
オーディオテクニカのウェブサイトでは一般向けと同時にプロオーディオ製品コーナーにも掲載されている、まさにプロフェッショナルモニターヘッドホン。2007年の発売から現在まで継続販売されていることも本機の実力を示している。
そこにこのたび新色ホワイトが追加された。新鮮な印象を与え、改めてその魅力をアピールする狙いだろう。イヤーパッド、ヘッドバンド、ケーブル、全て白に統一されたルックスは、シンプルながらもインパクト大。プロ機らしい無骨な形状と全身の白の組み合わせは、迫力と愛らしさを兼ね備えるシロクマのような雰囲気だ。
では基本的な特長を確認しておこう。
ドライバーは大口径45mmに強磁力マグネットを搭載。耳をすっぽり覆うイヤーパッドはクッション性も十分。装着感と遮音性は共に良好だ。ケーブルはカール型。ストレート型に慣れた方にはなじみにくいかもしれないが、これにはこれで、絡みにくいなどの利便性がある。持ち運びや収納も考慮して折り畳み機構も搭載。
聴き始めてまず好ましく感じたのは空間の余裕。音を密集させず余白を適当に残し、それぞれの音もその間に広がる響きも綺麗に浮かび上がる。ワンポイント録音のピアノ・トリオ作品では、ピシッと配置されたシンバルから柔らかな響きがふわっと広がる様子が、目に見えるようだ。ウッドベースの低音は硬すぎず柔らかすぎず気負いのない感触。強く主張はしないが、音程感の確かさなど、さりげなくさすがプロ機らしい描写。
ヒップホップ系のエレクトリックベースの重みにも唸らされる。密度感のある音色が鼓膜にドグッとぶつかって迫力満点。重み厚みを出しつつも、芯が強いためにリズムのタイトさも損ねない。高域側では、ロックのシンバルの刻みのシャープさ、キレが良さも好印象だ。
ボーカルは息継ぎやサ行の成分も不用意に弱めることなく出してくるが、それも本機の表現の鋭敏さの現れだ。不快とは感じない。
プロ機らしい音、音源の持ち味を損ねず丸めずダイレクトに届けるような音、それを求める方を満足させるであろう仕上がりだ。遊び心を加えた新色ホワイトも含めて、改めて注目するに値する。