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DSP-AX2700

YAMAHA
DSP-AX2700

¥240,000(税抜)

発売:2006年11月中旬
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筐体内部設計にもこだわったミドルクラスAVアンプ

ビジュアルグランプリ2007 ≪銅賞≫受賞モデル

【SPEC】●定格出力:140W×7 ●最大出力:185W×7 ●周波数特性:10Hz〜100kHz ●音声入力端子:アナログ×11、6ch/8ch×1、光×5、同軸×3 ●音声出力端子:SP OUT×7ch、PRE OUT×7ch、SUBWOOFER OUT×1、REC OUT×4、光×2 ●映像入力端子:コンポジット×6、S×6、RCA色差×3、D5×3 ●映像出力端子:コンポジット×3、S×3、RCA色差×1、D5×1 ●その他の入力端子:HDMI×3、USB×1、DOCK×1、Network×1 ●その他の出力端子:HDMI×1 ●コントロール端子:RS232-C×1 ●外形寸法:435W×171H×438.5Dmm ●質量:18.3kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

ハイファイ志向をより強化 DSPもリニューアル

ヤマハ独自の音場再生技術「シネマDSP」の基本思想は、いまから20年前に登場したサウンドプロセッサー「DSP-1」が切り開いたものである。当初はハイファイ再生の新機軸として注目を集め、その後家庭における映画音響の再構築に軸足を移しながらも、ヤマハの音場再生技術はこの20年間途切れることなく重要な役割を担い続けてきた。

音場再生20周年を迎える節目の年にヤマハが作り上げた中核モデルからは、2つの重要な設計思想を読み取ることができる。第一にアンプ本来の基本性能を追求してハイファイ志向をいっそう強めてきた。剛性を大幅に強化すると同時に信号経路の短縮化を徹底。共振を抑える新形状のヒートシンクの採用など、ピュアオーディオの手法を惜しみなく投入してブラッシュアップを図っている。

もう一つの注目すべきリファインは、同社のAVアンプの基幹技術であるシネマDSPのリニューアルである。実測データの取り込み方法にメスを入れて空間再現の精度を大幅に向上させ、音場プログラムの中身も一新した。

ヤマハが取り組んだ2つの基本的なリファインの成果は、本機の再生音から明瞭に聴き取ることができた。

ピュアダイレクトモードでステレオソースを聴く。一つひとつの楽器が立体的にフォーカスよく音像を結びながら、それらの周囲の空気の存在を強く意識させ、さらにその周辺に深い余韻が広がっていく。自然なステレオイメージを形成しながら、それを包み込む空間の響きをていねいに描き出すのである。スピーカーなどオーディオ機器の音質傾向を音場型と音像型に分けて論じることがあるが、あえていえば、本機はその両方を志向して統合を図っているといえるだろう。

マルチチャンネル音源の遠近感の深さと空間精度の高さにも特筆すべきものがある。音楽ソースではステージの深さだけでなく、余韻の広がりでホールのサイズや形状を想像させ、映画再生では環境音が描き出す空間の広さが驚くほど大きい。まさに映像ソースの大画面再生&高精細化とぴったり合致する志向である。新しいシネマDSPは空間の見通しが大きく改善されており、音楽再生でも違和感をほとんど感じることがない。

(text.山之内正)