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| 金賞を受賞した液晶テレビ「ブラビア」のJ5000シリーズをはじめ、各商品において「個」としての強化を推進するとともに、「群」の訴求として、機器間のつながりや、それぞれの有機的な楽しみ方を積極的に提案するソニー。より手軽に、誰にでも楽しんでいただけるAVの世界を追求していくとともに、ピュアオーディオへの取り組みを益々強化し、期待される。一歩先を見据えた今後の展開とともに、受賞の手応えを伺った。 インタビュアー:音元出版社長 和田光征 |
| ―― ブラビアのKDL-40J5000が金賞を受賞されました。おめでとうございます。 宮下 大変光栄です。液晶テレビのブランドを「ブラビア」に変えたのが2005年秋のことで、今回のモデルは3作目に当たります。
「個」は、各商品を強くするということ。事業部制、事業本部制を敷いていますから、商品を強くするのは事業の強化につながると言う意味での「個」です。「群」は、基本的に「個」の商品が強いという前提の上で次のつながりを提案することです。ソニーはこれまでどちらかというと「群」の商品づくりがあまり得意ではありませんでしたが、今回は「群」という言葉を使って、ソニー製品同士をつないで、新しい楽しみ方を訴求していく、それに基づいたものづくりを行っていこうとしているのです。 このようなソニーの活動の中で、今回金賞を受賞したJ5000シリーズというのは、「個」という観点から見ますと、「モーションフロー」や「10Bitパネル」を 搭載し、テレビの本質である画質に対するソニーのこだわりとお客様のご満足を追求した商品です。 「モーションフロー」は、通常60コマ/秒の映像を120コマ/秒にして表示する倍速表示機能で、各コマ間にソニー独自のアルゴリズムにより、新たに生成した精度の高い静止画を挟み込むという技術です。映像の素早い動きに対して残像感を低減して、なめらかな再生画をお楽しみいただけるものです。また、ソニーの「モーションフロー」の特色として、通常の倍速表示が対応する縦・横の動きに加えて、斜め方向等さまざまな動きに対応しています。「10bitパネル」は、映像の階調表現を高める技術です。微妙な表現を要求されるグラデーションのかかったような映像を、なめらかで自然に表現することを得意としています。 このようなテレビの本質である画像の美しさに加えてJ5000シリーズでは「ソニールームリンク」ということで、DLNA対応の機器とLANで接続して家庭内ネットワークの中心となり、他の部屋にあるAV機器やPCの映像や音楽をより手軽に楽しんでいただくことができます。このシリーズは、「群」としての訴求をしていこうという第一弾商品とも位置付けられます。 このような先進的なモデルが金賞をいただいたということは、嬉しいという気持ちに加え、誇りに思います。 私どもがこれから「群」で商品を訴求していくにあたっては、3つのステージがあると思っています。まず、難しいことを言わずに「機器間でどうつながっていくか」ということ。それから少しステップアップをして、「家庭の中でどうつながっていくか」ということがあると思います。そしてさらには、「外部のインターネットとどうつながっていくか」ということです。 この3つのステージに対してJ5000シリーズは、機器間の接続ということでいきますと、HDMIを使い、「シアタースタンドシステム」との接続があります。家庭内でつながるということでは、DLNAに対応して「ルームリンク」という形で家庭内ネットワークの訴求が始まったところです。また外部のインターネットとつながるというところでは、アクトビラに対応したブラウザを搭載しております。さらにソニー独自のアプリケーションで「アプリキャスト」というサービスに初めて対応した商品です。 我々が昨年の年末くらいから準備してきた高画質化とネットワーク対応ということがJ5000シリーズという商品に結晶化されて、それに対して金賞をいただいたということは、大変心強い思いです。 ―― 審査会では、それぞれの機能が総合的に評価されました。今回のビジュアルグランプリの審査対象になった液晶テレビは、120Hz、フルHDというところがキーワードになりましたが、そこを基本として、周辺機器へのつながりや連携という部分において、J5000シリーズはまさに結実していると思います。 宮下 テレビの本質は、まず画がきれいであることが第一条件です。J5000シリーズは、先に申し上げたとおり「モーションフロー」や「10bitパネル」を搭載しています。また、「ライブカラークリエーション」という広色域のバックライトシステムも採用しており、これと「10bitパネル」との組み合わせで、非常に色鮮やかで滑らかなグラデーションを表現することができます。またBDフォーマットの24p信号入力にも対応しておりますから、映画本来の画質のよさをお楽しみいただけます ―― J5000シリーズは、機器間接続としてはDLNAとHDMIの2種類を採用していますね。
