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インタビュー

最新作の魅力を“音楽”からマルカジリ!

『真・女神転生IV FINAL』 サウンドコンポーザー小塚氏を直撃。サントラならではの聴き所とは?

アニソンオーディオ編集部:押野由宇

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2016年02月24日
アトラスのゲームとして、『ペルソナ』や『デビルサマナー』といったシリーズを思い浮かべる方は多いだろう。しかし、それらのシリーズは派生作品であり、その根幹となっているのは『真・女神転生』というシリーズだ。去る2月10日に、そのナンバリングタイトルである『真・女神転生IV FINAL』が発売され、ファンは喜びに沸き立っている。


さらに、本作のサウンドトラックが、2月24日(水)に発売となった。前作の『真・女神転生IV』ではゲームの発売からおよそ9ヶ月ほどの間があって“待ちに待った”だけに、今回のスピード感は大変嬉しいところ。

とは言え、逆にまだゲームをクリアできていないプレーヤーもいることだろう。そこで、今回はゲームをプレイ中の方はよりゲームにのめり込めるように、すでにクリア済みの方は本作の音楽の魅力を改めて知ることができるように、さらにゲーム未プレイの方でもサウンドトラックを楽しめるように、『真・女神転生IV』から引き続きサウンドコンポーザーを務める小塚良太氏にお話をうかがった。

『真・女神転生W』と『真・女神転生W FINAL』のサウンドコンポーザーである小塚良太氏

現実に似ているようで異なる世界の音楽

−−まずはゲームを知らない方に向けて、『真・女神転生』についての簡単なご紹介をしていただけますか?

小塚良太氏(以下、小塚) 『真・女神転生』というシリーズは1992年に始まっているので、もう24年くらい続いています。ただ、作品が発表されるスパンが長く、間に外伝などを挟みながら、ナンバリングタイトルとしては2013年にやっと『真・女神転生IV』が出ました。その『真・女神転生IV』から世界観を踏襲した作品が、今回の『真・女神転生IV FINAL』です。

『真・女神転生W FINAL』メインビジュアル

−−『真・女神転生IV』のエンディングから続いているわけではなく、途中から分岐するストーリーとなっているんですね。

小塚 そうなんです。ifの世界というか、パラレル的なストーリーで、もし『真・女神転生IV』がこうなっていたらどういう結末に向かっていったのか、という形です。主人公も『真・女神転生IV』とは違うキャラクターが用意されていて、まったく新しい展開を見せます。ちなみに、FINALと名前についていますが、これは『真・女神転生IV』が完結するということで、『真・女神転生』シリーズ全体が終わるわけではないことを一応言わせてください(笑)。

−−少し誤解されがちなので、ぜひアピールしてください。いきなりの余談ですが、『真・女神転生』シリーズと言えば、神や悪魔がモチーフを活かしつつオリジナルのデザインで登場するのも魅力のひとつです。『真・女神転生IV FINAL』では新規デザインされた悪魔も追加されていますが、小塚さんのお気に入りは?

小塚 新規の悪魔についても凄く個性的で魅力的な面々が揃っているので必見ですよ! 個人的にはアドラメレクが好きですね。

新規でデザインされた悪魔の中で小塚氏イチオシの「アドラメレク」

−−ありがとうございます。『真・女神転生』シリーズには、ある種のリアルさ、現実感があるのも特徴かと思います。“悪魔召喚プログラム”といったコンピューターを介して仲魔を呼び出すシステムであったり、『真・女神転生IV FINAL』ではスマートフォンがキーアイテムとなったりと、時代的には近未来感がありますね。その辺りは音楽面にも反映されているのでしょうか?

小塚 そうですね、でも“ナウい”ジャンルはあえて取り入れてないんですよ。現実と同じ部分はあるんですけど、まったく別世界という部分もあるというか。東京や錦糸町という実際の土地が出てきますが、舞台になる東京は、岩盤に覆われてしまってずっと夜の状態という世界なので、近しいようで違う東京・錦糸町なんですね。そもそも悪魔が跋扈している様な世界ですし(笑)。なので、音楽的には異世界感を匂わせられたら良いな、と思って作っています。

また、『真・女神転生IV』からは80年代っぽい要素を断片的に取り入れていて、それもノスタルジー的な意図ではなくて、単純に当時のサウンドを今聴くとある種の異世界感を個人的には感じるのですが、それが現代の音楽とは違う感じで丁度良いかな、と。その辺は『真・女神転生IV FINAL』でも共通したテイストですね。

『真・女神転生W FINAL』は悪魔が闊歩する、岩盤に覆われた東京が舞台となる

−−それでは、“真・女神転生らしさ”を意識された部分は、どういったところに現れていますか?

小塚 ちょっとオールド・スクールなゲームっぽさというか、割りとチープっぽい感じと、奥行きのある音を組み合わせて、折衷できれば良いかなと考えていました。ひたすらヘヴィーな感じだと浮いてしまうし、昔のように音の要素を少なく作っても浮いてしまう、という作品だったので、そこのバランスを上手くとることを意識していました。

あと、僕が携わるずっと前から続いているシリーズですので、これまでに続いてきた音楽のイメージは大切にしています。ストイックというか、隙間から奥に何かが見えるような感じ、そういう部分をすごく参考にしました。それに加えて、『真・女神転生IV』からノイジーや滲んだ感じを取り入れた形ですね。

『真・女神転生IV FINAL』に踏み込んだお話へ

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