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黎明期から”ハイレゾ対応”を推進したその理由に迫る

ノーススターデザインCEOインタビュー - ヨーロッパ有数のデジタル先進ブランドの素顔

2014/11/28 季刊NetAudio編集部
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新しい技術を存分に活用することで、
オーディオファンが体験したことのない音を生み出す


その後ノーススターデザインは、2001年に発売したCDトランスポートのModel192CDTとそれと対になるD/AコンバーターModel 192DACが高い評価を受け、一躍デジタル再生における重要ブランドとしての存在を確立した。また、世界的にハイレゾが盛り上がり始めた2011年には、世界に先駆け192kHz/32bitへの対応を果たしたUSB dac 32を発売している。つまり、常に「先進的デジタルブランド」として歩んできたのだ。

デジタルオーディオにおけるノーススターデザインの評価を決定的なものとしたCDトランスポート、Model192CDT。

ところで、なぜランピーノ氏は数あるオーディオコンポーネントの中からデジタル関連製品に特化した製品開発を選択したのだろうか?

「私達は、何か革新的なものを生み出そうと思うのであれば、新しい技術を活用することが必要だと考えています。これが、数ある製品の中のなかで、ノーススターデザインの存在を際立たせることができる唯一の方法だとも思っています。1998年にDVDが登場し、一種の“ハイレゾリューション・オーディオ”は人気を獲得してきましたが、こうしたデジタルオーディオに関わることができるのはごく一部の会社だけでした。だからこそ、この分野での製品開発を行っているんです」

同ブランドが立ち上がった時期は、デジタルオーディオがハイレゾリューションという新しい可能性を手に入れつつあった時期にもあたる。この新しいオーディオの可能性を飛躍させるための機器開発に挑むことは、当時としては必然の流れとも言えることだったのかもしれない。

ハイレゾがまだまだ黎明期だった2011年に、いち早く192kHz/32bit対応を果たし大きな話題を呼んだUSB dac32(¥273,000/税込)

そんなノーススターデザインの特徴は、常にデジタルフォーマットの最先端である“ハイサンプリングレート/ハイレゾリューション”を追求し続けていることだ。たしかに、いまでこそハイレゾはここ日本を中心に大きな盛り上がりを見せているが、なぜその黎明期からハイサンプリングレートに対応した機器を開発してきたのか。

「ノーススターデザインが製品を開発する際、重要視しているのがアジアの市場です。私たちのパートナーであるナスペックが2001年にModel192CDTとModel192DACを日本へ紹介してくれた際、私たちは日本が世界的にみても先進的なデジタルオーディオ市場であることを認識しました。またここ数年間、DSDフォーマットへの注目は、まず最初に日本で高まると見ていました。ハイレゾリューションのオーディオデータをやりとりするには、インターネットがひとつの手段となるわけですが、ヨーロッパではまだまだ限界があるのもの事実です。しかし、これはどんなオーディオブランドにも言えると思うのですが、市場はグローバルなものなので、私たちは音楽再生において最も優れた技術を提供する会社として認識される必要があったのです」

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