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【特別企画】「ULTRA HQ Encode」にも要注目

実は国内最多、約18万本の品揃え! デジタルレンタルNo.1、高画質VOD「ビデオマーケット」の凄さとは

公開日 2017/11/22 10:37 折原一也
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ビデオマーケット」という映像配信サービスをご存知だろうか。近年、海外からの “黒船到来” もあって映像配信に注目が集まるなか、日本の独立系映像事業者としては最古参に数えられる、2005年に事業をスタートした老舗サービスだ。


いまではスマホ、PC向けサービスのほか、ソニーの薄型テレビBRAVIAのプラットフォームでもあるAndroid TVに「ビデオマーケット」アプリを提供するなど、薄型テレビ向け映像配信としても存在感を高めている。最初の1ヶ月は無料なので、試してみやすいのも嬉しいポイントだ。
 
今回はそのサービスの全容について、ビデオマーケット取締役の小野寺圭一氏、担当マネージャーの井上直己氏に伺った。

ビデオマーケット取締役 小野寺圭一氏

ビデオマーケット担当マネージャーの井上直己氏

映画・ドラマ・アニメで国内最大、約18万本の作品を配信
 
「ビデオマーケット」とはどういった映像配信サービスか。まず知っていただきたいポイントは、約18万本という「日本国内ではダントツの配信本数」(小野寺氏)という作品ラインナップの豊富さだ。

ビデオマーケットの3つのポイント
 
正確を期するために詳しく解説すると、「ビデオマーケット」が提供する約18万本は”カラオケ”や”アダルト”といったカテゴリを含まない一般作品(映画、ドラマ、アニメなど)のみをカウントしている。この本数は間違いなく国内トップだ。

ではなぜ、ビデオマーケットはここまで多くの作品を集められるのか。それはビデオマーケット」が、レンタルビデオに似た「都度課金型」(TVOD)と「セルビデオ」(EST)に特化したサービスであるというのが最大の理由だ。権利元からすれば、視聴されたらそれに応じた金額が入るわけで、作品を多く提供できる。
 
一般的に新作映画が定額見放題サービス(SVOD)にラインナップされるのは3〜5年後だが、都度課金型のサービスであればレンタルと同時か、最近ではデジタルの方が早く解禁するケースも多くなってきた。およそ3〜4ヶ月後には配信が始まる。

「フィジカル(物理メディア)よりデジタルの方が早く配信するのが、最近の映像配信の風潮」(小野寺氏)となった今、改めてビデオマーケットの都度課金型の強みが発揮されている。また小野寺氏は、「定額制では見ていないのに、お金を払っている方が意外に多い」とも指摘する。

劇場公開からコンテンツのレンタル・販売の流れ

「ビデオマーケット」の作品ラインナップを増やそうという意欲、そして努力は今に始まったことではない。以前は、レンタルビデオの大型店をベンチマークにしていたのだという。

「レンタルビデオ店に置いている作品で、ビデオマーケットにない作品を洗い出す調査を定期的に行い、それらのパブリッシャーに働きかけるということを地道に行って、作品を増やしていきました」(井上氏)。リアル店舗でレンタルを行っている作品であれば「都度課金型」の映像配信でも配信できるだろう、という考えからだ。

ビデオマーケットは、コンテンツを増やす地道な取り組みをコツコツ続けてきた

以降もレンタルビデオ店の調査を続けたが、近年はリアル店舗の旧作コーナー縮小が続いている事情もあり、すでにビデオマーケットのラインナップは大型リアル店舗を凌いでいるという。

もう一つ、コンテンツ関連でのユニークな試みを紹介しよう。海外映画を劇場公開なしにDVD等でパッケージ化する事を「ビデオストレート」と呼ぶが、ビデオマーケットでは、昨今増えているビデオストレートならぬ「デジタルストレート」も手がけている。

たとえばIMDBなどで評価が高くても、コメディなど日本でメジャー化しづらい作品もある。だが、それを見たい視聴者も日本に一定数いる。映像配信であれば、視聴したい人へダイレクトにコンテンツを届けられる。こういった背景から作品数が拡大しているのだ。

こういった努力の歴史が積み重なって約18万本という膨大な作品が揃い、「来ていただいたら何かしら観たいものがあるはず」(井上氏)と同社が自信を見せるラインナップにまで育ったのだ。

スマホ/タブレット、PC、テレビ、STBなど様々なデバイスに対応している

自社開発を徹底。他社アライアンスでも豊富な実績

「ビデオマーケット」のもう一つの強みは、創業時から他社との協業によるサービスを多数手がけていることだ。

2006年にはNTTドコモのケータイ向けに、日本初の長尺ストリーミングサービス「まるごとアニメ」を始めた。当時を思い出して欲しいが、当時はPCの映像配信も黎明期で、スマホもほぼ存在せずガラケーの時代。そういった中、フルのアニメ作品を配信する取り組みを行ったのだから、いかに同社が先進的かわかるだろう。

以降もTV局の見逃しサービス、韓流ブームの時には「冬のソナタ」をガラケーにも配信するといった取り組みを続けて大ヒットを飛ばした。

2010年にはiOS/Androidに両対応したスマホ向け、タブレット向け映像配信へといち早く時代の流れに乗り、「ビデオマーケット」としてサービスの提供も始めた。さらにはPC、薄型テレビにも対応。「日本の映像配信業界を、雑草精神、ベンチャー精神で乗り切ってきた」と小野寺氏は語る。

