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インタビュー

黎明期から”ハイレゾ対応”を推進したその理由に迫る

ノーススターデザインCEOインタビュー - ヨーロッパ有数のデジタル先進ブランドの素顔

季刊NetAudio編集部

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2014年11月28日
ノーススターデザインのD/Aコンバーターは、レコード会社でのマスター音源のクオリティチェックにも活用されているというほか、アンプメーカーやケーブルメーカーでも、同社の製品を用いて製品のチューニングを行っているブランドがあるそうだ。この事実は、「音源に入っている情報を、何も加えずに、何も引かずに再生する」という同社のポリシーがしっかりと製品に反映されていることを物語っている。

では、この理想を実現するために、ランピーノ氏はD/Aコンバーターの開発において、何が最も大切と考えているのだろうか?

開発におけるキーはDACチップの選定
ここから回路や電源の設計がスタートする


「特に重視しているのはDACチップの選択です。すべてはここから始まり、それから私たちはアナログ、デジタル、電源の各セクションの設計を進めます。特に、DACチップへの電源供給は、デジタル/アナログ問わずその性能を発揮させるための秘密があります。DACチップのために設計された電源でなければ、ノイズの発生は避けられずその特性が存分に発揮できない可能性があります。逆に言えば、DACチップにマッチした電源を用意できれば、DACチップの性能がしっかりと発揮できるということです。その次に必要なのが、DACチップの周りに構成されるアナログ回路を設計することです。このセクションは、時に一から設計する必要もあるなど、デジタルオーディオの回路設計の経験が大きくものを言います」

CADで回路を設計していく様子。DACチップの選定から始まり、その特性をフルに発揮させるためのアナログ回路、デジタル回路、そして電源部などをデザインしていく

「現在、私たちはSupremo、Excelsio、Impluso、そしてIntensoという4つのDSDネイティブ再生に対応したUSB DACをラインアップしていますが、そのいずれも基本的な設計理念は共通です。ただし、この設計理念を異なるプライスレンジに落とし込むことが必要となります。これは、特に低価格帯のモデルになればなるほど難しいものです。ですから私たちのDACでは、それぞれで共通した仕様と、それぞれに異なった技術が共存しています。例えば私達のDACはESSのSabreを使用していますが、SupremoとExcelsioはES9018、ImplusoとIntensoはES9016を使用しています。また、SupremoとExcelsioではデジタルとアナログをそれぞれ分離したトロイダルトランスから電源を供給する仕組みとなっていたり、IntensoのみRCA出力専用機としています。機能的な部分や部品の選定などを徹底的に行うことで、異なる価格帯でもノーススターデザインの概念を共通して持たせることができているんです」

現在の同社DAコンバーターのフラッグシップとなるSupremoの内部。ESSのES9018を中心として、デジタル、アナログを分離した電源部を採用するなど、その実力をフルに発揮するアプローチが採られている。電源部や回路に違いがあっても、同社のラインアップにおけるこのDACチップを中心とした設計アプローチは共通だ

ノーススターデザインのD/Aコンバーターの内部を見てみると、確かにコアとなるDAC部の構成等は非常に似通った構造になっていることが分かる。確かにD/Aコンバーターはデジタル、アナログ、電源のさまざまな要素が組み込まれているが、これらは全て心臓部であるDACチップそのもの特性を引き出すためのもの、という考え方は実に合理的な開発アプローチといえるだろう。

アッセンブルを終えた製品達。このあと厳密なクオリティチェックを経て、ユーザーの元へ発送されることになる

ヘッドフォンアンプを開発した背景

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