております。 ―― 今回のテレビを店頭でアピールするにあたっては、ほかにどんなことをお考えですか。 皆川 画質については、実際に画面を見ていただければすぐにわかると思います。IPSパネルというのは、正面からだけでなく斜めから見ても画がきれいですから、店頭でどの方向から見ていただいてもおわかりいただけると思います。また色を忠実に再現しているところも、ご覧になって実感していただけるのではないでしょうか。 先日の発表会では二桁シェアを狙うということを申し上げましたが、100人の中で10人の方にしっかりと価値を認めていただいて、買っていただければと思います。 ―― 御社のテレビ事業戦略をお聞かせいただけますか。 皆川 今日本市場では、薄型テレビで37型以上のシェアが約20%、2008年度には30%くらいになっていくと見ています。先ほど申しましたように、100人のうちの10人の方によさをわかって買っていただくことで、その領域を狙うために大型中心にやっていくという方向でおります。また、日本ではセカンドテレビの需要もあり、20型を中心としたところが3割くらいのシェアを占めていますから、この領域も狙っていくことで、二刀流ということになろうかと思います。 いずれにしても、私どもは全社的に高品位の商品づくりを常に考えております。高品位、高画質、高音質、と三つの要素が揃っていること、これを崩さないでいきたいですね。 ―― 高品位ということをお客様にいかに理解していただくかが、大きく左右しそうですね。
―― 年末までの商品ラインナップについてはいかがでしょうか。 皆川 フルHD倍速の商品についてはこれを継続し、来年の春にはさらに進化したものを考えております。また通常の倍速モデルについては、新機種を今年の秋頃に出す予定でおります。年末商戦では、フルHD倍速のIPSモデルと、倍速モデル、そしてセカンドテレビの3系統が揃うことになります。 ―― セカンドテレビのクラスが倍速になってくると、ますます面白くなりますね。 皆川 おそらくここ数年で、倍速が液晶テレビのスタンダードになるのではないでしょうか。ですから私どもでは、その先を行かなければならないということを、常に考えております。 ―― 来年の夏には北京オリンピックがありますから、今年の夏の商品はそれに向かってのスタートという感があります。 皆川 今年は世界的に大きいイベントはありませんが、来年はオリンピック、またその前にヨーロッパでサッカーのユーロカップがありますね。 「10bit・フルハイビジョン・倍速液晶・IPSパネル」の4拍子が揃った商品は、日本を皮切りとしてスタートします。その後ヨーロッパで今年の7月に発売し、アメリカで9月に、アジアで10月に発売を予定しています。ユーロカップやオリンピックに照準を合わせ、世界的に商品を訴求していくのです。まず日本で成功しないと裾野が拡がりません。商品の発売までに、私どもの事業企画や営業が集まって、どうやったら訴求できるかというプロジェクトをつくって討義を始めているところです。 ―― 御社が考えていらっしゃる、テレビのあるべき姿とはどういうものでしょうか。
またハイビジョンエブリオなどで撮ったものも高画質で見る、というように、関連機器とつないで見ていただくことも課題です。 テレビの原点は、離れたところの情景が見られるということです。いろいろな高画質技術を手掛けていますが、本来何のためかというと、そういうことなのです。それは液晶になっても、さらに追求すべきことだと思っています。原点に戻ったときに不足しているものは何か、それをいち早く解決し、取り入れていきたいというのが基本的な姿勢です。 テレビが液晶になり、CRTよりも画面サイズがずいぶん大きくなりました。大きい画面のテレビを見るのは、楽しいことですね。それをいい画質やいい音で楽しむというのは、気持ちのいいものです。そういうことを提供していくというのが、我々の原点だと思います。 そのためには、パネルも回路ももっと進化させなくてはなりません。映し出されるものが、ほんとうにそこにあるかのように再現させるためには、もっといろいろなことが必要です。そして、いいものはいいということも、世の中に広めていかなくてはいけません。 あとは営業の売り方ですね。開発、生産は準備ができていますから、営業が二桁のシェアを狙ってやっていきます。二桁というのは、私の想いでもあり、営業の想いでもあるのです。37型以上のところで、今年度中に二桁のシェアを実現したいと思います。 ―― 技術に裏付けされたすばらしい商品と、それにかける意気込みのほどをお伺いすることができました。大変期待しております。ありがとうございました。
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