＜特別インタビュー＞“DLPプロジェクターの雄”オプトマに迫る − 強力新製品を日本に続々投入

■オプトマがDLP投写方式を採用する理由とは？

−−　ずばり、御社がDLP方式を採用する理由は何でしょうか？

林氏：　グローバル市場における全プロジェクターの市場シェアをみると、LCDとDLPの比率はほぼ50％ずつですし、もちろんそれ以外も含めて投写方式それぞれにメリットがあると思いますが、私たちとしてはDLPが持つ独自の良さを評価しています。

一番大きいのは「明るさ」ですね。高コントラストが実現でき、ユニフォーミティーの高い映像投写ができます。加えて、プロジェクターの筐体をコンパクトに作れるというメリットもあります。先ほどお話したような軽量性を高めたコンパクトなモデルは、DLP方式だからこそ実現したものともいえるでしょう。

−−　なるほど。ちなみにDLP方式を採用するプロジェクターブランドはもちろん世界中で他にもありますが、他社とは違うオプトマの特徴とは何でしょう？

林氏：　根本的な部分ですが、まずサービスとイノベーションを両輪で実現しているというブランドポジションは強みだと思います。また、DLPデバイスはTI社が展開するチップのみですから、他社様も同じものを使用しますが、デバイスだけでクオリティが決まるわけではありません。先ほどお話した製品例のように、オプトマでは多くの革新的な技術を投入することによって、他社様とは違う高品位でユニークな製品を展開しています。

また、「コストパフォーマンスの高いモデルの実現」も私たちの開発理念の1つです。製品において、技術力とコストパフォーマンスの高さを両立させられることは強みだと思います。LEDエンジンを搭載した1080pプロジェクター製品などはまさにその実例ですね。

■オプトマ“イノベーション”、3つの核心技術

−−　では改めて、他社とは異なる強みを持ったオプトマのプロジェクターを実現する核心技術についてお教え頂けませんでしょうか。

林氏：　はい。独自技術は数多くあるのですが、今回はそのうちのコアテクノロジー3つをお話したいと思います。

1つめは、色彩を微調整する「TrueVivid technology」です。ガンマ値を調整し、色の彩度を高め、階調や深度の的確な再現を行う技術で、グレースケールも改善することでよりリアルな色を実現します。実際に、オプトマのプロジェクターは色の再現性を高く評価されています。

2つめは、イメージコントロール「Pure Engine」。ビデオのデジタルプロセッシング技術で、このエンジンに含まれるいくつかの技術によって、デリケートな映像調整を行います。“Pure Detail”で画像のエッジを強調して細部をくっきり表現し、“Pure Color”で独自のカラーアルゴリズムとエンハンストによって映像の鮮明さを大幅アップさせます。また、“Pure Motion”のアルゴリズムによって自然な動きを損なわないように映像を再現します。なお、“Pure Engine Demo”を使用すれば、未処理時の画面と簡単に比較が可能で、画質の調整確認が可能です。

3つめが「Image AI」で、これは映像コンテンツのシーンを自動判別し、光源の明るさをコントロールする技術です。シーンが暗い場合には光量を絞り、シーンが明るい場合にはより明るくすることで、ダイナミックな映像の変化を再現します。

オプトマでは、以上3つの技術をコアテクノロジーと位置づけて進化させてきました。これらのコアテクノロジーを踏まえながら、今も進化を重ね、ホームシアターユースに加えて様々な用途やシーンにあわせた製品開発を行っています。

−−　先ほどご紹介頂いたような製品群ですね。

林氏：　はい。パーソナルスペースでも使える短焦点プロジェクターや、LEDを採用したモバイルプロジェクター、ほかにプロ向けの高輝度プロジェクターや、文教向けのモデルも展開しています。

中でも特に注目して頂きたいのは、明るいリビングルーム用のプロジェクターです。リビングユースで第一に要求されるのは、高精細で高輝度ということ。今年8月に日本に投入した高輝度5,200ルーメンを実現する新製品「EH503」は、まさにこれにあたります。

−−　そのEH503など、続いては今季日本で登場した最新モデルについてお伺いしていきたいと思います。リビングシアターやプライベートスペースなど、いわゆるホームシアター専用室向けだけではない製品をラインナップしていることが印象的ですよね。