

| オーディオテクニカが手掛けるオーディオ・ビジュアルケーブル「アートリンク・シリーズ」。理論にこだわりすぎず、出てくる音にこだわって創られたという本シリーズの新製品として、2005年6月、レファレンスを意味する「シリーズR」、スペシャルを意味する「シリーズS」という2つのラインナップが発売された。そしてこの10月、音質・画質へのこだわりの入り口と位置づけられた「シリーズE」が新たに発売された。ここでは各シリーズごと、各製品ごとの特長に迫る完全レポートをお届けする。 |

| オーディオ・テクニカのハイグレードなケーブル・ラインアップとして人気の高いアートリンク・シリーズから、久々に新しい製品が登場した。シリーズRはその最上級モデルで、大変入念な設計と仕上げが特徴である。 |
スピーカー・ケーブルAT-RS5500は2芯構造を基本とする。線径の異なる2種類のOFC素線を1本ずつポリウレタン被覆したリッツ線構造。単線を中心に撚りの方向を変えた導体を重ね、全体で5つの層を形成している。プラス/マイナスの各芯線はそれぞれポリエチレンで再度絶縁し、ポリプロピレンの糸を介在にアルミテープでシールドを施した厳重な構造だ。最外周は鉛フリーのPVCである。 ライン・ケーブルAT-RA5000もやはりOFCの2芯構成。ポリウレタン被覆によるリッツ線や異種線径導体による4層構造など、AT-RS5500と同じ発想である。ただし芯線のほかPVCのダミー線2本を加えて擬似的な4芯構成としている点が大きな違い。振動の抑制・吸収に効果的である。また端子は真鍮によるオリジナルのコレクトチャック式。線の中央付近にスタビライザーが取り付けられている。 いずれも両端まで伸びやかで色づけのない音調だ。レスポンスがフラットで位相にも凹凸を感じない。色々な意味で平らに作られたケーブルという印象が強いが、精緻な構造と作りの精度がそれを可能にしたといっていい。 低域はウッドベースの音色がにじまず、くっきりとしたタッチと豊かなエネルギーを再現する。ピアノにもクリアで芯の強い質感がある。立ち上がりのスピードが速い。ボーイソプラノのハーモニーにも濁りがなく、いたって無色透明。広々とした空間が背景に存在している印象である。その他声楽やボーカルはフォーカスがよく、音像が明快。ピアノ・ソロは直接音と残響との均整が取れ、両者がきれいに分離している。オーケストラは楽器の音色が鮮明に描き分けられ、色彩が豊かだ。常に整然とした雰囲気を崩さず、堂々としたスケールを導き出す。
デジタル・ケーブルAT-RD5000は同軸構造である。中心導体は純銀コートのOFC単線。アルミテープと純銀コートOFCによる二重シールドをほどこし、二重巻きテフロンを挟んでアルミテープとOFC素材による二重シールドを繰り返している。シールドは計4層という厳重な構成だ。プラグはオール・ロジウムメッキの真鍮製コレクトチャック式。やはりスタビライザーを装着している。 この精度の高い音にもぜひ注目してほしいものだ。信号に乱れがない。ジッターがよほど低いのか大変滑らかで棘のない感触である。デジタルにありがちなざらっとした質感や耳障りな硬質感がなく、広いレンジにわたって静かな再現を展開する。背景にもノイズを感じない。もちろん音は無色で誇張や変質がなく、いたってニュートラルな再現性が音楽のニュアンスを引き立てるのである。 |
TOPIX |
アートリンク・シリーズRから電源ケーブル「AT-RP5500/3300」の発売が決定!>詳細 |

