「録画できるテレビ」が大きな柱に
お客様の真の価値を追求し続ける
(株)日立製作所 コンシューマ事業グループ
デジタルコンシューマ事業部 デジタルコンシューマ営業本部長
高橋憲二

プラズマテレビ
P50-XR01
L37-XR01

※写真はP50-XR01


「iVポケット」の搭載により、「録画できるテレビ」のさらなる新境地を切り拓いた日立の「Wooo」。ハイブリッド方式のビデオカメラやデザイン&使い方革命を引き起こしたDVDレコーダーなど、相次ぐ新コンセプトの提案の底に流れるのは、徹底したお客様目線での価値の追求だ。価格競争の波にもまれる店頭においても、一際大きな光を放つ日立の新商品が、金賞の栄冠を勝ち取った。

インタビュアー:音元出版社長 和田光征

―― プラズマテレビのP50-XR01、液晶テレビのL37-XR01が金賞受賞となりました。おめでとうございます。

高橋 P50-XR01は満を持して投入したフルHDモデルです。60V型の商品を昨年末に発表していますが、売れ筋ゾーンである50V型での本格参戦となります。発売早々に大きな勲章をいただき、製造サイドの励みにもなりますし、販売サイドの意気込みにも弾みがつきますね。

―― P50-XR01は、フルHDの高画質とiVDRが高い評価を獲得しました。iVDRは「企画賞」も併せて受賞していますが、市場でのお客様の反応はいかがですか。

高橋 録画してアーカイブするというのは、日本人は特に要望が強く、それがハイビジョンでできる、しかも、これだけ大容量のものが簡単に取り出せて、モバイルできますので、それをお伝えするだけでも「そんなことができるのか」と、本当にびっくりされるようです。また、今回採用した2・5インチというサイズが、ちょうど私どもくらいの年代の方には郷愁をさそうようで、「8トラックみたいだ」「VHSのようで馴染み深い」といった反応もあがってきているのは面白い点ですね。

高橋 iVDRは、パソコンのデータ用ではこれまでもありましたが、SAFIAというコンテンツの著作権保護技術を入れ、映像関連のセキュアな部分をクリアした商品としてはこれが最初のもので、世の中も大変注目しています。iVDRのコンソーシアムに参加する50社以上もの企業もその趨勢を皆見守っています。これからの普及へ向け、非常に大きな責任も感じています。まだ緒についたばかりですから、宣伝手法や今後の商品ジャンルの拡大など含め、積極的に展開し、どんどん認知をあげていきたいと思っています。

フルHD ALISパネルを搭載した50V型プラズマテレビ。250GBの内蔵HDDとともに世界初となる「iVポケット」を搭載し「録画できるテレビ」がさらに進化した。映画フィルムのなめらかな動きをリアルに再現する世界初「なめらかシネマ」を搭載する 広視野角のフルHD IPSαパネルを採用。倍速120コマで残像感を解消したキレのある美しい動画を再現する、クラス最高画質を誇る37V型液晶テレビ。「iVポケット」「なめらかシネマ」を搭載する

―― 認知という意味では、黒木瞳さんを起用したテレビCMが大変印象深いですね。彼女の非常に明るいイメージが大変うまく引き出されていて、それが商品メッセージとして、販売にも効果が出ているのではないですか。

高橋 まず、スロットにiVDRを差し込むところだけのCMを最初に流しました。すると「あれは一体なんだ?」と凄い反響があり、問合せもぐんと増えました。その後に、種明かし的に「世界初」というのを流したわけなんです。黒木さんには、DVDカメラのCMのように、明るいイメージを全面に出せたのがよかったのではないかと思います。

―― 新しい価値をどう伝え、訴えていくのか、営業戦略も注目されますね。

高橋 テレビへのHDD内蔵に対しては「HDDがいっぱいになったら終わりだよ」とか、「テレビとHDDではそれぞれの商品寿命が違う」といった声も確かに聞かれましたが、今回のiVポケットは、そうした点に対し、お客様に安心感を与えられるソリューションにもなりました。内蔵のHDDとのやりとりも、デジタルtoデジタルですから、コピーもムーブも非常に早い。その点も非常に好評です。「万が一内蔵するHDDが壊れたときにも安心だ」といった声もいただき、テレビに内蔵するHDDが万が一壊れることを心配されているお客様が少なくないこともわかりました。

HDMI等のリンクにより、テレビとレコーダーの親和性が高くなってきました。しかし、商品が2つあるのと内蔵とでは、使い勝手などに明らかな差があります。販売する側からしても、以前は、テレビとレコーダーを別々に販売した方がお客様単価も高くなるといった声もありましたが、今回のiVDRでは「おとうさん用」「おかあさん用」など、iVDRを一緒にご販売いただくことで単価アップができるのが大きな特長のひとつになります。

―― 価格競争が激しいテレビの世界ですが、お客様は、「録画ができるテレビ」というメリットをはっきりと支持されたわけですね。

高橋 「WoooでREC(録画)」というコンセプトを持てたこと。それを皆様に盛り立てていただけたことを、大変ありがたく思っています。

―― プラズマのマーケットを牽引されてきた日立「Wooo」では、ALISパネルによる32V型サイズ実現による市場開拓、スイーベル機能による使い勝手のさらなる追求、そして、HDD内蔵によるタイムシフト提案、そして今回のiVポケットと「日立の考えるテレビとはこういうものである」という意思が、商品の根底に流れていますね。

