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【特別企画】USB-DAC/ヘッドホンアンプ「DS-200」など

ハイコスパで話題の新進オーディオブランド「Soundfort」とは? 開発者にこだわりを聞いた

2016/11/14 構成:編集部 風間雄介
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「コピーされても同じ音は出せない」

片山:めんどくさいです。めんどくさいし、時間もかかります。一つ一つ基板も変えないといけないんで、この段階はコストもかかりますよね。だからテスト用基板をつくるときに「これはこのコンデンサー用、こっちはあのコンデンサー用」とか、いくつかパターンを想定して、テストしやすいように基板を作るんですね。

で、聴き比べをして、ある程度出来上がった試作段階で日本に送って、オーディオにすごく詳しいスタッフから意見をもらって、それをもとにまた試作して、ということを繰り返します。

−−なるほど。

片山:こういう作り方をしているので、部品や回路構成をコピーされても、同じ音は出ません。それがSoundfortの強みですね。

−−公式サイトを拝見しても、ここまで基板を剥き出しにして公開してらっしゃるのは珍しいですよね。

片山:まぁ、全部見せてるわけじゃないですから(笑)。見えるところなら別に問題無いですね。それほど高密度でもないですし、ゆったりと作っていますし。

−−ところで、そういった回路作りのノウハウはどのように蓄積されたのでしょう。

片山:元々アナログ系は得意で、トランジスタでいろんなものを組んでましたから。小学校の頃はずっと真空管で組んでましたし、そういったアナログ技術で「どこを押さえたらいいか」という勘所は、長い間に蓄積したものですよね。

回路に電流がどう流れて、どこが重要なのかがわかっていないと作れません。海外メーカーさんも安いDACなどを出していますが、なかなかそういう勘所を押さえるのは難しいようです。

−−ところでSoundfortさんの製品は小型のものばかりですよね。いわゆるデスクトップサイズです。これは初めから、このサイズありきで企画されたのですか?

片山:サイズありきです。もともとこのサイズは、PCのモニターと机のあいだの隙間に入れるつもりで作ったんですよ。ですから高さは40mm〜50mmに押さえようと。奥行きもそうです。PC用モニターのスタンド部の奥行きを調べて、それと同程度にしようということで決めました。

サイズはPCモニターと机のあいだの隙間に入るように決めたという

筐体はSoundfortのほかの製品と共通化することでコストを下げている

−−DS-200はこの筐体に、アナログとデジタルの基板を2枚に分けて、上下に搭載しています。

アナログ系の基板とデジタル系の基板を分け干渉を抑えている


片山:そうです。ただ、意外に作ってみると難しくて、設計するときはけっこう苦労しましたね。

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