部屋全体に拡がる音空間
天井から
音が降ってくる

リビングルームの“テレビの音”に代表されるスピーカー導入時に、ハードルとして立ちはだかるのが女性の目。デザイン、大きな図体、這いまわるスピーカーケーブルなど、看過できない要素が少なくないからだ。シアターラック、サウンドバー、ワイヤレススピーカーなど、様々な提案が相次ぐが、照明メーカーのオーデリックが、独自の視点から回答を導き出したのが「SOUND ZOOM」シリーズ。新たな選択肢としてさらなる進化が続く。

配線も工事もオーディオアンプも不要。天井の埋込ローゼットへ簡単に装着できるSOUND ZOOM「Shower」

照明メーカーの視点

照明メーカーが手掛けるスピーカーシステムとして、3年前に登場したオーデリック「SOUND ZOOM」シリーズ。商品開発を手掛ける道祖田氏は「照明と音響を合体させるアイデアからスタートしました。照明メーカーがやるからにはと、最初にポイントを置いたのがデザインです」とまずは見た目≠ノ斬り込んだ。

基本設計とデザインおよび生産はオーデリックが行い、感性の世界とも言うべき、熟練された耳が必要な音質に関わる重要なポイントとなるチューニングにはJVCケンウッドの音質マイスターより協力を得た。第1弾として登場した「Crysta」は、美しい透明なガラススタンドに収められたスピーカーが宙に浮いたような斬新なデザインで、オプションのLEDライトアップステージを組み合わせると、音≠ニ光≠フ幻想的な空間が出現する。

「機器の結線や配線も嫌がられます」という課題に赤外線無線によるワイヤレス化で応えたのが「Air」だ。「照明メーカーとして、普通に床に置いてもしようがないですから」と着目したのが天井にあるライティング用のダクトレール。「外観は照明らしく見せ、スピーカーの存在を感じさせない。しかし音は本物」という商品。こだわりの音づくりには1年半を要した。

「床にケーブルが這わない。邪魔なら移動できるし、追加や取り外しもできる。『照明メーカーがやると、スピーカーもこうなってしまうのか』と、音楽マニアの方にも受け入れていただいています」と話す。また、中小店舗オーナーがスピーカーを探しに量販店に足を運ぶことも珍しくないが、「面倒な配線や取り付け工事が要らない」「置き場所が限定されず、音に拡がり感が出せる」など好評だ。

ただし、一般の家庭で課題となったのはダクトレールがあまり普及していなかったこと。「Air」導入を目的に新規にダクトレールを取り付ける例も見られたが、そこで目を付けたのが照明を取り付ける埋込ローゼット。「ほとんどのご家庭のお部屋の天井にあり、しかも、部屋の中央というベストポジション。そこにスピーカーを一緒に隠してしまおうと考えました」と商品化されたのが「Shower」。文字通り、音が天井から降るように聞こえてくる。

オーデリック(株)特品開発室 主幹 道祖田俊久氏(左)
オーデリック(株)SOUND ZOOM販売リーダー 森下直久氏(右)

評価を集める意外性

無線方式も2年前に、2.4GHz帯デジタルワイヤレス送信に進化。「1つの送信機で複数のスピーカーを鳴らせるので、広いリビングとダイニングにそれぞれAirUをつけて、一緒に聴くといったこともできます。送信機では音量調節もでき、しかもコンパクトな充電式なので持ち運びも便利です」。

現在はインテリアショップ、照明ショップ、家具店などをメインに展開するが、販売リーダーの森下氏は「課題は認知度がまだまだ低いこと。聴いていただける場所をもっと増やしていきたい」とさらなる拡販に注力。最近ではモデルハウスでの展示が拡大する。「地デジで5.1ch化され、ハウスメーカーでもお客様に対してスピーカーの提案を行っています。これまでは埋め込み型のスピーカーが多く、生活の邪魔にならない半面、商品として販売につながりにくい面がありました。そこへ、SOUND ZOOMシリーズが新たな切り口として注目されています」。テレビの音との聴き比べで、お客様の購買意欲は一気に高まるという。