映像配信業界を「雑草魂」で乗り切ってきた、と語る

近年のサービスとしては「music.jp」やイオンによる動画配信サービス「FamilyVideo」に動画配信サービスを提供。またシャープのAIoT対応サービス「COCORO+」の動画配信サービス「COCORO VIDEO」もビデオマーケットが提供している。内蔵型のAIoT対応液晶テレビ『AQUOS 4K』も11月11日に発売開始される。またソニーは、公式サイトで「ブラビア VIDEO Edition」を用意。これはビデオマーケット24カ月継続を前提に、購入時にセット価格から35,520円割り引くというもの。

「気がつけば、ビデオマーケットという状況」(小野寺氏)と自ら語るほどで、これまで、裏側がビデオマーケットであると気付かずサービスを利用していた人もいるかもしれない。

ビデオマーケットは自社開発体制を徹底し、業界の先端をいくサービスを数多く手がけてきた。世界初の取り組みとして、2010年には世界で初めてDOLBY MOBILEに対応した「THIS IS IT」を配信開始。また2011年という早い段階でスマホ向けHDストリーミングサービスも始めた。

また同じ2011年に、シャープの裸眼3D対応端末「IS-01」向けに、世界初のスマホ向け3D動画配信(配信タイトルは何と『怪盗グルーの月泥棒 3D』)を実現したという開発力、対応力も語り草となっている。

徹底したチューニングで高画質化「ULTRA HQ Encode」への取り組み

そしてビデオマーケットが以前から強力に取り組んでいるのが、クオリティ=画質・音質の追求だ。

本当に品質を高めるには、元素材のクオリティが高くなければならない。そのためにビデオマーケットでは、作品の提供元に最高画質の素材を要求するほどだ。

また、作品のエンコードはすべて自社内で行っている。他社がエンコードしたデータを配信する事業者がほとんどという状況の中、「ここまでクオリティにこだわっているVOD事業者はほかにあまりないはず」と井上氏も胸を張る。なお薄型テレビ向けは2K配信が中心で、一部で4K配信も行っている。

画質だけでなく音質にも注力。ドルビーオーディオコーナーには大作がずらり。ドルビーアトモスも今後増やしていきたいという

さて、ビデオマーケットのクオリティへのこだわりが溢れているのが、同社独自の高画質エンコード技術「ULTRA HQ Encode」だ。

ULTRA HQ Encodeのロゴマーク。このマークが表示されているコンテンツはハイクオリティが保証されている
 
2Kの映像配信の場合、現在のビデオマーケットの映像配信はMPEG-4 AVC方式で、ビットレートは10Mbps以下。安定した配信を考えると仕方ないのだが、BDと比べるとデータ量が少なく、高画質を追求するには、条件は非常に厳しい。

そんななかビデオマーケットは画質監修に、パナソニックハリウッド研究所(PHL)出身で、雑誌「AVレビュー」の筆者でもある秋山真氏を迎えた。同氏監修のもと、MPEG4 AVCエンコーダーのHigh Profileのパラメーターまで、原画を見ながらシーン単位で細かく調整するなど、徹底的にこだわって制作しているのがULTRA HQ Encodeのタイトルだ。

正確には、作品の高画質化の取り組みはエンコード以前のマスターから始まっている。一定の水準を満たすマスターが用意でき、なおかつ前述のようにこだわってエンコードした作品だけが、「ULTRA HQ Encode」の名を冠せられる。現在、ULTRA HQ Encodeとして提供されている作品は20作品を超える。
 
今回、取材時にビデオマーケットの通常エンコードとULTRA HQ Encodeの差、そして他社サービスとの違いを確認したタイトルは『スターウォーズ/フォースの覚醒』だ。

IMAX撮影シーンとしても知られる、レイとフィンが襲撃を受け、ミレニアム・ファルコンに乗り込むまでのシーンを見た。通常エンコードのタイトルでも、他社VODと比べ衣服のディテールやミレニアムファルコンの外観のラインなどがクリアだが、ULTRA HQ Encodeでは画質劣化をさらに一段抑えた、見通しの良い画質を実現していた。

ULTRA HQ Encodeのタイトルだけを集めた「UHQ高画質コーナー」が用意されている

もう一タイトルは邦画の冒頭シーン。まずは畳の目の表現、和紙を使ったタイトルバックを、国内大手2社の映像とビデオマーケットのエンコードで見比べた。

一見して、ビデオマーケットの映像はモスキートノイズや平坦部のざわつきが抑えられ、群を抜く高画質であることがわかる。一番厳しいカットは百人一首の札が並ぶところで、他社は文字の周囲にノイズがびっしりとまとわりついているが、ビデオマーケットの映像はすっきりと美しい。

視聴はビデオマーケットの視聴室で行った

A社配信映像の画面一部を拡大。一見してノイズだらけでディテールも損なわれている。解像感も低い


B社配信映像を拡大したもの。A社に比べると解像感は高いが、ノイズはまだ多い

ビデオマーケットのエンコード画像。モスキートノイズがかなり抑えられ、ディテールもしっかり見通せる

同社では今後、HEVCでエンコードした作品の配信も予定しており、現在研究を進めている。参考までに、同じ作品のタイトルバックをHEVCでエンコードした映像も見ることができた。MPEG-4 AVCとの違いは歴然で、暗部のノイズがすっきりと抑えられ、なおかつディテールもしっかり残す。微少なノイズもすっきり消えて、空気感や作品本来の表現まで堪能できるクオリティだった。



国内の老舗映像配信であり、最大級のタイトルを誇るビデオマーケット。ULTRA HQ Encodeという高画質を追求する試みもAVファンにとって大変魅力的で、今後とも注目したいサービスだ。

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高画質とともに高音質も追求するビデオマーケットは、オーディオ5ブランドとの合同キャンペーン『映画を聴こうプロジェクト』を打ち出し、12月1日(金)から実施する。詳細は特設WEBサイト(https://eigakiko.com)を参照のこと。

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(特別企画 協力:ビデオマーケット)

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