巻頭言

奇数・偶数で

和田光征
WADA KOHSEI

以前記しましたが、単純に偶数と奇数の数字合わせと、時間の流れやものごとの盛衰や安定を照らし合わせてみると、面白いものが見えて来て、ある種真理をつくものがあると思います。

 「森羅万象、宇宙のありとあらゆるものは相反する陰と陽の二気で調和し、初めて自然の秩序が保たれる」(陰陽五行説)。そして「陰」は水や植物、女性などを表し、「陽」は光、明、火、昼、動物、男などを表すと言われています。この理論を信奉している訳でもありませんが、私なりの理解と運用について述べてみたいと思います。

 数字での陰は偶数、陽は奇数であります。陰をお母さん、陽をお父さんと置き換え、さらにお母さんは「守り」、お父さんは「攻め」と考えてみます。それを数字で年代別に見てみますと、例えば2010、2011、2012の3年間では、陰数→陽数→陰数となります。お母さんが2回登場して、お父さんが1回、守→攻→守ということになります。

 このことを考えてみますと、2010年からの3年間は、体勢を整えながら攻めて行く時と言えます。リーマンショック、サブプライムの崩壊から始まった世界同時不況は依然として企業経営に影を落としており、現在攻め型だけの成長戦略は描き切れないというのが実態ではないでしょうか。引き続き体質強化を図り筋肉質にしながら、選択と集中で成長軌道にもっていく、しかし3年間の最後の1年には車輪が成長の軌道にはまって動き出している、そんな構図が浮かび上がって来ます。

 そして2013年から2014、2015と3年間を同じように考えてみますと、陽数→陰数→陽数となり、攻め型のお父さんが2回、しっかり守ってくれるお母さんが1回登場することとなります。この3年間はまさに成長の時と言えるのではないでしょうか。

 私が提唱する「黄金の2013年」のひとつの根拠でもあります。このことを10年前の2000年からの3年間、2003年からの3年間、そして2006年からの3年間で検証してみると面白いと思います。企業の成長戦略や、薄型テレビやiPodといったエポック商品の登場が不思議なことにそこに次々と符合してくるはずです。

 私どもは2000年6月から本格的に「ファイル・ウェブ」をポータルサイトとしてスタートさせましたが、本当の意味で成長戦略が具現化していったのは2003年?2005年だったと思います。そして2006年〜2008年は順調に推移したものの、2008年後半に世界同時不況禍に見舞われ、業界全体がとんでもない試練の海へと投げ出されたのでした。

 2009年はその苦難の真っ只中にありましたが、各企業は2010年にお母さんの守りを得ながら「黄金の2013年」に向けた攻め型の成長戦略を構築し、推移させているのが現状ではないでしょうか。

 故に成長戦略は成功させなければなりません。

 「黄金の2013年」をわが業界が享受するのでなくてはならないと強く思います。そんな意味で奇数と偶数の話を反芻していただければ幸いです。

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