| シリーズSは最高峰シリーズRの設計思想を受け継ぎつつ、幅広いラインナップを用意。 高音質・高画質を追い求めたハイエンドシアター用ケーブルだ。 |
新しいアートリンク・シリーズのうち、ミドルクラスとなるラインアップである。ハイエンド・オーディオに的を絞ったシリーズRに対して、2種類のスピーカー・ケーブルや光デジタル・ケーブル、コンポーネント・ビデオ・ケーブルなど豊富な製品ラインを形成し、オーディオからAVまで幅広い対応を図っている。 ライン・ケーブルAT-SA2000とデジタル・ケーブルAT-SD2000はシリーズRと相似の構成を採る。前者はポリウレタン・リッツ線のOFCによる4層構造。異種線径の複合も同様で、ポリプロピレン糸の介在やアルミシールドも共通する。また後者は純銀コートOFC単線を中心導体とし、アルミテープや二重テフロンのシールドが施されている。全体として構造は若干簡略化されているが、厳重で精度の高い設計であることに変わりはない。 2種のスピーカー・ケーブルはいずれも導体にOFC撚り線を採用。AT-SS2300はオーソドックスな2芯構造で、絶縁にポリエチレンを使用している。上級モデルのAT-SS2700もポリエチレンを絶縁体とするが、4芯のクワッド構造が特徴である。また中心にポリプロピレンのコアを配したのも有意義な設計である。 レスポンスや位相に凹凸のないフラットな音調はシリーズRを継承したものといえる。背景も静かで、どこにも突出したところがない。立ち上がりも速いが、シリーズRに比べると若干おとなしい感触でもある。 ウッドベースは無色透明でにじみもないが、低域でのエネルギーを無理に押し出そうという力みは感じない。ボーイソプラノは声の響きをスリムに描き出してバランスにも優れる。オーケストラは両エンドを穏やかに収めてナチュラルな質感を保つ。いずれも不自然な膨らみや硬質感を排し、聴きやすく正確な再現を得ている。コスト・パフォーマンスの高いシリーズである。
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| オーディオ関連ケーブルに加えて映像ケーブルを多数ラインナップしたシリーズEは、より手軽な価格でホームシアターのグレードアップを実現する期待の新製品だ。 |
| ケーブルは音や映像のライフライン(生命線)だ。使うケーブルによって「これが同じ機器だろうか?」と思うほど、まるで別者のクオリオリティになることは珍しくない。ホームシアターを始めたが、もし付属のケーブルしか使ったことがないのであればあまりに惜しい。ぜひケーブルの大切さに気づき、システムの能力を100%引き出すべく、ベストマッチなケーブルを探して欲しいものだ。
そんな入門者のあなたに勧めたいのが、オーディオテクニカの「アートリンク・シリーズE」である。アートリンクは理論よりもまず感性を重視した人気のシリーズ。上からフラグシップのR(リファレンス)、その血筋を引き継ぐ高級ホームシアターファン向けのS(スペシャル)。そして今回のE(エキスパート)は、アートリンクの入口として位置づけられるハイコストパフォーマンスなシリーズだ。Dビデオやコンポーネントビデオなど映像系やデジタルケーブルの充実がひときわ目をひく。
シリーズE 音声ケーブル編 シリーズRの反転撚り構造やケーブルスタビライザーなど、アートリンクを特徴づけるノウハウは耳で選ばれたという。本当の美しさを伝えるためのというポリシーは、エントリーなシリーズEにまでみごとに一貫しているのだ。 ラインケーブルAT-EA1000とスピーカーのAT-ES1500では反転撚り構造を採用して、いずれも高解像度かつ明快でキレのいいサウンドをめざす。線材はOFC、AT-EA1000は真鍮削り出しのプラグに24金メッキという立派なつくり。無鉛ハンダを採用している。楽器の質感がリアルに再現され、音楽が生き生きと流れるのが特徴だ。AT-ES1500では撚りのピッチを変えているが、これは高域、低域でのタイミング合わせの目的だ。PE絶縁体やポリプロピレン系、そして紙テープに鉛フリーのPVCシースまでよく吟味されている。ジャズのアタックは力強く輝かしさにあふれるもの。 スピーカーケーブルはAT-ES1500に加え、下位のAT-ES1300もラインナップ。こちらはメートル単価千円ぴったりだから、ホームシアター用にも好適。全CHオールES1300でといいたいが、フロントに使えばまず過不足なくエネルギー感を引き出す。導体面積1.5平方mmの芯線によるパワフルな再現力に思わずニンマリくるはずだ。空間情報もかなりのもの。 次にデジタル音声ケーブルは光と同軸を用意。光デジタルのAT-EDP1000は高級で、バンドル構造のガラスファイバーを採用。真鍮削り出しのプラグに24金メッキ接点など、なかなか凝った作りである。差し込み精度やその感触もいい。ハイスピードな中にもキメ細やかで分解能にすぐれた音調だ。音場の透明度がぐんと深まり、高純度かつニュアンスに富む。クラシックの再生はバツグンだ。 同軸のAT-ED1000。これはOFC線の純銀コーティングで情報量を高め、アルミテープにテフロンテープの2重巻きなどによる3重のシールドで高S/Nを実現。プラグは真鍮削り出し、24金メッキ接点を採用。エネルギーのほどばしるダイナミックな再生だ。ケーブルにはいずれも信号の流れを記した方向性マークがある。
映像系では、より高品位な信号伝送を推奨するアートリンク・シリーズらしくコンポジットケーブルを省略。その分、色差のコンポーネントやD端子系が充実の品揃えとなっている。 純銀コートOFC線やOFC線のハイブリッド構造を採用し、アルミテープとOFCの2重または3重の厳重なシールドを施したモデルなどをラインナップ。アートリンクらしい高解像度、かつビジュアル的でゴージャスな色模様を味わわせる。 別個にみていくと、コンポーネントのAT-EVC1000はシールディングが2重。3RCAプラグは真鍮削り出しで、他の製品と同様ニッケルメッキが施されている。コンタクトは24金メッキだ。意欲的な発色とぐっとコントラストの効いた力強さを感じる。「オペラ座の怪人」の地底へ誘うシーンは引き込むようなダーク部の重厚さと、光のキラっとした対比が印象的だ。「マスター・アンド・コマンダー」の霧の中での砲撃シーンは、自然な陰影描写とストレートな情報量の出し方で、この点は端末処理の難しいD端子系よりも優位な印象を受けた。 とはいえ、オーディオテクニカは他にはないほどの精密かつ極めて堅牢なD端子加工を会得しているのに驚く。DビデオケーブルのAT-EVD1000は、新型コネクターのロックが確実。プレーヤーやディスプレイとのコネクトがかちっとしてすこぶる高信頼だ。3重のシールドともあいまって、ダイレクトで潔い情報量感と高いノイズマージンのバランスは巧妙。どんな映像のシーンも、ノイズの暴れが少なくすっきりとし細密映像がみごとだ。「アビエーター」の落ち着きのある夜景や、赤が印象的なクラブの室内シーンは雰囲気がある。これも高いS/N感あってのものだ。 D端子をコンポーネントに変換するD-コンポーネントビデオケーブルのAT-EDV1000Aは、実際に重宝した。RCA側はメスである。端子はD、3RCAともに24金メッキで、ケーブル構造はDビデオのAT-EVD1000に準ずる。上質でハイレベルな画調もほぼ同様だ。 SビデオケーブルのAT-EVS1000は、銀メッキではないがOFC芯線のY/Cの独立シールド構造をる。輝度、色とも純度が高く、くっきりとコントラストの効いた積極再生が好印象だ。 |
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