また、DLNAとHDMIについては、お客様によって使い分けがされると思います。機器同士が1対1でつながればいいという方もいらっしゃれば、これから購入するものについて家庭内でつなげていきたいという方もいらっしゃいます。またインターネットとつなぎたいという方もおられます。我々としてはそれらに全て対応できるようにしてありますが、選ぶのはお客様です。 また、話はテレビから少々離れますが、「群」と言ったときにLANケーブル、ワイヤレスLANといった線でつなぐというようなことを発想しがちですが、メディアを介してつながるという訴求もあります。たとえば私どもで8月に発売致しますDVDライターの「VRD-MC5」という商品がありますが、これはハイビジョンハンディカムなどから、パソコンを介さずにDVDに映像をダビングすることができる商品です。ケーブルでつないで、ボタンを押すだけです。こういったDVD等のメディアでつながるということに、これからも取り組んでいこうと思っております。 またサイバーショットで撮影した写真を簡単に大画面ハイビジョンテレビで見ていただこうという提案も積極的に行っております。このように、お客様視点に立って、どうしたら簡単に楽しんでいただけるかということに「群」の本質があると思っております。 「つながる」ということを考えた場合、PC経由、ノンPC経由という2つの流れがあると思います。たとえば現在、当社のウォークマンの販売が好調な一因は、ノンPCのソリューションを提供している点があると思います。何でもPCを経由するというのはあり得ないと、私は思います。ノンPCの世界でどうつないでいくかというところを、深く掘っていきたいです。 ―― ノンPCということから見ますと、今回のアプリキャストやアクトビラもそれに近い発想だと思います。インターネットへの入り口を、PCではなくテレビに設定したということですね。特にアプリキャストは、テレビを見る感覚でインターネットするということを意識されたものだと思います。 宮下 ひとつは、「ながら視聴」を増やしたいというところが大きいですね。テレビはくつろいで「ながら視聴」するものですから、インターネットから入ってくる情報も「ながら視聴」にしたいという、極めてシンプルな発想です。J5000シリーズでしたら両方の画面を同時に見られますから、テレビとインターネットを気負わずに見ていただける、そこが一番の狙いですね。 ―― アクトビラは日本のメーカーさんの中で推進している規格ですが、やはりPCの数よりテレビの数の方が圧倒的に世の中に多いということで、今後も期待できます。 宮下 そうですね。当社では、ディスプレイはポータブルを除いて、すべてアクトビラ対応にする予定です。 ―― こういった流れの中で、テレビは見るものから使うものへと変わってきたと思います。それは販売店にとっても、付加価値によって単価アップにつなげられるということで有効な要素ですね。 宮下 AVのマーケットは、付加価値を何もつけなければ価格は下がる一方です。商品を出すときには、常に新しい付加価値をお客様に提供するというのが重要だと思います。 ―― 今回金賞はテレビが受賞していますが、その他にも銀賞をプレイステーション3、銅賞を液晶プロジェクターのVPL-AW15が受賞しています。
―― このモデルはエントリー層向けという位置付けですが、液晶プロジェクターとして初めて「ブラビア」のブランド展開がなされていますね。 宮下 これまで私どもでは、プロジェクターはどちらかというとSXRDのハイエンド機を中心とした展開をしてきました。しかしホームシアターというのは、やはり和田社長がおっしゃるとおり、カジュアルな部分の展開が必要だと思います。ですから、その領域に入るときのブランドというのは、むしろ液晶テレビの延長線上の商品として位置付け、あえて「ブラビア」としました。これに対して、特約店様の反応はいいですね。価格的にも20万円を切り手頃だということもあると思います。また「ブラビア」という名前は、お客様によく知られていますから、ブラビアのプロジェクター版ホームシアターということで、特約店様も売りやすいのではと思います。 ―― また今回は、BDレコーダー「BDZ-V9」がロングラン賞の大賞に選ばれました。これは市場でよく売れているということで、販売店さんの票に結びつきました。 宮下 次世代DVDレコーダーの本命はBDです。ソニーはBDのフォーマットホルダーでもありますし、市場に貢献したい思いでおります。 地上デジタル放送が始まって、フラットテレビがこれだけ普及してきますと、ハイビジョン画質に対するお客様の目はかなり肥えてきました。ロングラン賞の受賞は、こういったことの結果でもあると思います。次はさらにお客様を増やしていきたいですね。 BDの再生専用機については、国内ではPS3がありますから、今のところあえて出す必要性はないと思っています。日本は世界的にも特殊なマーケットです。昔からメディアについては、ROMに加えてRAMの市場が非常に大きなマーケットです。MDもそうです。レコーダーというのは日本独特のマーケットですから、我々のプライオリティというのは、やはりプレーヤーでなくレコーダーということになります。
宮下 ありがとうございます。これは団塊の世代の方に向けたという思いもありますが、同時にオーディオに携わってきたエンジニアや、マーケティングの人間の思いが結実したものだと思います。当社だけでなく、オーディオでずっと培ってきたメーカーの思いが、ハイコンポというカテゴリーの商品となったということです。 「501は超ロングランになる」という思いでじっくりと取り組んでおります。このような商品、本格的な音を求めているお客様は、年代を問わず必ずいらっしゃると思います。こうして、音でソニーが評価していただけるのは嬉しいことです。 ―― オーディオのマーケットは、システム商品が売れないと拡大しません。そういう意味でも、ハイコンポというカテゴリーづけは大事です。そしてオーディオに対するユーザーの要求も、じわじわと高まってきました。そこにきて、ソニーがオーディオをもういちどやると宣言したことが大きかったと思います。 宮下 オーディオは二つの方向があると思います。ひとつはカジュアルなところで、ビジネス上無視できないものです。一方ではピュアのところ。本格的な音を聴きたいというお客様は絶対にいらっしゃると思います。たまたま我々がそこに商品を出せていなかったというだけのことです。ソニーはAVメーカーとして、オーディオはこれからもますます積極的に追求していこうと思っています。 ―― AVに対する御社の取り組みに、これからもますます期待しております。本日はありがとうございました。
・ソニー
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