巻頭言

財津さんと再会

和田光征
WADA KOHSEI

私と財津一郎さんのお付き合いは24年を数える。2013年10月18日から11月20日まで私は、肺膿瘍を患い順天堂医院に入院し完治した。その折、財津さんから小包が届き、中には励ましの文やご自身の雑誌記事、後述の詩があった。

「…しっかり闘病して下さい。あせらずに。朝日、夕日が輝く芝の上で又会う日に思いを馳せて…。フレーフレーWADAさん」と結んであった。私は有難く嬉しく謝意を電話で述べた。財津さんも61歳の時、脳出血で数ヵ月闘病されたので、病に勝つ術と魂を伝授下さったのである。私は1ヵ月の入院で、70キロ近い体重が57キロにまで落ち、元に戻るのだろうかと暗くなったものだが、今は67キロにまで戻ってきた。

先日の10月23日、退院して2年ぶりに財津さんと再会、ピットインミュージックの佐藤良武社長と3人でゴルフを楽しんだ。財津さんは80歳になったが、エイジシュートを2度達成しているだけあって相変わらずパワフルで正確、私は完敗であった。ここに財津さん作の詩を、業界元気づけの為に掲載します。

 

ゴルフ讃歌

おお、ゴルフ、ゴルフよ!
在る時は易しく、在る時は厳しく
全ては己に発し己に帰する
己が己に審判を降す厳しくも
素晴らしきスポーツよ!

おお、ゴルフ、ゴルフよ!
山並みを結ぶフェアウェイは、
冬は薄イエローに染まり
やがて春の訪れと共に、
緑に映え、緑に萌え、緑に匂い
夕日を背にフト振り返れば。
青き芝は金緑色に輝く
そは将に天国と現世を結ぶ緑の絨毯か!

おお、ゴルフ、ゴルフよ!
きれいに刈り込んだグリーンは将に夢の丸盆
そこに到達する迄に配された様々の障害物
青杭、黄杭、白杭、ウォーターハザード、樹木、
そしてあの、げに恐ろしき砂の池!
そは将に人生のそれに似て
乗り越えて行かねばならぬ難関の数々、
寸分の甘えも許さない。

おお、ゴルフ、ゴルフよ!
グリーンに待つ穴は将に安息の地か
カリカリカリコンコロコ〜ンと堕ちた瞬間
うす暗い円筒形の穴の中から
白球が天に向かって微笑み返す
ある時は嬉しげに、
又在る時はにが笑いで…

おお、ゴルフ、ゴルフよ!
今日も呼ぶ、我を呼ぶ、
あの山、あの丘、あのスロープ
我は行く、今日も行く、
ツーピース・ラージを抱いて
雨にも負けず、風にも負けず、
雷だけはヒジョーに怖いけど
首と背中と腰の痛みすら
心地よきものに思える79の夏だ!
希わくばゴルフの産む人の輪こそは、
何時も爽やかで、
心地よきものであって
ちょ〜だい!

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