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【特別企画】CLASS-Sにファン待望の新WOODイヤホン現る

JVCのハイレゾイヤホン「WOOD inner」開発者を直撃! 新モデルの音質特徴と開発秘話を訊く

2016/12/13 土方久明
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北岩:ここはお客様からの要望をもとに改良しました。長さを短くしてその分太くしてありますので内容積は変わっていません。またイヤーピース部分の角度も変えて更に装着感が上がるようにしてあります。

土方:実際に使用する身になって考えると装着感の改善はかなり大きいと感じました。

製品を試す土方氏

北岩:プラグ形状についても考慮しています。FW01はポータブルアンプと組み合わせた時にスイッチと干渉しないように3.5mmストレートタイプのプラグ、FW02/03はスマートフォンなどと組み合わせてもかさばらないように3.5mm L型のプラグを採用しています。

土方:なお、ハイレゾ対応を正式に謳っていますが、JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)の新しい測定方法で検証されたのでしょうか?

北岩:はい。今年6月に発表された方法で測定しています。


■モデルごとの特徴は? 音質的な狙いはどう違うのか?

土方:使用しているパーツや構造などかなりの部分が進化していることがわかりました。そして大切な音ですが、新モデルはどの部分が良くなっているのでしょうか?

北岩:今回のモデルは、より研ぎ澄まされた音楽表現を目指しました。従来モデルが備えていた「音色・響きの良さ・中低域の厚み」を残したまま、中高域については、「解像度、繊細さ」が向上しています。

また低域のリアリティも上がっています。それによりいろいろな音楽ジャンルへの対応力が上がっています。ボーカル表現1つとってもバックミュージックとの分離感や音場の立体感など大きく向上しています。サウンドステージもさらに広がりましたし、全てのモデルで振動板の軽量化と磁気回路を強化した事を始めとして多くの部分を改善したメリットが出ています。

取材時の様子

モデルごとに音色/音調を説明しますと、WOOD 01 innerでは前モデルHA-FX850で好評だった中低域の厚みのある音色を残しつつ、全帯域でダイナミックな音調とスケール感を持った音になっております。オーケストラなどの大編成の音楽を聴いていただくと良さが分かって頂けると感じています。

WOOD 02 innerは中間の価格帯に位置しますが、今回はしっかりとした個性を持たせてあります。フラットかつワイドレンジ、シャープな表現が特徴です。フュージョンやアニソンなどとも相性が良いと思います。そしてWOOD 03 innerは、WOOD 01 innerに近いトーンバランスですが、スマートフォンと接続しても躍動感が出るように仕上げてあります。

土方:おっしゃられる通り3モデルとも別々の個性を持っていますね。まずは3機種とも音色が良いです、これはシリーズ共通の良さだと感じました。

その中でもWOOD 01 innerは前モデルHA-FX850と比べて、解像度、質感、音楽性などオーディオ的な偏差値が向上しており、次のグレードの製品に進化しています。低域の力強さも魅力がありました。WOOD 02 innerは3機種の中で一番フラットなトーンバランスです。これは僕の好みでした。WOOD 03 innerは一聴して元気な音でコストパフォーマンスが高いですね。

単純に価格だけのグレード差ではなく、モデルごとに個性がありユーザーが自分の好きな音のモデルを選べるのはとても良いところだと思います。例えば原音に忠実な再生を求める人もいれば、低域の力強さや音場の広がりにする人もいますしね。

北岩:そこが悩ましいんですよ(笑)。 音色や表現方法はメンバー内で熱く議論しました。先ほどおっしゃったような、躍動感のある分かりやすい音は常に求められています。でも私たちが原音を追求している意気込みもしっかりと伝えたいのです。

土方:JVCケンウッドは、前身のビクター時代からオーディオ製品以外にもVHSのビデオデッキやテレビなど、先進性と独創力に溢れた製品の開発に長けていたイメージを持っています。今回聴いた3機種はそのDNAがしっかりと残っており、きっとユーザーの皆さんも満足してくれると思います。本日は有難うございました。

(特別企画 協力:JVCケンウッド)

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