中川圭史氏

大きく進化した強力製品を投入して
市場活性と次なる進化へまい進する
株式会社ディーアンドエムホールディングス
取締役
ジャパン・セールス&オペレーション
プレジデント 兼 APAC CFO
中川圭史氏
Yoshifumi Nakagawa

ハイエンドオーディオ市場で強い存在感を示すB&Wスピーカー800シリーズDiamond≠ェ革命的に進化。市場への大きな刺激をもたらすべく、販売を担うディーアンドエムの中川氏が意気込みを語る。

スピーカーの銘機が
革命的な変化を遂げた

── B&Wの新たな「800シリーズDiamond」が金賞を受賞されました。

中川ありがとうございます。800シリーズはB&W社のハイエンドモデルとして、1979年の初代モデルより大好評をいただいています。モデルチェンジのたびに新技術を搭載して高音質化を実現、高い評価を頂戴しており、2005年にはダイアモンド振動板の搭載など大きな進化を遂げ、以来“800シリーズ Diamond”と命名されました。そして今回のモデルチェンジでは、“革命”と表現されるほどのさらなる劇的な進化を遂げています。

B&W社が「800シリーズは偶然の産物ではない」と言うように、その最高のクオリティは必然の結果です。このモデルチェンジでは868箇所もの変化がもたらされましたが、先代モデルと同じ3つのパーツを除くすべてを全面的に見直しており、金型も新規に起こしての大きなチェンジとなっています。

9月に開催された東京インターナショナルオーディオショウでは、今回金賞を受賞致しました802Diamondを始めとした新しい800シリーズDiamondを発表することができ、本国の開発エンジニアも来日してラウドスピーカーの開発における真摯な取り組みを披露しました。さらに10月6日のプレスイベントを皮切りに、販売店様への内覧会を開催して180名もの方々に来ていただき、新技術の詳細なご説明や実際の音を体験していただいたところ、皆様から絶賛の声を頂戴しています。

その音質に関しては「スピーカー版の4Kのようだ」と評していただく声もあり、すばらしい表現力への皆様の実感とありがたく受け止めております。お客様に安心して紹介することができると、あらためて心強く思います。

── 新たな800シリーズDiamond≠ヘ5モデル構成ですね。

中川最上位の800は来春の発表を控えていますが、802、803、804、805を披露することができました。この4モデルの中でもっとも革新的な変化を遂げたのは802で、現状の実質的なトップエンドと言えます。それを裏付ける実力がその音にはっきりと現れており、現行の800を所有されているお客様も、新たな802によって今以上にご満足いただけるのではと思います。新たな800をご希望のお客様も、802でこれだけの実力ならばと期待されるのではないでしょうか。もちろんどのモデルも大きく進化しており、803は8畳や6畳のスペースでも非常に豊かな音場感を提供します。ここから新しいニーズも広がるかと期待しております。

前回のモデルチェンジから今回に至るまで10年を経ていますが、特許やパテントの問題もありB&W社が徹底した秘密裏のもとに取り組んできた、その結果期待以上の嬉しいサプライズとなりました。今回の新製品供給のために製造設備にも3億円以上投資されており、製品供給もスムーズになるものと期待しています。

ハイレゾやアナログの魅力を
強い存在感で伝えていく

中川圭史氏

── いよいよ市場投入。昨今の市場環境の中で、大きな刺激となりそうです。

中川マーケットで非常に期待されている製品ですから、発売に先行して10月から主要販売店様の店頭、あるいはイベントにて試聴会を実施しています。順次始まるシリーズの導入に際しては、さらに全国規模でのプロモーションや試聴イベントを実施して参ります。

こうした大型スピーカー製品では、実力あるアンプやプレーヤーとの共演が不可欠ですから、販売店様にとっては既存の製品の拡販にもお役立ていただけると確信しております。当社でも当然ながら今年度の新製品を積極的にプロモートし、サポートしていきたいと考えております。

市場環境は欧州ではアナログが、日本ではハイレゾがトレンドとして拡大しており、グローバルマーケット全体でも双方への注目が高まっていると認識します。当社はそうしたマーケットの良い流れを一過性で終わらせないためにも、よりいっそうハイレゾやアナログの魅力とその本質をしっかりと伝えていかなくてはと思っております。

ハイレゾソースの普及に伴って、昨今では本当のハイレゾ音源を再生できる実力をもつソースプレーヤーやアンプ製品が望まれていますが、それらが新しいマーケットをつくり出すとともに、既存のハイエンドオーディオの分野も刺激され、進化を始めていると感じます。

一方で実際に人間の耳に聴こえる“音波”をつくり出すトランスデューサー関連の技術に対しても、引き続き改善が求められてきました。今回こうして大きく進化したスピーカーを発売できたということは、そこから次なる進化へつながっていけると信じていますし、スピーカービジネスだけでなく、アンプやアナログプレーヤーも含めたソースプレーヤーなどの周辺機器の買い替え需要をも大きく喚起すると期待します。

今回の新しい800シリーズを市場に投入することで、オーディオ市場をさらに活性化できると自負しております。そうした意味でも、新しい800シリーズは非常に期待される存在であるとともに、市場における役割は重要です。ディーアンドエムの製品群との相乗効果も含め、マーケット活性化のため、今後の製品開発にもプラスとなるよう努力して参ります。

◆PROFILE◆

中川圭史氏 Yoshifumi Nakagawa
1988年に日本コロムビア(株)入社。ドイツ及びアメリカの販社においてコントローラーとしてマネジメントにあたる。2002年のD&M 設立後は全体の経営計画とコンシューマー機器部門の戦略策定を担当。2015年6月より現職。

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