高橋 ブラウン管時代には、シーズ先行型で「こんなものができました」というような傾向も見られました。今、そこから何が変わったのかと言えば、開発や製造の現場と営業との間のコミュニケーションだと思います。「技術的にこんなことできるけど、商品としてどういう味付けにしようか」というようなキャッチボールができる。ここは、以前からは随分変わってきたと思います。

営業に対してはよく、「市場のニーズを吸い上げろ」などと言われますが、今の世の中は、そのニーズすら掴めないほどスピードが格段と早くなっています。ですから私は「営業にニーズを尋ねるのはおかしい」とよく言っています。まず、メーカーの側から「こんなことができます」と提案してあげないと、お客様も気づかれないことが多い。その上で、「そこはこうしたらいい」ということではないかと思います。日立では今、そうした流れができています。営業が持ってくるお客様の声と、開発サイドの持っているシーズがドッキングしやすくなった。相互理解ができるようになったということですね。

―― iVポケットが付くことで、「録画できるテレビ」が、ひとつのジャンルとして明確に成立しそうですね。お客様の目にも「もうひとつ別のジャンルのテレビがあるんだ」ということがはっきり分かるようになる。店頭でも「うちももっと力を入れなきゃ」という状況ではないでしょうか。

高橋 HDD内蔵を発売した初期の頃には、お客様に説明していても「どこにテープが入っているのですか」と聞かれたこともありました。今回の「iVポケット」は、実はこんなものが入っているんですよという、種明かし的な要素も備えています。世の中で一番簡単なレコーダーということになりますね。

―― テレビは価格競争はじめ、市場は依然厳しい状況ですが、日立ではどのように戦っていかれますか。

高橋 購買層が広がる中で、無駄な機能には徹底してお金はかけない層と、使い勝手がよくなるのであれば数万円高くても購入するという、2つの層があります。前者に対しては、HDD非搭載で、内容もできうる限りシンプルにした、H01シリーズという商品を用意しました。後者に対するiVポケットを搭載したモデルとともに、薄型大画面テレビのラインナップの中での2つのコンセプトを、今回はより明確に打ち出しています。こうした点も奏効したのか、現在はそれぞれの商品がターゲット層のお客様からのご支持をいただき、しっかりとした価格で商売をさせていただいています。

―― iVポケットに目を奪われてしまいますが「なめらかシネマ」というのも大変強力なセールストークですね。

高橋 何でもないことのように見えるかもしれませんが、実は相当に大変な技術が盛り込まれています。私どもは2-3プルダウンの映像に見慣れてしまっていますが、見比べていただくと「こんなに違うのか」というのが歴然です。「もうひとつの世界初」としてカタログでも謳っています。この美しいフィルム映像を、店頭でもお客様にぜひ実感していただきたい。そのために、実演の仕方などを含めて、もっと工夫していきたいと考えているところです。

―― もうひとつの金賞受賞モデルとなりますL37-XR01は、37V型液晶テレビの中での最高の評価となりました。

高橋 本当にきれいな映像なんですよ。ほれぼれするくらいの色を出しています。プラズマに対し、液晶テレビの分野では「日立Wooo」のブランドがお客様にまだ十分に浸透していないと認識しています。今回の金賞受賞をきっかけに、37V型で最高画質を実現したL37-XR01を牽引役として、「液晶も日立のWooo」を大いにアピールしていきたいと思います。

―― ハイブリッドカメラの「DZ-HS503」「DZ-HS403」が銀賞、DVD/HDDレコーダーの「DV-DH1000S」がゴールデンロングランアワードを受賞しています。それぞれ市場でも支持を獲得した際立ったコンセプトが光りますね。

銀賞を受賞したDVD/HDDハイブリッドカメラ「DZ-HS503」

同じく「DZ-HS403」

高橋 ハイブリッドカメラは、市場でもかなり浸透してきました。当初は「DVD+HDD」という言い方をメインにしていましたが、最近では「ハイブリッド」という言葉の方がスムースにご理解いただけるようです。大きな特長は、使用頻度が非常に高まったこと。お子様の成長記録などのイベントだけにとどまらず、日常的にパッと取り出して使っていただけるスタイルが定着してきました。また、今回はラインナップ展開とし、コンパクトなスタンダードモデルでは、ダンスを日常的に撮り合うような若者に対し、ビデオカメラはどう位置付けられるのか、アプローチ的な商品として投入しています。一定の評価はいただいておりますが、今後もひとつの市場の方向性として、取り組んでいきたいと思います。

DVDレコーダーには、HDDの容量の量り売りのような商売から脱却したいという強い想いが込められています。デザインはもちろん、さらに「らくリモ」と呼んでいる使い勝手に優れた録る見るリモコンに対しても、お客様の間から大きな反響をいただいています。DVDレコーダーがむずかしそうで使えないという人にとっても、ビデオ感覚で使えるようになったと自負しています。大容量と合わせ、こうした点もきちんとご評価いただけたことを、大変うれしく思います。

―― 日立さんからのこれからの提案がますます注目されますね。本日はどうもありがとうございました。


高橋憲二氏 プロフィール

1955年4月18日生まれ。福岡県出身。79年3月九州工業大学卒業。4月日立家電販売(株)入社。03年4月(株)日立製作所ユビキタスプラットフォームグループコンシューマ営業本部AV営業部長。05年4月ユビキタス営業統括本部コンシューマ営業本部本部長就任、07年4月から現職。生まれも育ちも福岡の根っからの九州人。自称「温和な性格」も怒らすと怖いと定評だ。入社以来、コンシューマ向けAV商品の営業一筋で販売前線に精通していると自負。趣味はアウトドア全般。モットーは「成せば成る」。


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