「オーデリックに求められているのはインテリア性です。スピーカーの存在感をいかになくすか。お客様からも『何で音がするのですか?』『どこにスピーカーがあるのですか?』という意外性≠ェ大変好評です」と説明する。一方、「お客様が購入に踏み切られる最終的な判断はやはり音=vと語る道祖田氏。「最近、耳元スピーカーなども出てきましたが、SOUND ZOOMシリーズのワイヤレス方式は、信号をほとんど圧縮しないため音質の劣化が極めて少ない。また、左右のズレ、サラウンドの際の遅延を極限まで抑えています。いい音を出すためのこだわりがぎっしりと詰め込まれた、大変贅沢な作りのスピーカーです」。

スピーカーの品質は決して犠牲にしない照明とのコラボによる意外性こそがSOUND ZOOMシリーズの持ち味。テレビのさらなる軽量化や視聴スタイルの多様化を背景に、「ライフスタイルにあわせてさらにバリエーションを拡げていきたいですね。市場にないものをつくると、お客様からいろいろな意見をいただけます。それをうまく取り込んだ商品づくりでもっと進化させていきたい」と腕を鳴らす。

「オーヤマ照明≠ゥらオーデリック(ODELIC)≠ヨ社名を変えた理由のひとつは、これからは照明機器だけではなく、より創造性の高いインテリアを考えていく意味からです。OHYAMA、DELIGHT(楽しみ、喜び)、LIFE(生活)、CREATION(創造)の頭文字をとりました。オーディオシステムもそのひとつ。いろいろな商材を提案し、ユーザーに喜んでいただきたい」と力を込める森下氏。

待望されているのは生活への新しい価値提案。節電への意識が強まり、LED照明への買い替えも加速する中で、「照明×音(スピーカー)」という他にはない評価軸を武器に、オーデリック「SOUND ZOOM」シリーズのさらなる進化が注目される。

充実の音空間を実現する進化型「SOUND ZOOM」シリーズ

 

<デザイン革命> えっ!これがスピーカー?

ODELIC
“SOUND ZOOM”シリーズ
「Crysta」

スタンドに用いられるのは、1つ1つ丁寧に磨き上げられるレンズに使用するオプティカルガラス。オプションのLEDライトアップステージと組み合わせれば光を放つオブジェライトに。インテリアを重視される女性のお客様からの「これなら置きたい!」との声も少なくない。サイズを超えた重低音、艶のある高域を再現する原音に忠実な高音質再生を誇るスピーカーだ。

<ワイヤレス> えっ!スピーカーケーブルが要らない?

ODELIC
“SOUND ZOOM”シリーズ
「AirU」

ダクトレールに配するスポットライトの大きさで実現された、音質重視のワイヤレス2ウェイスピーカー。ボディ後部に真鍮製のバスレフパイプを備え、サイズを超えた重低音を実現。ヴォーカルの倍音域までつながりのいい中域と艶のある高域で、長時間聴いていても聴き疲れがしない。専用の送信機1台で複数台のスピーカーに対応するため、ブティックやカフェなどの店舗用にも最適。埋め込み型と違い、足りなかったら足せるし、設置場所を移動もできる。
※AirUはマットホワイトが標準色。マットブラックとマットシルバーは受注生産品

<簡単設置> えっ!天井から音が降ってくる?

ODELIC
“SOUND ZOOM”シリーズ
「Shower」

シーリングライトと一体化したワイヤレススピーカー。専用の送信機はコンパクトでコードレス。テレビやデジタルオーディオプレーヤーなど好きな機器をつないで楽しめる。ウーファーとトゥイーターをスピーカーBOX内の左右に1組ずつ配置しているので、5.1chのサラウンド用のスピーカーとして使用することもできる。

▶オーデリック「SOUND ZOOM」
http://www.odelic.co.jp/products/soundzoom/index.html


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