岡田 豊氏

今年大豊作の新製品で提案を連打し
販売店と共に体験の場づくりを推進する
株式会社ヤマハミュージックジャパン
AV・流通本部
本部長
岡田 豊氏
Yutaka Okada

AVコンポーネントの最上位となるプリアンプを皮切りに、数多くのモデルが受賞。ハイファイオーディオとともに、好機広がるサラウンド製品に注力していく。受賞を追い風に加速するヤマハの取り組みを、岡田氏が語る。

高付加価値の独自技術で
新フォーマットを楽しむ

── VGPの批評家大賞受賞おめでとうございます。

岡田大変嬉しく思っております。ホームシアター関連製品はこの年末に向け新しいサラウンドフォーマットに対応した製品が揃い、お客様が一斉に動いてくださると期待しています。

批評家大賞を頂戴したフラグシップのプリアンプCX-A5100は2年前に投入したCX-A5000の後継機で、すべての回路基板を刷新し、全面的な改良で音の基本性能が飛躍的に向上しました。さらに話題の新サラウンドフォーマットにヤマハ独自の音場創成技術シネマDSPを掛け合わせ、楽しんでいただけるのが大きなポイントです。

9月リリースとともに東京と大阪で先行試聴会を開催したところ、おかげさまで大盛況でした。引き続きご販売店様での試聴会も展開し、各地で大きな反響をいただいています。本製品を始め新フォーマット対応の製品がそろい踏みでお客様の活発な動きが感じられ、年末に向けマーケットの盛り上がりをおおいに期待しています。

── シアターイノベーション大賞を受賞したYSP-5600も期待値の高いモデルです。

岡田デジタル・サラウンド・プロジェクターYSPの提案も10年を経過しました。YSP-5600はYSP-4100以来6年ぶりとなるフラグシップで、ワンバーのシステムとして初めてドルビーアトモスに対応、先々のDTS:X対応も予定された新たな領域のモデルです。ビームの壁反射と天井反射で、高さ方向のサラウンドの世界観も表現できるようになりました。テレビとのパッケージビジネスにおいてより専門性の高いサラウンドソリューションを提案し、ご販売店様の単価アップに貢献したいと思っております。

── AVアンプ、YSPの両面から本格シアターシステム構築のニーズにお応えできますね。

岡田 豊氏

岡田部屋に最大13本のスピーカーをセッティングするAVコンポーネントとワンバーのYSPでは、設置ソリューションが違います。お客様がどういうソリューションを求めているかはホームシアター製品に限らず常に注視するところで、ニーズが多様化する中で我々はどれだけ多くのソリューションをご提案できるかが問われていると思います。YSPはその解のひとつとしてご提案するもので、1本で実現するリアルなサラウンドサウンドをあらためて認識いただくきっかけにしたい。

全国の主な量販店様の店頭で100ヵ所ほど、YSPの体験コーナーを設置させていただいています。YSP-5600ではご販売店様とともに、大画面テレビのお客様をターゲットにYSPの魅力をきちんと体験いただける場づくりを推進し、裾野の拡大を推進します。ハイファイアンプのA-S1100なども含め、こうした高付加価値・高単価モデルの個別試聴会も全国で積極的に展開し、お客様の認知度向上に取り組んでいるところです。

さらにワンバーのYSP-1600、ステージタイプのSRT-1500はエントリーモデル、「設置スタイルで選べるYSPシリーズ」と位置づけ、年末に向け数多くの量販店様の店頭での展開を見込んでおります。

新トレンドが広がる中
すべての提案に全力投球

── ご販売店に対する取り組みにも力が入りますね。

岡田新たに発足した専門店営業課が全国の専門店様での試聴会で活躍し、また業界のイベントなどでは企画部門と手分けをしてあたっています。さらにエリア毎の営業担当が、量販店様での店頭イベント等を推進しています。新製品や新たなご提案は、何よりもお客様に体験していただくことが最重要テーマ。我々はこのような体制で全国をカバーし、同時多発的なイベントにも対応しながら体験の場を精力的に広げているのです。

おかげさまで盛りだくさんの新製品群がお客様からの好意的なお声をたくさんいただいており、我々のモチベーションも高まります。開発部門の技術者ともどもいいご評価に喜びつつ、またご指摘も真摯に受け止め次の製品につなげていく。イベントも、商談も、そして売り場づくりもすべて、やりがいを感じつつ力いっぱい取り組んで参ります。

── 昨今のオーディオ・AVの市場は、さまざまな提案に対してウェルカムな雰囲気が高まっています。

岡田今トレンドはいくつもありますね。AVでは4K、サラウンドの新フォーマット、そしてオーディオではハイレゾ、アナログが話題です。音楽や映像の定額制配信サービスも本格化し、新しい提案が次々に現実となっていますが、これをいかに料理し製品に昇華させ、さまざまなニーズにどう提案するか。どこに一番のレスポンスが来るかを見ながらどれも手を抜かず、きちんとやっていかなくてはという思いです。

私どもでもこの上半期は計画をクリアできました。夏場も全般的に市況がスローでしたが、そんな中で新製品の導入展開をしつつ、従来我々が得意としてきたAVアンプ、薄型テレビオーディオのところで売上げ維持を果たし、成長を期待するハイファイカテゴリーでは計画どおりの2桁成長を果たすことができたというところ。いい雰囲気の中で、より多くのお客様の関心を集めたいと思います。市場の動き、お客様の指向の動きを見ながら、さまざまにチャレンジして参ります。

◆PROFILE◆

岡田 豊氏 Yutaka Okada
1965年3月20日生まれ、大阪出身。1988年4月 ヤマハ株式会社入社。2015年4月 株式会社ヤマハミュージックジャパンのAV・流通営業本部本部長就任、現在に至る。

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